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「早瀬 龍90HP Maji」

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2018年に発売された「早瀬 龍90HP Maji」。

一連の龍シリーズのネーミングが変わったので今までのユーザーにはわかりづらいですが、「早瀬High Power」クラスの位置付けなので、「征龍竿Ⅱ90 EXPERT MODEL」の後継機種になります。

フナヤ・オリジナルの中でも「征龍竿Ⅱ90」は群を抜いて感度が良い竿でしたが、その分「F1マシーン」のようで竿の扱いが難しいとの指摘もありました。これに比べて8.5㍍にダウンサイジングした「風切竿85 龍 早瀬Power」は比較的扱いやすく折損率も低い。

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そこで「風切竿85」のように扱いやすく、安定感を兼ね備えた「90早瀬」を作ろうというのが「Maji90」の開発コンセプト。私はこの竿の開発に参加しておりませんが、単純なマイナーチェンジではこれらを実現できないため、各節の切長さやテーパー、各節毎にカーボン弾性の組み合わせを見直したようです。

ユーザーが一番に気になる「Maji90」のコスメですが、2017年の新製品である「龍神竿90 急瀬Tough Power MOSA」を踏襲して、1~7番(元上)までは艶のある「NPフラッシュ工法」を採用。元竿(8番)はクリアー全塗装となっています。

玉口のデザインは「深みのある濃紺」に「細いシルバーのライン」。元竿の文字の下には、フナヤ・オリジナルでは始めて龍をイメージしたデザインをあしらっています。文字に使われた「字体」や「書風」については好みが分かれそうです。全体の印象は「風切竿」ほど地味ではありませんが、遠目に見ると派手さがなく玄人好みのデザインです。

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デジタル秤で尻栓込みの自重を測定すると「Maji90」は227㌘で、前モデルとなる「征龍竿Ⅱ90」は231㌘。使われている尻栓が違うので、ブランクのみの重量比較であれば「Maji90」が219㌘、「征龍竿Ⅱ90」が225㌘で6㌘軽量化されています。

ここからはインプレッションです。まず振り調子ですが、振幅減衰が早く抜けの良い調子に仕上がっています。パワーについては手元に返ってくる反発力は、まさに「早瀬High Power」という印象です。私は竿の硬度に関係なく、振り調子では振幅減衰速度を重視しています。

しかし1~3番が軽くて振幅減衰が早い竿はNG。そしてこれを振り調子だけで判断するのは、かなりの経験が必要です。フナヤ・オリジナルはどちらかと言えば胴調子では?そういった疑問を持たれる方も多いと思いますが、感度を増幅ないし減衰させない2~3番の張り。そして1~3番をぶれさせない4~8番(元竿)で先調子を作るのは本当に難しいです。

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そしてこの調子を突き詰めて竿の軽量化を図ると、折損率の高い竿となります。そこでどこまで2~3番の張りを落とすかがポイント。「征龍竿Ⅱ90」と「風切竿85」の違いは、まさにここが大きなポイントになります。これは「折れにくさ」と「感度」について、どこでバランスさせるかを意味しています。

先調子にこだわるのは「引き釣り」や「止め泳がせ」で、よりオトリを正確に管理したいから。これは泳がせでもオバセを正確に管理できる点で共通です。またしっかりした4~8番(元竿)によって実現された先調子は、伸されやすいと感じる人も多いでしょう。しかし1~3番をしっかり曲げればおのずと曲がりは胴に入り、竿が掛かり鮎を止めて抜いてくれます。

ここからは使ってみたインプレッションです。この竿で試釣したのは狩野川で、夜半から早朝の雨で10㌢高の薄濁り。今年は記録的な猛暑が続いているので、垢腐れが進んでアオノロが場所によって釣りの障害になるレベルです。

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今回は中流域2カ所、下流域1カ所で釣りをしましたが、下流域は増水によりアオノロが流れてきました。台風12号の接近にともなってしだいに風が強くなり、15時過ぎには竿を持っていられない状況になって強制終了。型は最大で23㌢で、平均は概ね18~20㌢といった感じでした。

仕掛けは天井糸「フロロ+PE」に、水中糸はメタルライン。感度を確認するため、いつものテンション系の釣り。急瀬や荒瀬を除いては引き釣りで掛かるような状況ではなかったのでゼロオバセ主体。下流では3号玉による引き釣りも試してみました。

釣っているときのバランスは、まさに先調子で胴ブレなし。また2~3番の弱さを感じることはなく、フナヤ・オリジナル「龍シリーズ」を踏襲しています。高い音の目安となる水中糸の水切音は、「征龍竿Ⅱ90」のように煩いくらい入ってくることがなく、竿の中を抜けてくるレベルです。

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硬質「石や障害物」と軟質「鮎や流下物」の音の聞き分けについては、高い音の感度が下がっている分だけ曖昧になりますが、聞き分けることは可能なレベル。水切音を嫌う人には、「征龍竿Ⅱ90」より「Maji90」の方が好まれるかもしれません。また掛かったときの音は、「Maji90」の方が心臓に優しいです。

今回インプレを書くにあたり竿を折ってもよいとのことでしたが、掛かり鮎ではまったく不安を感じませんでした。また「Maji90」は「征龍竿Ⅱ90」より1~3番の曲がりが早いので、全体の曲がりが胴に入りやすく伸されにくい印象です。折損については「征龍竿Ⅱ90」より安心感があります。

しかし「早瀬High Pawer」をこの自重で実現するには、高弾性カーボンを多用して肉薄に作らなければなりません。これはメジャーのハイエンドモデルと同等のレベルなので、竿の扱いは同じものが求められます。河原に直置きしたり、川の水で竿を洗うなどは厳禁ですのでご注意くださいませ!


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↑100㌘、上が「征龍竿Ⅱ90」で下が「Maji90」
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↑150㌘、上が「征龍竿Ⅱ90」で下が「Maji90」

インプレをまとめると、「Maji90」は「征龍竿Ⅱ90」よりブランクは6㌘軽いですが、感じるパワーはほぼ同レベル。感度については「征龍竿Ⅱ90」より劣りますが、ハイレベルな釣りにも対応できるレベル。丈夫さについては全体のバランス、各節の切長さやテーパーを見直したことにより「風切竿85」レベルを実現。

こんな感じでした。
ご興味のある方はフナヤにお問合せください。
プロトの貸し出しもあるので試釣することも可能です。

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by scott1091 | 2018-07-30 20:50 | フナヤオリジナル | Comments(4)

「Short Range 龍 急瀬77」の「変化カスタムパーツ」

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「SR77」は2014年にテストを重ね、2015年にリリースされました。どんな竿かはこのブログの「フナヤオリジナル」のカテゴリーで紹介していますのでそちらをご参照頂くとして、2018年はこの「SR77」用に「変化カスタムパーツ(へんげかすたむぱーつ)」が発売されました。

具体的には標準の1~2番を「変化カスタムパーツ」に交換することにより、「急瀬7.7㍍」が「早瀬8.0㍍」になります。使われているカーボン素材は同じで、1番を15㌢、2番を15㌢長くすることで、先端をスローテーパーにして早瀬調子を実現しています。

一般的に1~2番だけ長くすると竿の調子がダレるものですが、「SR77」はもともと急瀬。しかも短い分だけ90などよりファストテーパーなので、これでも十分なテーパーが確保されています。もともと「SR77」は「急瀬POWER」くらいの調子ですが、カスタムパーツで80になると「早瀬POWER」くらいのレベルになります。

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各節の隙間が大きいほどテーパーがきつい
↑左からSR77、風切竿85、征龍竿90


短竿ではダイワ「銀影競技SL 80J」の人気が高く、河川の大きさに関係なく使っている友人もいます。私も使い勝手の良い「80早瀬」が欲しいな~と思っていたので、今回「変化カスタムパーツ」を入手してみました。短竿を使う場所は川幅の狭い支流などを連想する人が多いと思いますが、「SR77」を神通川で常用している友人もいます。

これは引き釣りやピンポイントの釣りは、短竿ほど正確な操作ができるというメリットがあるからです。特に北陸河川は風が強いことが多いので、長竿で風に振りまわされるより、短竿で長さのデメリットを立ち込みでカバーする方が釣果が伸びるケースがあります。

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↑急瀬から早瀬にすると2㌘アップ

最近、私の回りも85の愛用者が増えてきましたが、「90→85」に持ち替えたメリットは、「85→80」でも同様です。泳がせ釣り主体の場合は、釣れる面積は竿の長さが50㌢短くなることで10%強狭くなりますが、これも立ち位置に制約がなければ、正確な竿の操作の方がメリットは大きい。これは下手を軸に上手が1㌢ブレた場合、「80の穂先」が「90の穂先」よりブレ幅が小さいことで容易に想像できると思います。

「SR77」の1~3番は艶のあるノンペイント構造の「NPフラッシュ」で、玉口はオレンジ。4~7(元竿)番についてはクリアー全塗装で玉口のデザインはブラックにゴールドの細線。「変化カスタムパーツ」は1~2番いずれも「NPフラッシュ」ですが、玉口のデザインはありません。

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元々のデザインがパーツの寄せ集めを連想させますが、「変化カスタムパーツ」に交換すると、より一層ツギハギ感が強い、良く言えばアバンギャルドな見た目となっています。価格は税込みで「SR77」が75,600円、「変化カスタムパーツ」が17,820円なので、両方揃えると93,420円となります。

狩野川くらいの河川規模であれば、平水であれば立ち位置に制約があるポイントは少ないので、80でも上流から下流まで使えます。私は日頃85を使うことが多いですが、「変化カスタムパーツ」を入手してから80も携行するようになりました。狩野川のように底石が大きく、ピンポイントの釣りにはアドバンテージは大きいです。

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この長さですと自重やテーパーの制約がないので設計の自由度が広がりますし、ブランクを肉厚にできるので粘りがあって無理が効きます。また折損となっても竿の価格が低めなので、パーツ代も助かりますよね!ご興味のある方は「急瀬7.7㍍~早瀬8.0㍍」の世界を試されてみてはいかがでしょう。

早瀬と急瀬をカバーできるので、どこの河川でも汎用性は高いです。85や80の世界を知ってしまうと、立ち込みに制約が多い特殊なフィールドを除けば、なかなか90に戻れなくなるというのが、本音のところではないでしょうか?


by scott1091 | 2018-07-10 20:57 | フナヤオリジナル | Comments(2)

「龍神竿90 急瀬Tough Power MOSA」

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今シーズン開発テストをしていた竿がこれ↑。

フナヤオリジナルにおけるハイエンドの急瀬クラスは、現行品では2010年に「龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER」、2015年に「龍切竿90 急瀬Light Special」がリリースされました。いずれの竿も神通川というフィールドを想定し、天然鮎の数釣りをターゲットに開発しています。

開発の順番が「龍切竿」の方が後になっているのは、「龍星☆竿」より軽快に操れる軽い竿を!そんなニーズの高まりと、2006年にリリースされた「急龍竿90 急瀬Special」をリニューアルするタイミングであったことによります。

しかしご存じのとおり2015年は神通川の天然遡上が激減。それにより本流だけでも17㌧放流されている人工産鮎が7月には巨大化し、この年にリリースされた「龍切竿」はもとより、「龍星☆竿」でも荒瀬では手におえない状況となりました。

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こんな年は近年では過去に一度しかなく、2016年は通常の神通川に戻るというのが総勢の意見。そして2016年3月時点での富山県水産研究所の田子内水面課長の遡上予想も、過去14年間の平均値をやや下回る(平年よりやや少ない)というもの。しかし2016年も蓋を開けてみれば2015年の再来。いや2015年よりも前半は平均サイズがでかい!

そんな状況なので、私は初釣行から超硬「Super Light Ⅲ」を使用。鮎が多いときは手返しが早くて使い勝手は最高でした。しかし釣果情報が徐々に拡散されて釣り人が増えると、足で稼ぐような釣りはできません。粘って掛けるとなると、やはり超硬では竿の操作がかなり辛い。これが九頭竜川との大きな違いです。

何が一番違うかと言うと、神通川は九頭竜川に比べて圧倒的に浮石が多い。これは毎年流れが変わる神通川と、流れがほとんど変わらず年々川底が平坦になっている九頭竜川を見れば明らかでしょう。

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このように浮石により神通川は底流れが緩い反面複雑なので、丹念に石回りや石組を釣ろうとすると、頻繁に水中糸のテンションや角度を替える必要があります。この竿操作でオトリへのインパクトをコントロールしようとすると、超硬のように重くて硬い竿では誤魔化しが効きません。

そのため鮎が少ない場所では、どうしても「龍星☆竿」を使いたくなります。しかしそんな場所に限って、やっと掛けた鮎がやたらとデカイ。最初は竿の曲がりを確認しながら抜きますが、ある程度抜けるとなれば…。そして「今までと何が違ったんだろう」と思うようなケースで折損。地合いなのに竿を交換するため、車まで戻るのがとてもまどろこしい。

折れない「龍星☆竿」が欲しい!

これがこの竿の開発コンセプト。自重は重くなるのは当然のこと。しかし感度は譲れないので、カーボン素材の弾性を下げるわけにはいきません。コストが嵩みますが高弾性カーボンを肉厚に巻いて、ジョイントの凸側はカーボンテープを巻き上げて補強、凹側はクロスカーボンを巻いて補強します。こうなるとテーパーも見直さなければならないので、節の切り長さも「龍星☆竿」とは変わってきます。


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最初のテストは九頭竜川。これで強度については手ごたえを感じましたが、問題になったのは感度。水中糸の水切音はかなり入ってきますが、無機質(石や障害物)と有機質(鮎や流下ゴミ)の音の聞き分けが難しい。これは鮎が大きいと音量が大きく入ってくるという問題もあるので、鮎が小さい川でもテストする必要があります。

そこで翌日は庄川へ。鮎の大きさで引くときの竿の曲がりが変わるので、それを意識しながら流れに対する竿の角度を変えて感度を確認。やはり九頭竜で感じたインプレが変わることはなく、何らかの改善策を講じなければなりません。しかしこの「プロト1」のバランスは悪くないので、全面改良するには惜しい。

他の人のインプレは感度はまずまずとのことですが、自分が使うのが前提なので音の違いにはこだわりたいところ。そこで先径1.3㍉の穂先を1.5㍉にし、クロスカーボンで1㍍の補強が入った元竿の仕様を見直すよう提言します。翌週は改良パーツは間に合いませんでしたが、庄川と神通川でテストを続けて私なりに結論を出しました。

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やはり穂先と元竿の改良が必要なので、取り急ぎ同じ長さの1.5㍉の穂先を調達。この仕様で九頭竜川、庄川、神通川でテストを行いました。最終的な強度テスト(=竿を折る)で穂先が折れましたが、その結果を受けて穂先の改良、そして感度を考慮した元竿の改良を依頼しました。

そして私の北陸最終釣行となるシルバーウイーク(前半3連休)に間に合うように、「プロト2」が完成。九頭竜はこの週からサギリの杭打ちで水位が下がるので、庄川と神通川でテストすることに。ちょうど木曜に道楽Yさんが庄川「大鮎の瀬」で「龍星☆竿」を折っているので、初日は同じ場所でテストを敢行します。

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プロト2の自重は尻栓込みで実測244㌘。「プロト1」が実測252㌘なので8㌘軽くなっています。この違いは元竿の補強巻きの見直しによるもので、「プロト2」の元竿が64㌘、「プロト1」の元竿が72㌘なので、ちょうど8㌘の違いで合致しています。

テストの滑り出しは順調で27㌢も抜けたので、「プロト1」の感覚で竿を絞って掛かり鮎の一と伸しを抑えると、元上のジョイント(凸側)上が折損。「プロト1」と仕様がまったく同じであれば、このレベルで折れる竿ではないはず。「プロト2」の作製を急いでもらったので、製造上の問題があったのかもしれません。

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しかし工業製品とはいえ製品によって多少のばらつきはあるので、強度についてはある程度のバッファーが必要です。折れた状況から補強が必要となれば、自重が重くなっても改良する必要があります。

午後からは「プロト1」の穂先と元竿を、「プロト2」のものに入れ替えてテストを続行。「プロト1」は感度の問題はありますが、強度テストは九頭竜川、神通川で行っているので安心感があります。そして一番の問題になっている感度ですが、元竿の仕様を見直すことである程度は改善されました。

台風16号の雨により北陸河川は10月を待たずに強制終了。狩野川では引き続き感度テストは可能ですが、この竿に一番重要な強度テストができません。感度にこだわって強度が落ちるのは本末転倒でしょう。したがって今回は感度については妥協して「プロト1改」の仕様をベースに、メーカー側で元上の補強の可否を判断して製品化することになります。

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皆様が一番気になるコスメについては、元竿はクリアー全塗装で元上より上はNP(ノンペイント)工法。デザインは龍切竿のオレンジ部分が、龍星☆竿のビクトリーブルーに。地味なデザインを要望する声が多いので、金や銀の塗装は使わない予定です。

自重は参考程度ではありますが、「プロト1改」は尻栓込みで244㌘なので、最終製品は元上の補強を加えても、260㌘程度で仕上がるのではと思います。この竿は持ち重りが少ないので、10㌘程度の差はほとんど感じないと思います。ご興味のある方はフナヤでプロトをご覧くださいませ!

以下は150㌘と200㌘を吊ったときの、「プロト1改」と「龍星☆竿」のベンディングカーブの比較です。パワー的にはほぼ同じですが、「プロト1改」の方が胴に入るのが早い調子となっています。これが感度にも影響しているものと思われます。

↓150㌘比較

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↓200㌘比較
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プロトテスト①
プロトテスト②
プロトテスト③
プロトテスト④


by scott1091 | 2016-09-22 12:03 | フナヤオリジナル | Comments(2)

フナヤオリジナル・Tシャツ

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「Fishing Shop フナヤ」の「創業80年と鮎フェア30周年」を記念して作られた「フナヤオリジナル・Tシャツ」の紹介です。2015年4月23日(木)~26日(日)に開催される「第30回鮎竿&あゆグッズフェア」で、FMシリーズを除く「フナヤオリジナル鮎竿」を購入されたお客様に、一着無料進呈されます。

またオリジナルグッズとして単独で販売もします。色は「ホワイト」、「レッド」、「ブラック」の3色で、サイズは「S」、「M」、「L」、「LL」、「3L」の5サイズ。価格は一律で2,000円+消費税=2,160円となります。色やサイズによっては生産量が少ないものもありますので、売り切れとなった場合はご容赦くださいませ。
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普通のTシャツよりサイズ区分が細かいので、サイズチャートを掲載します。いつも着ているTシャツと比べればサイズ選びの目安になると思いますが、多少の誤差はご容赦くださいませ。

Sサイズ
着丈 64cm
身幅 49.5cm
袖丈 19cm

Mサイズ
着丈 67cm 
身幅 52.5cm
袖丈 20cm

Lサイズ
着丈 70cm 
身幅 54.5cm
袖丈 21cm

LLサイズ
着丈 72cm 
身幅 57.5cm
袖丈 22cm

3Lサイズ
着丈 76cm 
身幅 61.5cm
袖丈 24cm

素材はポリエステル100%のダブルフェイス生地。内側がメッシュで通気性に優れ、外側はフラットで速乾性に優れており、夏も快適に過ごせる逸品です。ご興味のある方は、ぜひ「第30回鮎竿&あゆグッズフェア」に足をお運びくださいませ!4月25日(土)~26日(日)にはお馴染みの高橋祐次氏、小澤剛氏、そして今回は北村憲一氏も来店される予定です。
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by scott1091 | 2015-04-23 21:39 | フナヤオリジナル | Comments(0)

2015年の新製品、「龍切竿90急瀬LS」と「SR龍 急瀬77」

フナヤオリジナルの2015年新製品は3モデルで、ここで紹介するのはその内2本になります。正式名称は「龍切竿 90急瀬 Light Special」と「Short Range龍 急瀬77」。色々なご希望が多く毎回デザインには苦慮しますが、最終製品が仕上がってきましたので写真をアップします。

「龍切竿」は従来の龍シリーズと同じく1~7番はNPブランク(*1)を採用し、元竿は全クリアー塗装。「SR龍」は1~3番はNPフラッシュブランク(*2)を採用し、4番~元竿は全クリアー塗装となっています。
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↑龍切竿
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↑SR龍

(*1)
NPブランク: 無塗装、無研磨のブランク。成型時のダブルテーピングによりテープ段差を軽減し、艶消し仕上げ

(*2)
NPフラッシュブランク:無塗装、無研磨のブランクをエポキシでカバー。極小幅のピッチテーピングでテープ段差を軽減し、艶有り仕上げ

上栓を外した状態で自重は「龍切竿」が232㌘、「SR龍」が208㌘となっています。いつものことですが、家庭用のデジタル秤の計測なので1~2㌘程度の誤差はご了承くださいませ。また製品による差が出やすいのは元竿のクリアー塗装によるものなので、このレベルで持ち重りの違いを感じることはありません。
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デザインは好みがありますが、「龍切竿」は無難で飽きのこない仕上がりだと思います。「SR龍」については意見が分かれそうですが、1~3番のデザインを変えることで、距離感や竿の曲がり具合を認識しやすく、ブランクの仕上げも違うので機能優先のデザインとなっています。

風が強い日はもとより、短い竿を持つようになるとなかなか9㍍の竿に手が伸びなくなります。川幅が狭いフィールドはもちろんですが、広くても立ち込める流れであれば、引き釣りの場合は竿操作の精度が間違いなく上がります。そんなフィールドをホームにしている人や、風が強い日でも同じ感覚で引きたいという人には、「SR龍」は心強い1本になります。

それぞれの竿についてのインプレはすでに書いておりますので、そちらも合わせてご参照頂ければと思います。

「龍切竿 90急瀬 Light Special」

「Short Range龍 急瀬77」


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↑龍切竿

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↑SR龍

by scott1091 | 2015-04-07 21:08 | フナヤオリジナル | Comments(2)

「Short Range龍 急瀬77」

「何故、7.7㍍なのでしょうか」?
この竿について一番多い質問です!

8.0㍍を作ろうとして、一番7.7㍍が調子が良かったという答えを期待する人が多かったですが、私の答えは「フナヤさんが天邪鬼だからでしょう」というもの。9.0㍍クラスになると結果として長くなったり短くなったりすることはありますが、この全長で30㌢を調整しきれないということはありません。もちろん8.0㍍と差別化したいという狙いもあると思います。
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↑錘は100㌘。マーキングが見えにくいですが下が「プロト2」

すでに狩野川支流でのテストの様子はアップしておりますので、「プロト1」と「プロト2」を比較したベンディングカーブを掲載します。最終製品は1~3番にマーキングがある「プロト2」が採用されます。錘100㌘では「プロト2」の方が穂先が下ですが、錘150㌘になると「プロト2」の方が穂先が上にきています。 
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↑錘は150㌘。マーキングが見えにくいですが100㌘とは逆に上が「プロト2」

これは3番の強さによる違いで、オトリを引いている感じは「プロト2」の方がソフトに感じるものの、鮎が掛かると「プロト1」よりもパワフルということを意味しております。7.7㍍くらい短い竿になると、早瀬くらいの調子では引いたときに竿が振れてオトリが落ち着きません。したがって短竿は急瀬に近い調子になりますが、釣っている感覚は早瀬のようでありたいもの。

これを具現化したのが「プロト2」となります。この長さになると自重や持ち重りはほとんど考える必要がないので、カーボン弾性を下げて肉厚にすることができます。この効用によりトルクがあり、粘りのある竿に仕上がります。粘りのある竿とは、言い換えれば無理の効く竿。
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↑「プロト1」と↓「プロト2」
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足元の岩盤に潜む大鮎や、下がれない渓流相の段々瀬などで踏ん張れる竿。また風の強い日は8.5㍍と比較しても格段に空気抵抗がありませんので、繊細なオトリ管理が必要な瀬釣りも可能です。もちろん川幅のある場所では本当に短いと感じますが、これは一長一短なので仕方ありません。

特別な地元河川や扱いが楽な短竿をお探しの方は、完成プロトをご確認くださいませ。また川幅が大きくても立ち込める川相。そんな川で瀬釣りをするのであれば、風の強い日は重宝すると思います。

実釣記録 狩野川支流

by scott1091 | 2014-10-01 22:35 | フナヤオリジナル | Comments(0)

「龍切竿90 急瀬Light Special」

今年テストしていたプロトです。

位置づけは「急龍竿Ⅱ 急瀬Special」の後継モデルになります。「急龍竿Ⅱ」は強度的に丈夫で粘りのある竿でしたが、素材の違いで張りや硬度は「征龍竿Ⅱ」の方が上回っている感じだったので、それも合わせて調整しました。狙うところは、「龍星☆竿Ⅱ90 急瀬High Power」より「征龍竿Ⅱ90 早瀬High Power」に近い「急瀬Light Special」。

ところで私は竿作りに関与しているのでモデル名がすんなり出てきますが、これを読んでもチンプンカンプンという人が多いのではないでしょうか?私は竿作りだけでモデル名には関与していませんが、「龍シリーズ」もそろそろ整理した方がよいのではないかと思う今日この頃。私も正式なモデル名を表記するのが大変になってきました!042.gif
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↑同じスペックのプロトですが自重に1㌘弱の違いがあります

さて今回の竿は「龍切竿(りゅうせつかん)」といかにも強そうなモデル名ですが、「早瀬」に近い「急瀬」なのでそのような竿ではありません。今までの「龍シリーズ」より胴に入るのを早くして、どちらかというと掛かり鮎をいなして獲るタイプなので事前に捕捉しておきます。

ではどのような竿なのか理解してもらうため、ベンディングカーブの比較を見てみましょう。まずは「征龍竿Ⅱ」との比較で、吊っている錘は100㌘と150㌘。自重的にはほとんど変わりませんが、硬度はプロトの方が上回っています。これは素材の違いもありますが、テーパーデザインによるところが大きいです。
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「征龍竿Ⅱ」との比較。上が100㌘で下が150㌘

続けて「龍星☆竿Ⅱ」との比較写真ですが、吊っている錘は同じ100㌘と150㌘。これを見て頂ければわかるとおり、硬度は「征龍竿Ⅱ」に近い感じに仕上がっています。私がテストする段階で、ここまでしっかり硬度調整がなされていた竿は初めての経験。素材が違うと感じる硬度やトルク感も違うので難しいのですが、「龍シリーズ」がほぼ同じレベルの素材になったということもあるのでしょう。
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「龍星☆竿Ⅱ」との比較。上が100㌘で下が150㌘

ここで説明する必要もなく、今まで私が開発に携わってきた「龍シリーズ」は感度最優先。カリカリ感が強く釣っているときも気が抜けない(心休まらない)というのが友人達の評価です。音を弾くために2~3番にも張りを持たせながら先調子感を出しているため、それ以上に強い胴に曲がりが入るのが遅くなります。

そのため竿を曲げるのに慣れていない人は、対応が遅れてそのまま伸されるというケースが見られます。これは「超硬」ではより顕著になり、九頭竜と言えども「Super LightⅢ 超硬90」や「龍芯竿Ⅱ90 超硬EX」を胴までしっかり曲げている人は少ないです。

先調子の竿は伸されやすいというのが一般論ですが、同じ硬さの胴なら曲がる1~3番の方が胴を曲げやすいもの。これは綱引きでいきなり引かれると腰砕けになりますが、徐々に引かれると腰を入れて耐えられる原理と同じです。その意味で世間一般で言われる先調子より、「龍シリーズ」はさらに伸されやすい竿とも言えます。
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誰でも曲げやすい竿にするにはヘラ竿のような胴調子にすればよいわけですが、友釣りはヘラのように浮きで当たりをとるわけではありません。確かに昔はミャク釣りのように目印で当たりを取っていた人が多かったと思いますが、今はほとんどの人が釣っている場所やオバセの目安にしているくらいでしょう。

今年は釣りを見たいという申し出があり、狩野川で2回、九頭竜で2回、庄川で1回ご一緒する機会がありました。すぐ後ろで見ている友人は目印を追っているわけですが、私がいかに目印ではなく竿で当たりを取っているかを実感しました。026.gif

もちろん引き釣りであることも大きいですが、友人が目印を見て掛かったと口にするのは、私が竿で感じるよりもかなり遅れます。そして私が竿で当たりを感じた後、目印をあまり目で追っていないことにも気がついたしだいです。
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オトリ鮎の動きは目印で見るより、竿で感じる情報の方がはるかに速いし多い。これを前提に感度優先の竿を作ってきたわけですが、毎度の喩で恐縮ですが「龍シリーズ」はF1マシーンみたいなものなので、誰もが性能を引き出せるというものではありません。対応が遅れても伸されない。ある程度の経験があればポテンシャルを引き出せる。そしてポテンシャルは限りなく高く。

これらを集約すると、車であればF1マシーンではなくシフトチェンジのいらないスーパーカー。竿であれば感度を求めつつ、先調子でありながら胴に入るのを少し早く。そして持ち重りせず細身軽量といった感じになるのでしょう。こんな条件の竿を開発するにあたって、一番難しいのは感度をどこで妥協するかです。034.gif
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感度優先で2~3番に張りを持たせ過ぎると、今までの「龍シリーズ」と変わらなくなる。かといって2~3番に張りを持たせて胴を柔らかくすると、弾いた音が失速し、胴ブレする調子になって高性能とは言えない代物になってしまいます。どこまで2~3番を柔らかくするか?そしてどこまで胴に張りを持たせるか?これのせめぎ合い。

この竿のテストは神通川、相模川、狩野川、庄川で行いました。ほぼ完成した時点で、ご一緒できる友人にも使ってもらいましたが評価は良好です。今までの「龍シリーズ」と違って高い音の伝達が弱いですが、水中糸の水切音をあまり拾わないので、逆に釣りに集中できるという意見もありました。
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このブログでお馴染みの鮎道楽さんの評価は、これくらいの方が一日通して使えば「龍星☆竿Ⅱ」より釣果が伸びるだろうとのこと。竿の感じは「龍切竿」というより、「Lady Gaga」ならぬ「Lady Dragon」という表現がしっくりとのコメントでした。写真を見ると胴はほとんど曲がっていませんが、釣っている本人はかなり胴に入っているように感じますし、手首への負担も「龍シリーズ」より少ないです。

神通川や相模川のような大きな川では、最初に使ったときはパワー不足を感じるかもしれません。しかしそこから、もう一段シフトチェンジするのが「Lady Dragon」。今回の竿は今までの「龍シリーズ」とは少し味付けが違いますので、ご興味のある人は完成プロトをご確認くださいませ!001.gif
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釣り場でお会いして意見や感想をくださった皆様、本当にありがとうございました。皆様の意見は概ね反映できたと思いますので、この場でご報告させて頂きます。040.gif

残るは皆様が一番気になる竿のデザイン。こちらはモデル名と同じように私の領分ではありませんが、寄せられた意見はお伝えしておりますので楽しみにお待ちくださいませ。後はフナヤさんに、そそられるビジュアルとプライスを期待しましょう!006.gif

実釣記録① 神通川
実釣記録② 狩野川
実釣記録③ 相模川
実釣記録④ 神通川、庄川

鮎道楽さんインプレ(2014年9月14日 ライトSPなドラゴンとは?)

by scott1091 | 2014-09-30 20:54 | フナヤオリジナル | Comments(6)

「翔龍竿 MH90HP」のお披露目です!

企画構想に二年、開発に丸々1シーズンを費やしたフナヤオリジナルの「硬中硬」。ついに「翔龍竿 MH90HP」が完成しました。無塗装のプロトと実際の製品では、自重はもとより調子も多少異なってしまうもの。しかし今回の「翔龍竿」は、まったく違いを感じないレベルに仕上がっています。

箱に表記されている自重は210㌘となっていますが、私の手元にある竿は尻栓込みで203㌘。実際の製品を確認するまで発言を控えておりましたが、各メーカーの200㌘前後の新製品と比べたら、調子、パワー、竿の張りいずれも群を抜いていると思います。ちょっと手前味噌ではありますけど…。012.gif

紆余曲折のあったデザインについては、「ゴールド」と「クロームシルバー」の2本線に落ち着きました。(←当初のデザインは「ワインレッド」2本線。私の希望は「クロームシルバー」2本線。)

玉口下の「RISING DORAGON」の文字入れは希望が叶い、字体とフォント使いはイメージ通り。「翔龍竿 MH90HP」の字体とフォント使い、そしてこれを挟む「ゴールド」と「クロームシルバー」のライン幅については私のイメージと異なりますが、何となーく「孫悟空」ぽくって可愛いかもぉ~。001.gif

フナヤの「鮎竿&あゆグッズフェア」は、5月11日(金)~13日(日)の三日間。各メーカーの新商品も展示されるので、ぜひ「翔龍竿」と振り比べて頂きたいと思います。いつも書いているとおり鮎竿は好みがありますが、「MEDIUM HARD HIGH POWER」の「HIGH POWER」が伊達ではないことが実感できること請け合いです。

個人的にこだわった「1.4㍉チューブラー穂先」も、標準穂先「1.6㍉」と併せてご活用くださいませ!
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by scott1091 | 2012-05-04 23:48 | フナヤオリジナル | Comments(7)

「α90」が完成し、「翔龍竿MH90 HP」となりました!

正式な名称は「翔龍竿Medium Hard 90 High Power」。

翔(しょう)は「最終プロト」の最初のテスト河川、「庄川(しょうがわ)」の庄(しょう)に掛けているのは、すでにご存知の方も多いと思います。

「翔龍竿MH90 HP」の開発過程については、すでに二つの記事を「フナヤオリジナル」のカテゴリーに書いているので、これらと合わせてご覧頂ければ幸甚です。では本題に入りましょう。

コードネーム「α90」の開発コンセプトは、先調子で200㌘前後の「硬中硬 HIGH POWER」を作るというもの。このためまずはフナヤオリジナルの製造元であるサンテック社の、このクラスに近いモデルを実際に使ってみることから開発がスタートしました。
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具体的に試釣した竿は、「GENKI SPECIAL ZPRO LIGHT」、「GENKI SPECIAL POWER」、「GMR幻輝Special NP1 90R」、「GENKI SPECIAL TB1」の計4本。いずれもコンセプト通りに作られているという印象で、「α90」が目指すべき姿や、200㌘前後の竿に期待できるパワーを実感することができました。快く竿を貸し出してくれたサンテックさんに、まずは御礼申し上げます。

この試釣で明確になったことは、今までのような先調子では理想とする竿を作るのは難しいということ。フナヤオリジナルのコンセプトは「主導権が取れる先調子」なので、これは矛盾すると思われる方も多いと思います。しかし私は当初から、鮎竿は柔らかくなるほど胴調子に近づくと考えていたので、この試釣で漠然としたものがはっきりした感じです。

すなわち元竿を細くすれば、それに見合うだけ穂先も細くしないと先調子にはならない。これは渓流竿をイメージして頂ければ、すぐにわかると思います。しかし鮎竿はオトリの操作が必要となるため、渓流竿のようなテーパーにはできません。この妥協点を探るのが、「α90」で一番難しい問題でした。
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↑サンテック社から直送されたプロト&パーツ類の外箱。これだけでもかなりの送料になります

「プロト1」は、その点で非常によくできた竿でした。自重にこだわらなければ、これでも十分という感じですが、やはり目指すは200㌘前後。もう少し軽量化するため、元竿の径をワンランク細くして再設計をお願いします。これで上がってきたのが、「プロト2W」と「プロト2T」の2本。この2本は1~3番と元竿は共通ですが、4~7番は素材構成とシートの組み合わせが異なります。

前項に掲載した錘負荷によるベンディングカーブは、この2本はほとんど変わりませんが、実際に釣りをしてみるとまったく違いました。軽い方の「プロト2W」は捩れ負荷に弱く、同じ曲がり具合でもスカスカ感が強くて、オトリを上手くコントロールできません。これで「プロト2W」は早々に没としました。

もう1本の「プロト2T」も1~3番が共通のため、フラフラ感があって4番以降の力強さがオトリ操作などの低負荷ではまったく感じられません。そこで折ってしまった「プロト1」の1~3番を移植して、「プロト2T改」にするとかなり改善しました。しかしその反面、今度は4番以降がパワー不足で、竿全体がぶれてダヨンダヨン感がでます。008.gif
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この「プロト2W」、「プロト2T」いずれも狙い通り「先調子感」が出ていますが、この1~3番の弱さでは、オトリの操作性に問題があるため、補強を考えなければなりません。ここですでにお気づきのとおり、1~3番を補強すれば当然ながら「プロト2」よりも胴調子になるわけです。

そこで4~8番の補強を考えたのですが、すでにこれ以上の高弾性化はできない状況です。そしてテーパーを見直すとなれば、限りなく「征龍竿EXPERT MODEL」に近づくというのが設計サイドの見解。残された道は「節の長さ」の見直しで、再び全面改良を行います。

これで仕上がってきたのが「プロト3」。神通川のトロ瀬とはいえ、121尾釣った竿です。この竿では、先径1.4㍉と1.5㍉の穂先をテストしました。トロ瀬ではストレスなく使えるレベルに仕上がっており、振り調子を見た友人達の印象も良好でした。しかし私は気になっていることがあったので、結論は狩野川のテストまで保留します。
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↑プロトから予想される製品自重は、210~215㌘程度か?

その保留した理由は、私が一番こだわる感度の問題。同じ素材であれば、柔らかい竿の方が感度がファジーになるのは致し方ないこと。これは以前にも説明したとおり、「硬中硬」と「早瀬」に100㌘の錘をぶら下げて、その錘を吊っているラインを軽く弾く感じをイメージして頂ければ理解できると思います。もっとわかりやすく書けば、「PTソリッド」のソリッド部分が曲がり過ぎると、感度を失うのと同じ現象です。

しかし勘違いしてはいけないのは、100㌘の錘が大きいのか小さいのかということです。すなわち竿を曲げる負荷の大きさで、音の伝達が変わるのが竿の難しいところ。竿が曲がった状態と、まったく曲がっていない状態では、竿の感度、すなわち音の伝達に違いがあるのです。

これを「硬中硬」として、どこまで許容すればよいのか?034.gif
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↑錘負荷100㌘。上が「征龍竿」で、下が「翔龍竿プロト4」

これが「プロト3」で一番悩んだポイントでした。わかりやすい例を挙げれば、「プロト3」は鮎が掛かると1~3番の曲がりが緩衝となり、目を瞑ってやりとりすると、ハリがどこに掛かっているのかわかりずらい。「硬中硬」が「早瀬」や「急瀬」とは違うのは十分理解しているし、シーズン初期の鮎であればここまで曲がらないのは確か。これがまさに、ジレンマに陥った理由です。

しかしそれがわかっていても、感度だけはこだわりたい。いくら竿が柔らかくても、掛かり鮎の動きを手に強く感じていたいし、それがシビアなオトリ操作にもつながる。店頭での「プロト3」の評判は上々なので、「プロト4」にトライするかの判断はフナヤさんに預けます。このときの私の提案は、「プロト3」をより先短設計にするというもので、1~4番の「節の長さ」の見直しでした。

これを受けた設計サイドからの返答は、「節の長さ」だけでなく、短くした1番に見合う2~4番の補強が必要というもの。しかもそれを実現するためのシートの組み合わせは、製品化した竿がないのでやってみないとわからないと・・・。これはすなわち、破損リスク高まる可能性があるということ。私では決断できない領域なので、無難な方法を進言します。
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↑同じく錘負荷100㌘。角度を変えるとこれぐらい曲がりが違うように感じます

これを受けて従来どおりのシートの組み合わせでいく予定でしたが、実際に上がってきた「プロト4」は、新たな組み合わせにトライしたもの。しかもこの方法は驚くほどの効力で、この時点でやっと納得できる「硬中硬 HIGH POWER」になりました。しかし破断強度の定量的な測定は工場サイドで行いますが、こうなると実釣でも強度面や耐久性も見極めなければなりません。

そこで選んだテスト河川が、北陸の銘川「庄川」。鮎のサイズ、テストで掛けられる数、ポイントのバリエーション、水量、いずれの条件もクリアーしているのが選んだ理由です。そして強度についてはこの二日間では折れなかったので、目下、狩野川でテストを続行中です。001.gif

写真のベンディングカーブを見て頂ければわかるとおり、「征龍竿EM」より「胴調子」に仕上がっています。しかしこれが「硬中硬」レンジに見合った、フナヤオリジナル最良のベンディングカーブ。胴に入るまではしっかり先調子感がありますし、「硬中硬 HIGH POWER」となっている理由も、実感して頂けると思います。
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↑錘負荷150㌘。上が「征龍竿」で、下が「翔龍竿プロト4」

そして最後までこだわった穂先について。フナヤオリジナルはソリッド穂先のバリエーションが豊富ですが、今回は竿とのバランスを考えて、感度にこだわって1.4㍉と1.6㍉のチューブラー穂先を開発しました。価格設定の関係で標準穂先は1.6㍉1本となりますが、別売りでこの1.4㍉もラインアップされます。早期予約であれば両方の穂先が付属する特典があるので、利用されるのもよいかもしれません。

ご興味のある方は、店頭でご覧くださいませ!006.gif
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↑同じく錘負荷150㌘。角度を変えるとこれぐらい曲がりが違うように感じます

実釣記録①プロト2
実釣記録②プロト3/神通川
実釣記録③プロト3
実釣記録④プロト4/庄川
実釣記録⑤プロト4
実釣記録⑥プロト4
実釣記録⑦オプション穂先1.4㍉チューブラー

by scott1091 | 2011-09-21 12:38 | フナヤオリジナル | Comments(0)

竿の開発について・・・

この週末は、台風12号の雨により釣りができませんでした。
そこで今回の話題は、竿の開発についてです。

以前にも少し触れましたが、釣具業界ではテスターという言葉がよく使われます。これはメーカーが開発している竿を実釣でテストして、開発コンセプトへの適合具合や調子の良し悪し、また改良点などをアドバイスする役割を担います。

大手メーカーではスタッフ層が厚いので、開発サイドである程度候補を絞り込んでからのテストとなるため、多くの場合は「この3本ならこれが一番良い」というような感じになります。

新しいコンセプトの竿やフラッグシップモデルのリニューアルでは、シーズンを通してテストが行われますが、それ以外の竿はテスターが一同に会する日に、お墨付きをもらうというのが現状だと思います。裏を返せば、開発スタッフがそれだけ充実していることと、廉価版の竿のテストに時間を費やすテスターはいないということでもあるのでしょう。

また多くのテスターは竿作りに精通しているわけではないので、指摘事項もかなり漠然としたものになります。具体的には「もう少し先にハリが欲しい」とか、「〇〇よりも感度が悪い」、「引いたときにオトリが付いてこない」、「鮎の抜けが悪い」等々。

これらの微妙な表現を的確に分析し、設計に反映するのが開発スタッフの腕の見せ所となります。テスターも重鎮クラスになると発言力も大きいので、思い通りの修正プロトが上がってこないと、「こんどの担当は勘が悪い」とか、「鮎が釣れない竿を作る」などと言われてしまうのですが、ここがまさにテスターと開発スタッフの「阿吽の呼吸」なのでしょう。

長年コンビを組んでいるケースが多いのはこのような理由からなのでしょうが、お互いの役割分担がはっきりしているので、テスターはプロト試作に掛かるコストなどは一切気にする必要がありません。自分が伝えたとおりの竿に仕上がってこなければ、それは開発スタッフの責任ですから、もう一度プロトを作り直してもらえばよいわけです。

他方、私の現状はどうでしょうか?

フナヤオリジナルの開発に、無償で協力しているのはこのブログを見ている方はすでにご存知だと思います。テスターの場合は、自分が担当した竿はメーカーから提供されるのが一般的ですが、私はこれについても固辞しております。

その理由はなぜか?

それは、自分の理想とする竿を追求することが目的だからです。
したがってそれの障害になる要素は、極力排除しておきたい。

すなわち私に竿1本分のコストが掛かれば、全面改良や修正プロトに踏み切る際の制約のバーが上がります。フナヤオリジナルはサンテックのOEMですから、大手メーカーが自前の工場でプロトを試作するよりも制約が多くなるわけです。

したがってフナヤさんは商売ですから、あまり無理なお願いはできません。コスト的に見合わなければ、これで完成という判断も尊重します。ここはしっかりと線引きしておかなければ、私の存在そのものが迷惑なものとなりかねません。

ただ、もう少し手を加えれば、この竿は確実に良くなる。そう確信でき改良すべき点がはっきりと指摘できるなら、プロト作成のコストを自分が負担してもトライしたいと私は考えています。もちろんフナヤさんが負担させるようなことは今のところありませんが、それに甘える気持ちもありません。

だからこそ、プロトを作り直すたびにヒシヒシと感じる重圧と、表現しようのない憂鬱。できるだけプロトの本数が少なくて済むよう、「節の長さ」や「テーパー」、「素材構成」にまで私は言及しているので責任は重いのです。

今までも、すんなり行く竿の方が少なかったのは事実。特に思い入れの深い「征龍竿」と「龍星☆竿」は、悩み抜いた末での決断でしたが、全面改良に踏み切ってよかったと心から思います。そしてその結果がともなっているからこそ、「α90」でもフナヤさんは信頼を寄せてくれているのでしょう。

「α90」は「プロト3」で全面改良。「プロト4」でやっと修正パーツのレベルまでこぎつけました。すでに「プロト3」の段階でも、〇〇のレベルではないとか、△△よりもはるかに良いという評価を頂いています。しかし私の目指しているレベルは、もう少し高い・・・。

私も、「プロト3」でも十分売れると思っています。そして最終段階のこだわりとも言える調整は、違いを感じないユーザーも少なくないと思います。しかし違いが判るユーザーも確実にいる。そしてそのユーザーは、「α90」にも同じレベルを期待しているはずです。

思い起こせば2008年の「征龍竿」開発のとき、TOMOさんが狙っているレベルは高過ぎて一般ユーザーには理解されないと・・・。そしてNP工法は半完成品に見えるので、クリアー全塗装でなければ売れない。こんな経緯から「征龍竿」は、2009年にクリアー全塗装で発売されました。

そして「征龍竿」は多くのユーザーからの要望により、2010年には私が当初目論んでいた「征龍竿EM」となり、他の竿も2011年にはNP工法が採用されました。

良いものを作れば、ブランドに関係なく評価してくれる人がいる。
それを信じて、「α90」の開発に邁進しております。

by scott1091 | 2011-09-04 22:23 | フナヤオリジナル | Comments(7)