ミッション発令、「20世紀のウェポンでアオリをゲットせよ!」
えっ!この時間から出かけるの?
私の言葉に驚く妻・・・。
素面(しらふ)で帰宅すること自体めずらしいので驚くのも無理はない。
この週末、物置の奥から出してきた古びた11feetのシーバスロッド。ガイドはすでに錆びているが使用には問題ない。
かつて使いなれたバッカンと、全ての道具が入ったエメラルドグリーンのベスト。タグには「FoxFire」と印字されている。
最後に行ったのがいつだったかもう思い出せない。それぐらい昔・・・。それを物語るように、電池を入れても「豆電球」のヘッドライトは点(とも)らない。
気が遠くなるほどの道を一緒に走った、少し疲れた愛車に道具を積み込む。今日は帰らないかもしれない・・・。心配そうに見守る妻がバックミラーで小さくなり、そして消える。

車に流れる音楽は、当時お気に入りの「ホテル・カリフォルニア」。通り過ぎるセンターラインが、映画フィルムを巻き戻して時代を遡っているような錯覚をおこす。
「ふっ・・・」、俺も年をとったな・・・。
バサーというルーキーの参入により、いまや最新のウェポンが開発されているアオリ。それに比べれば、俺のは子供のおもちゃみたいなもの。
そう、最新の「FLURO」や「PE」はもちろん、「LED」さえ持っちゃいない。「エギング」なる怪しい言葉も俺は知らない。
でも餌木を結んで海に投げることができれば、ラインを通して最低限必要な海底地形や底質を知ることができるはずだ。
「ふっ・・・」、見上げる空は雲で月が見えない。密かにミッションを遂行するには最高の条件が揃っている。
長年の勘がこの状況から瞬時に餌木を選ぶ。収納されているベストのポケットもかつてと同じ。長い年月が流れたが、叩き込まれたスキルを体は忘れてはいない。手元は暗くて見えないが、目をつぶってもインプルード・クリンチ・ノットはできる。今までに何回結んだのだろう。
当然ながら餌木は全て4.5号のヘビー、そして半笠だ!
信じれば必ず釣れる。今までもそうだったし、これからも・・・。
道具が違うなんて、「そんなの関係ねぇ」。
かつては簡単に上がれた防波堤の段差がやけに高く感じるし、テトラに立てば体のバランスが上手くとれない。
でも、「そんなの関係ねぇ」。
俺も年月を無駄に過ごしてきたわけじゃない。人生の苦渋を舐め、かつてはなかった狡猾さが今の俺にはある。
若い女性から「KY」と言われても、「そんなの関係ねぇ」。
「ナンタラ還元水」も、「そんなの関係ねぇ」。
ガキが連発する「どんだけぇ~」も、「いか(烏賊)ほど~」だ。
今夜の俺は、誰にも止められない。
この餌木でも食らえぇーーーーーーー!
ビュッ・・・、ひゅるひゅるひゅる~~~、ボッチャン!
ひゅん、ひゅん、カリかり。ひゅん、カリ。ひゅん、ひゅん、ひゅん、カリかりカリ。カリかりカリ・・・・。
ビュッ・・・、ひゅるひゅるひゅる~~~、ボッチャン!
ひゅん、ひゅん、カリかり。ひゅん、カリ。ひゅん、ひゅん、ひゅん、カリかりカリ。カリかりカリ・・・・。
<以降、繰り返し>
「どげんかせんといかん」!
「ロングピッチ・ジャーク」で駄目なら、「ショートピッチ・ジャーク」。これでも駄目なら奥義、「ワンピッチワン・ジャーク」。
でも何も起こらない・・・。
「しょうがない」。
ミッションは失敗に終わった。
繰り返す、ミッションは失敗!
速やかに撤収せよ。
てっしゅうー!

はい、ということで妻との大切な食事の時間を割いて行ってきました。
しかも初めて行く場所。暗くなってから行ったので、マジでちゃんと海に投げているか不安になりましたよ!(笑)
結果は写真のとおり、ケンサキ1杯でした。
海の幸に感謝して、「オッパッピー」!
(注)今回は「2007年流行語大賞・候補語」をまじえてお送りしました
by scott1091 | 2007-12-04 21:34 | アオリスト(Aorist) | Comments(8)

しばらくの間鮎の事ばかりで(まったく鮎の事分からん)
ただただ眺めていましたが やっとコメント書けます。
で、...もしかして刺激しちゃった?
んー...なんか眠れるトラを起こしちゃったみたい..(笑)
私も久しぶりに始めたのですが なかなかどーして.....
4.5号&5.0号では な~んにも相手してくれませんでした
ただし使用している時に粘りが少し足りなかったかもしれません。
それでも周りを見てると皆さん3.5~3.0号中には2.0号位まで
サイズを落としてシャクっている....どげんかせんとイカん!
などと思い ぴーいーラインにフロロを半狂乱になりながら結び
やっとの想いでゲット(喜)。
しかし、 本命駄目なら代わりの獲物をゲットしてくる....
さすがただでは起きませんね!。

ワタクシも最初、イカ釣りなんかしてるのはおっちゃんばっかりだろうと思っていました。
しかしもしかしたら平均年齢はフライフィッシャーより若いかも。
Early Summer 1987の表紙、覚えています。
当時のFFJournalなどの専門誌を今読み返すと結構オモシロイですね、いろいろと。
ここ数年で管釣りをすっかり堪能してしまったので、今年は「ヤエン」に挑戦しようと思って、近辺を探索しておりました。肥満さん達と同じ「東」を釣っていた頃は、「西」は「夢のアオリ釣場」と思っておりました。
しかし釣りをしないで見て廻る限り、思ったほど釣れてないんですよ。防波堤やテトラには墨の跡が結構あるのに。激戦区なので、この時期はもっと南下しなければ駄目なんですかね~。砂地が多くストラクチャーや海藻が「東」よりも少ないのも、な~んかやる気をそぐんですよ!「東」育ちの私としては・・・。
しかしPEライン導入にともなうタックルの進化は、目を見張るものがあります。3.0号のエギでも十分な飛距離が出ていますし、しゃくったときのエギの動きがぜんぜん違います。ライン抵抗が少ないので沈みも良いですしね!設備投資はベストな判断だったと思いますよ~。一日やっただけなのに、すでに私も欲しいですもの!(笑)
こちらも10、11月くらいに釣れば快適なのですが、その時期はまだ鮎釣りですから・・・。昔エギにはまっていた頃も、12月中旬までしかやらなかったので、暖秋とはいえ「陸っぱり」から狙うのはいよいよ終盤です。
実は食育の一環で、子供達に烏賊の食べ比べをさせたかったのですが、結局本命が調達できませんでした。防波堤でご一緒したエギンガーなる方々は、道具も年齢層もすっかりと様変わりしておりました。(笑)
釣れなかったので、後半は自棄(やけ)になってしまいました。
懐かしいでしょ、ティアドロップの「Ray-Ban」。無地のバックではつまらないので、「フライの雑誌」初刊号にしました。
最近はエギンガー=バサーなので、茶髪だったりカーブのきついグラスをかけたりで若く見えるのも事実ですが、それを相殺してもたぶん10歳近く若いと思います。先日テトラでご一緒した方なんか、「遊戯王」の主人公そのもの。他にもぼろぼろのジーンズ(←寒そう)を下げ気味に履いて、黒の上着とニット帽の方など。まるでチーマー(←古い?)のような装い。傾向として、若い人達は初期投資が大きかったり、習得に時間が掛かる趣味は敬遠するようです。
私もフライ関連の雑誌は購入することがなくなりました。「FFJ」、古い「フライの雑誌」、廃刊になった「TightLoop」があれば、これからのフライ人生はもう十分。私もこれらの雑誌をシーズンオフに読み返したり、必要な場所に付箋つけたり。登場人物が同一人物とは思えないくらい若かったりしますよね!

鮎釣り同様、私のように腕のないものは足で稼ぐのみ。車による「ランガン」はもう古い。道路に面していない地磯やゴロタを「ウォーク・クライム&ガン」。そうこれからは「ウォクラガン」ですね。(笑)