天気のサイクルを変えられないものか…

もはや贅沢は言わないので、雨か強風のどちらかにしてほしい。同じように思っている人も多いでしょう。3月1日に解禁を迎えてから5週が過ぎたわけですが、週末はいずれも雨か晴れても強風。魚のライズを誘発するような劇的なハッチに遭遇することもなく、おまけにこの土曜にいたっては、土砂降りに加えて嵐のような強風。

朝方は雨が降っていませんでしたが、徐々に雨が強まって昼過ぎにはかなりの雨脚。おまけに谷でもフライラインが吹き流しのごとくたなびく始末。こうなると集中力もなくなるし、山を人為的にいじっている場所から一気に濁りが入ってきます。水色が薄っすら白く感じる程度であれば問題ありませんが、褐色系になると魚の食い気もなくなります。
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川から上がった頃には、乗り降りだけで車の中はびっしょり。後ろのハッチバックドアを利用しても雨が吹き込んでしまうので、屋根のある場所に車を乗り入れて着替えました。風に負け、本命と思われるポイントでは思ったようにフライを流せなかったのが残念です。

翌日は思ったほどの増水ではありませんでしたが、天気予報に反して風が止みません。前日は南寄りの風でしたが、低気圧の通過にともなって北寄りの風に変わって、体感温度がぐっと下がりました。引き水は餌釣りには絶好のチャンスなので、メジャーな場所は避けてマイナーな場所に調査に行きます。この沢はミドルセクションまでは調査済みですが、アッパーセクションには入ったことがありません。
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かなり険悪な滝の連続という話は聞いているので、気を引き締めて遡行します。こんな場所ではありますが、やはり決まった人が入っているようです。魚のスレ具合から判断すると、餌釣り以外にもテンカラの人が定期的に入っている感じ。まだ抱卵している魚もいました。

この日はな~んと、グラスロッドを使いました。グラスを使おうと思ったきっかけは、なかなか良くならないテニス肘。またロングティペットリーダーとは無縁の釣りをしてきましたが、上達すれば谷でもそのような釣りができるのか検証してみたくなりました。エキスパートのビデオを見る限りでは、私が釣りをするフィールドの3倍くらいの水量ですが、退路を断つためこのロッドだけを持っていきます。
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まったく不慣れなロッドであることに加えて、今回の場所は木が被ったところが多く、ラインを1㍍出して投げられれば御の字。このような場所でエキスパートはどのようにロングティペットを投げるのか疑問を感じながら、グラス・フィーリングに合わせてキャストの修正を行います。

いつものシステムであれば2倍は釣れたと思いますが、これで見切ってしまったら面白くないでしょう。障害物が多い源流域では、ロッドの振り幅が大きくなるグラスロッドはやはり不利です。しかし上が空いていてバックがない場合、フライを持ってのロールキャスは気持ちよく入ります。
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いつもの感じで振ったりアワセたりすると、竿をぶつけてしまうこともしばしば。私が源流でバンブーを使ったら、おそらくすぐに折ってしまうのでしょう。こんな感じで源流では非常に苦労しましたが、せっかくなので開放感のあるミドル・セクションに寄ります。1時間くらいしかないので、餌釣りの人が少ない比較的フラットなエリアに入りました。

やはりこのような場所では、ロングティペットは効力を発揮します。従来のシステムでも問題はないのですが、刻むドリフト距離が長くとれるので、魚の付き場を読み違えたときに、出る直前のドラッグやピックアップによるスプークが確実に少なくなります。
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それと源流域での釣りでは感じませんでしたが、竿の動きがスローモーションのように見えること。これは振っているときもそうですが、一番驚いたのはアワセたとき。竿がゆっくりと返り、アワセが決まった場所で竿先が止まるのが確認できます。そしてその衝撃で、ティップよりも下のセクションが戻って、一瞬ですが竿がS字状になるんですね~。グラスは自重があるのでアワセ切れしないのが不思議でしたが、これが素材の柔軟性なのでしょう。

グラファイトは反発力がまったく違うので、私の動体視力ではアワセの瞬間に竿が見えることはありません。グラスを使って一番心配だったのはアワセのタイミングでしたが、今のところ問題はなさそう。もともと遅アワセの方ですが、竿の返りが遅いのでさらにアワセが遅くなっています。
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今後もミドルセクションでは、しばらくグラスを使ってみようと思います。ティペットを長くするとフライがスピンしやすくなるので、フライパターンや使うフックなども一工夫する余地があります。裏を返せば、試行錯誤を楽しむために新しいロッドを購入したようなもの・・・。

グラスを使うのはフィリプソン以来だと思いますが、しばらくは発見がありそうです。今回「グラスマスターGM793-5NSF」を使ってみて、あまりにスローで使えないと思っていた「Mario Wojnicki」の「7.0ft-3line」が、ファストアクションとなっている理由が納得できました。

by scott1091 | 2012-04-01 22:32 | フライフィッシング / 渓流・湖 | Comments(0)