今年の「土用の丑の日」は「鰻工房 竹屋」です!

久々の食事処ネタです。

「土用の丑の日」とくれば、当然「うなぎ」。

ウナギは完全養殖の技術が確立されていないので、川を遡上するために集まる稚魚(シラスウナギ)を、河口で漁獲して大きく育てます。これが一般的に言われる養殖物で、これに対して川で獲られるものが天然物です。

我々が蒲焼として消費するウナギは、ほぼ100%養殖物。その養殖物にも、日本の在来種である「アンギラ ジャポニカ」種と、ヨーロッパ原産の「アンギラ アンギラ」種の二種類があります。主に中国で養殖されているのが「アンギラ」種で、日本や台湾で養殖されているのが「ジャポニカ」種です。

もう少し細かく書けば、中国で養殖された「アンギラ」種は「蒲焼き」まで加工されることが多く、「ジャポニカ」種は台湾、中国いずれも「活鰻(かつまん)」で輸入されることが多いようです。したがって日本で捌かれるうなぎは「ジャポニカ」種がほとんどで、店で供されるものには日本産、台湾産、中国産が混在します。

先に述べたように、ウナギは卵から稚魚を育てる技術が確立されていないため、いずれの種においても稚魚を漁獲する必要があります。漁獲は「ジャポニカ」種は主に日本と台湾、「アンギラ」種はフランスを中心としたヨーロッパで行われます。

しかしどこの漁場においても、近年資源は激減。原因は、護岸工事やダム、河口堰などによる生息環境の悪化、環境汚染、自然環境の変動、乱獲などが要因と言われています。

中でもヨーロッパでは、シラスウナギの90%近くを漁獲しているという試算もあり、稚魚の漁獲が資源量減少に大きく影響しているため、ワシントン条約に加盟しているEU諸国は、厳格な資源管理を始めました。具体的には漁獲制限と輸出規制です。

主にスーパーなどで売られていた安価な蒲焼が、中国で養殖・加工された「アンギラ」種でしたが、この輸出規制により供給バランスが大きく変わってきました。今年国内のシラスウナギの漁獲量は、不漁だった昨年をさらに下回るような状況なので、今後さらなる値上げは必至の状況です。

さて「ウナギ」の話はこの辺にして、「鰻」の話!
(↑食材として書くときは「うなぎ」または「鰻」、魚種として扱うときは「ウナギ」と使い分けています。)
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今年の「土用の丑の日」は、2年前にオープンした「鰻工房 竹屋」にお願いしました。こちらのご主人は、老舗「桜屋」で長年焼いていた職人。独立して、ご家族でお店を切り盛りしています。

いつものごとく並ぶのが苦手なので、今年も予約できる「うなぎ弁当」です。2枚入った「竹」で値段は2,500円。ほぼ同じものが「桜屋」では2,940円、「うな繁」で2,730円、「本町うなよし」で2,800円なので、お徳感があります。

これから益々値段が上がりそうですが、たまには美味い鰻を食べたいもの。
ご興味のある方は、ぜひ立ち寄ってみてください!
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by scott1091 | 2011-07-21 20:37 | 食事処 | Comments(6)

Commented by ariari at 2011-07-21 21:32 x
台風の被害はありませんでしたか?こちらは雨が凄く船が心配になり見に行きましたが、大内山川、宮川と、とんでも無いことになってました、なんせ宮川村では990ミリ降ったとか。帰りは高速通行止め、各河川の橋が通行止めで大変な目にあいました。。。熊野、北山は盆前までダメでしょうね。さてウナギですが数年前までシラスウナギを乱獲してアユ釣りの資金としていた私にとっては耳の痛い話です、ハイ(笑)。
Commented by マルパパ at 2011-07-21 22:30 x
TOMOさん  こんばんは 
私のところも鰻お願いしたようです。何故か明日になるそうです。家の近くの、鰻処「かん吉」です、「ひつまぶし」もやっているところで、最近人気が有る様です。そちらに行った時は、いつも「うなよし」に寄らせて貰います。今度、鮎の釣れる場所と「桜屋」の場所教えて下さい。
Commented by futoharisu at 2011-07-22 11:19
そうでしたね。
昨日は土用の丑でしたね。
我が家は、鰻の代用品で牛(丑)のひつまぶしでした。
薬味に出汁だけでなく、トマトのサイコロ切りをトッピングするんです。
さっぱりとした酸味が効いて美味しいですよ。
どうも、娘たちが鰻がそれほど好きではなく、食べるとすれば、ワイフと二人でこっそりと行っています。
Commented by scott1091 at 2011-07-22 20:08
ariariさん、こんばんは!

当地は予報に反してあまり降らず、ちょっと拍子抜けするくらいでした。
ariariさんも被害がなっかたようで、安堵しております。

日本の場合は、乱獲よりも生息環境の悪化の方が、資源へのインパクトは大きいと思います。欧米では川に造った人工物を撤去することはあっても、新規に造ることはもはやありません。それに比べて日本は、公共工事でいまだに二面ないし三面護岸の川を作っていますから・・・。

バブル崩壊の頃、背広姿の人が堤防の明かりに集まるシラスウナギを掬うニュースが紹介されていました。私も行こうと本気で思っていたので、数年前まで続けていたariariさんが羨ましい。やっぱり本業は漁師だったのね~!(笑)
Commented by scott1091 at 2011-07-22 20:10
マルパパさん、こんばんは!

「うなよし」の商標を使うのは、私が知っているだけでも「本町うなよし」、「元祖うなよし」、「うなよし」の3店あります。マルパパさんが行かれたのは商標登録がなされている「うなよし」で、バスツアーなども誘致して一番手広く営業されているお店です。

「桜屋」は駐車場がなく、「本町うなよし」もあまり駐車スペースがないため、車で来た土地勘のない人は、大型駐車場がある「うなよし」に行くケースが多いのでしょう。うなぎは素焼きが一番大切と言われますが、実際に感じる味の違いはタレによるところが大きいので、地元でも贔屓の店が分かれるようですよ!鮎の釣れる場所も同じですよね~。(笑)

ところで私、以前は鰻が苦手だったんです。薬味の山椒は大嫌いだし、うなぎ独特の土っぽい匂いもちょっと・・・。しかし伊東にある「うなぎ処 福也」で薬味に生わさびを出されてから、好んで食べるようになりました。実は持ち帰りにする理由が、ここにもあります。ぜひお試しください!
Commented by scott1091 at 2011-07-22 20:13
太ハリスさん、こんばんは!

先週は狩野川だったのですね~。以前にもブログで書きましたが、あの場所は仲間内では「水族館」と呼んでいます。その心は、放流するときはあの場所はまず外さないので、シーズン通して入れた放流魚を一通り確認できるからです。今年のように天然が少ないと頼もしい場所なので、上手な人は遠慮してくださいよ~。(笑)

うちの娘も鰻が苦手だったのですが、今年は美味しいと食べていました。子供は成長とともに食性が変わるので、目下のところ娘は肉が苦手、息子はあれだけ好きだった丼物が苦手のようです。不思議ですねー。