「早瀬 龍90HP Maji」

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2018年に発売された「早瀬 龍90HP Maji」。

一連の龍シリーズのネーミングが変わったので今までのユーザーにはわかりづらいですが、「早瀬High Power」クラスの位置付けなので、「征龍竿Ⅱ90 EXPERT MODEL」の後継機種になります。

フナヤ・オリジナルの中でも「征龍竿Ⅱ90」は群を抜いて感度が良い竿でしたが、その分「F1マシーン」のようで竿の扱いが難しいとの指摘もありました。これに比べて8.5㍍にダウンサイジングした「風切竿85 龍 早瀬Power」は比較的扱いやすく折損率も低い。

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そこで「風切竿85」のように扱いやすく、安定感を兼ね備えた「90早瀬」を作ろうというのが「Maji90」の開発コンセプト。私はこの竿の開発に参加しておりませんが、単純なマイナーチェンジではこれらを実現できないため、各節の切長さやテーパー、各節毎にカーボン弾性の組み合わせを見直したようです。

ユーザーが一番に気になる「Maji90」のコスメですが、2017年の新製品である「龍神竿90 急瀬Tough Power MOSA」を踏襲して、1~7番(元上)までは艶のある「NPフラッシュ工法」を採用。元竿(8番)はクリアー全塗装となっています。

玉口のデザインは「深みのある濃紺」に「細いシルバーのライン」。元竿の文字の下には、フナヤ・オリジナルでは始めて龍をイメージしたデザインをあしらっています。文字に使われた「字体」や「書風」については好みが分かれそうです。全体の印象は「風切竿」ほど地味ではありませんが、遠目に見ると派手さがなく玄人好みのデザインです。

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デジタル秤で尻栓込みの自重を測定すると「Maji90」は227㌘で、前モデルとなる「征龍竿Ⅱ90」は231㌘。使われている尻栓が違うので、ブランクのみの重量比較であれば「Maji90」が219㌘、「征龍竿Ⅱ90」が225㌘で6㌘軽量化されています。

ここからはインプレッションです。まず振り調子ですが、振幅減衰が早く抜けの良い調子に仕上がっています。パワーについては手元に返ってくる反発力は、まさに「早瀬High Power」という印象です。私は竿の硬度に関係なく、振り調子では振幅減衰速度を重視しています。

しかし1~3番が軽くて振幅減衰が早い竿はNG。そしてこれを振り調子だけで判断するのは、かなりの経験が必要です。フナヤ・オリジナルはどちらかと言えば胴調子では?そういった疑問を持たれる方も多いと思いますが、感度を増幅ないし減衰させない2~3番の張り。そして1~3番をぶれさせない4~8番(元竿)で先調子を作るのは本当に難しいです。

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そしてこの調子を突き詰めて竿の軽量化を図ると、折損率の高い竿となります。そこでどこまで2~3番の張りを落とすかがポイント。「征龍竿Ⅱ90」と「風切竿85」の違いは、まさにここが大きなポイントになります。これは「折れにくさ」と「感度」について、どこでバランスさせるかを意味しています。

先調子にこだわるのは「引き釣り」や「止め泳がせ」で、よりオトリを正確に管理したいから。これは泳がせでもオバセを正確に管理できる点で共通です。またしっかりした4~8番(元竿)によって実現された先調子は、伸されやすいと感じる人も多いでしょう。しかし1~3番をしっかり曲げればおのずと曲がりは胴に入り、竿が掛かり鮎を止めて抜いてくれます。

ここからは使ってみたインプレッションです。この竿で試釣したのは狩野川で、夜半から早朝の雨で10㌢高の薄濁り。今年は記録的な猛暑が続いているので、垢腐れが進んでアオノロが場所によって釣りの障害になるレベルです。

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今回は中流域2カ所、下流域1カ所で釣りをしましたが、下流域は増水によりアオノロが流れてきました。台風12号の接近にともなってしだいに風が強くなり、15時過ぎには竿を持っていられない状況になって強制終了。型は最大で23㌢で、平均は概ね18~20㌢といった感じでした。

仕掛けは天井糸「フロロ+PE」に、水中糸はメタルライン。感度を確認するため、いつものテンション系の釣り。急瀬や荒瀬を除いては引き釣りで掛かるような状況ではなかったのでゼロオバセ主体。下流では3号玉による引き釣りも試してみました。

釣っているときのバランスは、まさに先調子で胴ブレなし。また2~3番の弱さを感じることはなく、フナヤ・オリジナル「龍シリーズ」を踏襲しています。高い音の目安となる水中糸の水切音は、「征龍竿Ⅱ90」のように煩いくらい入ってくることがなく、竿の中を抜けてくるレベルです。

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硬質「石や障害物」と軟質「鮎や流下物」の音の聞き分けについては、高い音の感度が下がっている分だけ曖昧になりますが、聞き分けることは可能なレベル。水切音を嫌う人には、「征龍竿Ⅱ90」より「Maji90」の方が好まれるかもしれません。また掛かったときの音は、「Maji90」の方が心臓に優しいです。

今回インプレを書くにあたり竿を折ってもよいとのことでしたが、掛かり鮎ではまったく不安を感じませんでした。また「Maji90」は「征龍竿Ⅱ90」より1~3番の曲がりが早いので、全体の曲がりが胴に入りやすく伸されにくい印象です。折損については「征龍竿Ⅱ90」より安心感があります。

しかし「早瀬High Pawer」をこの自重で実現するには、高弾性カーボンを多用して肉薄に作らなければなりません。これはメジャーのハイエンドモデルと同等のレベルなので、竿の扱いは同じものが求められます。河原に直置きしたり、川の水で竿を洗うなどは厳禁ですのでご注意くださいませ!


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↑100㌘、上が「征龍竿Ⅱ90」で下が「Maji90」
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↑150㌘、上が「征龍竿Ⅱ90」で下が「Maji90」

インプレをまとめると、「Maji90」は「征龍竿Ⅱ90」よりブランクは6㌘軽いですが、感じるパワーはほぼ同レベル。感度については「征龍竿Ⅱ90」より劣りますが、ハイレベルな釣りにも対応できるレベル。丈夫さについては全体のバランス、各節の切長さやテーパーを見直したことにより「風切竿85」レベルを実現。

こんな感じでした。
ご興味のある方はフナヤにお問合せください。
プロトの貸し出しもあるので試釣することも可能です。

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# by scott1091 | 2018-07-30 20:50 | フナヤオリジナル | Comments(4)

「Short Range 龍 急瀬77」の「変化カスタムパーツ」

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「SR77」は2014年にテストを重ね、2015年にリリースされました。どんな竿かはこのブログの「フナヤオリジナル」のカテゴリーで紹介していますのでそちらをご参照頂くとして、2018年はこの「SR77」用に「変化カスタムパーツ(へんげかすたむぱーつ)」が発売されました。

具体的には標準の1~2番を「変化カスタムパーツ」に交換することにより、「急瀬7.7㍍」が「早瀬8.0㍍」になります。使われているカーボン素材は同じで、1番を15㌢、2番を15㌢長くすることで、先端をスローテーパーにして早瀬調子を実現しています。

一般的に1~2番だけ長くすると竿の調子がダレるものですが、「SR77」はもともと急瀬。しかも短い分だけ90などよりファストテーパーなので、これでも十分なテーパーが確保されています。もともと「SR77」は「急瀬POWER」くらいの調子ですが、カスタムパーツで80になると「早瀬POWER」くらいのレベルになります。

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各節の隙間が大きいほどテーパーがきつい
↑左からSR77、風切竿85、征龍竿90


短竿ではダイワ「銀影競技SL 80J」の人気が高く、河川の大きさに関係なく使っている友人もいます。私も使い勝手の良い「80早瀬」が欲しいな~と思っていたので、今回「変化カスタムパーツ」を入手してみました。短竿を使う場所は川幅の狭い支流などを連想する人が多いと思いますが、「SR77」を神通川で常用している友人もいます。

これは引き釣りやピンポイントの釣りは、短竿ほど正確な操作ができるというメリットがあるからです。特に北陸河川は風が強いことが多いので、長竿で風に振りまわされるより、短竿で長さのデメリットを立ち込みでカバーする方が釣果が伸びるケースがあります。

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↑急瀬から早瀬にすると2㌘アップ

最近、私の回りも85の愛用者が増えてきましたが、「90→85」に持ち替えたメリットは、「85→80」でも同様です。泳がせ釣り主体の場合は、釣れる面積は竿の長さが50㌢短くなることで10%強狭くなりますが、これも立ち位置に制約がなければ、正確な竿の操作の方がメリットは大きい。これは下手を軸に上手が1㌢ブレた場合、「80の穂先」が「90の穂先」よりブレ幅が小さいことで容易に想像できると思います。

「SR77」の1~3番は艶のあるノンペイント構造の「NPフラッシュ」で、玉口はオレンジ。4~7(元竿)番についてはクリアー全塗装で玉口のデザインはブラックにゴールドの細線。「変化カスタムパーツ」は1~2番いずれも「NPフラッシュ」ですが、玉口のデザインはありません。

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元々のデザインがパーツの寄せ集めを連想させますが、「変化カスタムパーツ」に交換すると、より一層ツギハギ感が強い、良く言えばアバンギャルドな見た目となっています。価格は税込みで「SR77」が75,600円、「変化カスタムパーツ」が17,820円なので、両方揃えると93,420円となります。

狩野川くらいの河川規模であれば、平水であれば立ち位置に制約があるポイントは少ないので、80でも上流から下流まで使えます。私は日頃85を使うことが多いですが、「変化カスタムパーツ」を入手してから80も携行するようになりました。狩野川のように底石が大きく、ピンポイントの釣りにはアドバンテージは大きいです。

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この長さですと自重やテーパーの制約がないので設計の自由度が広がりますし、ブランクを肉厚にできるので粘りがあって無理が効きます。また折損となっても竿の価格が低めなので、パーツ代も助かりますよね!ご興味のある方は「急瀬7.7㍍~早瀬8.0㍍」の世界を試されてみてはいかがでしょう。

早瀬と急瀬をカバーできるので、どこの河川でも汎用性は高いです。85や80の世界を知ってしまうと、立ち込みに制約が多い特殊なフィールドを除けば、なかなか90に戻れなくなるというのが、本音のところではないでしょうか?


# by scott1091 | 2018-07-10 20:57 | フナヤオリジナル | Comments(2)

梅雨明け前の七夕豪雨…

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# by scott1091 | 2018-07-08 22:16 | 鮎釣り/狩野川他