アオリが餌アジを離す最大の要因を探れ!

最近は明るいうちに、小型のアオリが抱いてくることが多いので、アオリが見える距離まで寄せてから、ヤエンを入れて様子を観察しています。だましだまし寄せれば、ギャフを打てるまで寄せることができますが、ヤエンを入れるとほぼ100㌫アジを離します。

よくヤエンの重さを感じて、アオリが逃げると言います。これも事実だとは思いますが、視覚による危険察知の方がはるかに大きいように感じます。もっと極論すると、13㌘以下のヤエンであれば、ほぼ100㌫ヤエンを視認してアジを離しているとしか思えません。013.gif

実験回数がまだ少ないですが、浮いているアオリ(抱かれたアジが見える水深)は、ヤエンが1㍍くらいの場所に近づくと決まって離します。ここで重要なのはアオリが浮いていることで、底付近にいるアオリはここまで顕著にこの現象は見られません。
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では底付近にいるアオリは、どうして浮いているアオリほどアジを離さないのでしょうか?ここからは推測ですが、以下のような違いが考えられます。

①海藻や海底とのコントラストでヤエンが見えにくい
②水深が増すと照度的にヤエンが見えづらくなる
③擬態しているときは警戒心が薄い
④上記2つないし3つの複合


研究分野ではアオリはイカの中でも視覚能力が高く、特に青~緑の波長は照度が低くても認識できるといわれています。真っ暗な海でエギやアジを抱いてくることからも、それらは釣り人として実感できます。しかし②の照度により見えづらくなるという要素は、同じ満月でも月が出るのと出ないのでは釣果に差がでることから、可能性は高いと思います。

アオリの食い気もありますが、暗くなるとヤエンを離されにくくなるのも、この推測で説明がつきます。また大型ほどアジを離さないのは、外敵に対する対抗能力を小型よりも備えているという点も無視できません。小さいアオリが大きいアオリから逃げるように、ヤエンに対する警戒感も大型になるほど低くなる。もちろん狡猾な大型もいますが、これは個体差の範疇に含まれると思います。
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こんなたわいもないことを考えながら、この週末も楽しんできました。潮回りは月齢16.0の大潮。最新の水温図は16℃台なので、条件としては申し分ありません。しかし曇りなので「Moon Power」が期待できないので、アジは少なめに購入します。

土曜は久々に妻も一緒なので、足場のよい場所に入ります。すっかり春めいてきて、「いちご狩り」や「桜まつり」などで、観光客も多くなってきました。この日は早くからウツボの当たりが多く、予想以上に苦戦します。アジをつなぐのに死にアジを使うので、それにまたウツボがくるという悪循環です。007.gif

そして明るいうちに小さいアオリが抱いてくると、前述の実験をします。アジを抱いたアオリが見える場所まで寄せてからヤエンを入れて、ラインを張った状態でヤエンが近づくのを観察します。この間にアオリを寄せるような行為はしません。近いのでゆっくり移動するヤエンが見えますが、ちょうど1㍍くらいの場所に到達すると、前触れもなくアジを離します。
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この場所は明るいうちは、こんなサイズばかりなので実験が続きます。そして少し暗くなってから、やっとキープサイズのアオリが抱いてきました。すでにアオリが見える照度ではないので、ここで実験は終わりです。

水温は実測で14.7℃。思ったよりも低く、それを裏付けるように大型の当たりがありません。結果は実験を除いて、ヤエン投入4回で3杯。一番大きいのは1㌔サイズでしたが、エンペラ半分はウツボによりV字状に食いちぎられていました。傷口がすでに丸みを帯びていたので、少し前の傷と思われます。

そして翌日は一人なので、前日のリベンジで気合入りまくりです。より水温の高い場所を選んだつもりですが、実測では15.4℃しかありません。天気予報では釣りには影響ない風速ですが、風向・風速ともに悪い方に外れました。場所移動も考えましたが、風が回っているのでどこに行っても逃げ場がありません。
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腹を括って、この場所でスタートします。徐々に風が強まりますが、よい感じでアジが潜るので何とかなりそう。まずは竿1本でスタートしますが、当たりがないので2本目も投入します。そして2本目のアジを、すぐに抱いてきました。まだ明るいので、極力ヤエンを見せないように、一度ヤエンを沈めてからアオリを寄せます。

この方法は根掛かりで、ヤエンをロストする可能性があるのでやりたくないですが、アジを離されるには惜しいサイズです。この方法でまずは最初の1杯。次も同じ方法でやりますが、これはヤエンに届く寸前で離されてしまいました。その後は、しばしの沈黙。

日が暮れてからはさらに風が強くなり、ちょっとした前線のようです。距離を投げるとラインが吹かれてアジが浮くので、足元のカケアガリに沿わせてアジを潜らせます。すぐにウツボの餌食になると思いましたが、この風では長く釣りをできそうにないので、餌の心配はありません。032.gif

そしてやっと当たりがきます。手前の張り出しにラインが掛かるので、沖に走らせたいところですが横に走るばかり。自分が移動して張り出しの向こう側に行きたいところですが、他の釣り人がいるのでままなりません。そこで一度アオリを完全に浮かせて張り出しをかわしてヤエンを投入します。これも1杯目と同じくらいのサイズです。
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そして次の当たりは、トルクがあって大きそうです。これは勝手に沖に走って行くので、先ほどのような苦労はありません。根掛かりの心配がないので、行かせっぱなしにすると80㍍くらい出てしまいました。寄せようとするとさらに暴走するので、奥義「プチ調教」をして60㍍くらいでヤエンを投入。これがずっしりの1,680㌘。006.gif

そして次は、手前のカケアガリを左手に向かってゆっくりと走る当たりです。リールの回転が途切れることがないので、これも大きい。あまりに岸寄りなので、このままでは左手の張り出しが邪魔で、ヤエンを入れられません。走りを止めようとすると、怒ったように暴走し、ラインが根に摺れている感触が伝わってきます。このままではヤエンも入れられないので、またまた奥義「プチ調教」でアオリを海面に浮かせます。

これは先ほどよりも大きそうです。何とかヤエンが張り出しをかわせる角度になったので、ここでヤエンを投入します。ヤエンはほとんど空中を滑走して、無事アオリに到達。そして到達と同時にフッキングしたようで大きなストロークで走りますが、こちらもしっかりレバーブレーキを握っているので、思うようには走らせません。

12月以来の重量感なので待望の2㌔アップを期待しましたが、計って見ると残念ながら1,985㌘。この後はヤリが回ってきて、帰ってからのビールの肴をゲット。雨や雪が降り始め、ますます天気が荒れてきたので片付けを始めます。アジの残りは泳いでいる2尾。
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2本とも良い感じで泳ぐので、アオリを捌いてギャフの片付けを先にします。そしてラインの角度が悪い方の竿を片付けようとすると、まさかの居食いです。サイズ的にラインを持って上がりそうなので、速攻でヤエンを投入して獲り込みます。サイズ的には800㌘くらいですが、捌く道具も片付けてしまったのでリリース。そしてその竿を片付け終わると、もう一方の竿にも当たりです。

これも同じように獲り込んで、これまたリリースして終了です。この日の釣果は、ヤエン投入7回で4杯+リリース2杯。ヤリはヤエン投入2回で2杯でした。

2月も残すところ後一週。
2㌔アップはゲットできるでしょうか・・・?008.gif

by scott1091 | 2011-02-21 21:02 | アオリスト(Aorist) | Comments(2)

Commented by at 2011-02-22 19:58 x
今シーズンラストは何とか同じ場所で竿を出したいですね。
まだ、お正月のタコのお礼を伝えていませんでした、孫にあっとの間にたいらげられ私の楽しみを奪い取る元気な孫ににこにこしていました。
ヤエンは楽しいですね!!!!。
Commented by scott1091 at 2011-02-23 22:11
nさん、こんばんは!
いよいよ次の週末が、ヤエンの最終になってしまいました。

昨年の3月は低水温で低調でしたが、今年の黒潮は良い感じですね~。すでに大きなオスは、かなり発達した精巣が見られるので、例年よりも早く産卵が始まると予想しております。

3月の海水温しだいでは、4月には親イカが繁殖のために接岸するかもしれません。例年だとゴールデンウイーク明けからモンスター本番ですが、今年は4月からいけるかもしれませんので、それまでに仕事片付けてくださいよ~!