鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!

久々のDIYネタです。

「ソリッド穂先」が一世を風靡してから数年が経ちましたが、個人的にはやっぱり「チューブラ穂先」が好き。しかし時間の経過とともに、初期の「ぺなぺなソリッド穂先」から、「高弾性ソリッド穂先」や「メタルトップ穂先」が開発され、使い勝手も「チューブラ穂先」の延長線に近づきつつあるように感じております。

メジャー製品には「ソリッド穂先」専用設計を売りにした竿もありますが、ジョイントの径さえ合えば他の竿への転用も可能です。厳密に言えば、専用設計でないと感度が落ちたりバランス云々があるとは思いますが、少なくとも「チューブラ穂先」から「ソリッド穂先」に交換すれば、それなりの効用は期待できるわけです。

シマノが別売りでラインアップした「ソリッド穂先」は、このような考えが背景にあるのではないかと思います。しかしこの製品は、自社製品については互換表があるものの、穂先ジョイントの外径が公表されていないので、他のメーカーへの転用が難しい状況です。

そんな折に出てきたのが、フナヤ・オリジナルの「ソリッド穂先」。「ノーマルタイプ(NT)」と「パワータイプ(PT)」がラインアップされております。昨年九頭竜に釣行した際、店頭で現物を見て「PT」に興味を持ちました。そして「SLⅡ」用に一番外径が近い「4.5㍉」を購入。ジョイントのコミが浅いので調整が必要です。

入手した時期が遅かったので今まで調整しておりませんでしたが、渓流解禁に向けてフライロッドのフェルールを調整する機会があったので一緒にやってしまいました。今年からネット販売もあるので、私の調整方法を紹介しておきましょう。この方法は色々なことに応用できるので、覚えておいて損はありませんよ!


①調整前の状態。ジョイント部分の「重ね代」が短く、これでは穂持ち側の狭い部分に大きな負荷が掛かり、折損の原因となります。
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_1955918.jpg


②「標準穂先」の「コミ長さ」を確認するため、穂先にマーキングします。今回は間隙があるのでマスキングテープでも穂先が抜けましたが、テープが引っかかるようであれば、拭けば消えるようなペンでマーキングしてください。
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_19554820.jpg


③「標準穂先」との比較。従来の「コミ長さ」と「ソリッド穂先のジョイント長さ」を相対的に判断して、取り付ける穂先の「コミ長さ」を決めます。今回は印字「PT0.8-4.5」の「5」右端から2~3㍉に設定します。
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_19562994.jpg


④ジョイント部分の径を少し太くするため、アロンを均等に塗ります。ポリエチレンはアロンが付きませんので、写真のように指に袋を被せ、指先に付けたアロンを手際よく均等に伸ばします。
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_1957286.jpg


⑤アロンがしっかり乾いたら「擦り合せ」です。使用するのは2000番の耐水ペーパー。最初にアロンが凸になっている部分があれば平らにし、それから全体的に調整していきます。「削りかす」をしっかり拭き取ってから「穂持ち」に挿して確認し、また少し削ってを繰り返してアジャストします。
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_19572716.jpg


⑥完成したジョイントはこんな感じです。カーボン地もしっかり透けて、メーカー出荷品と区別がつきません。
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_19575334.jpg


⑦継いだ状態。「PT0.8-4.5」の「5」で止まり、節落ちしないようにしっかり継ぐと、「5」右端から2~3㍉となるように仕上がりました。自分で言うのもなんですが、完璧な仕上がりです。045.gif
鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_19581795.jpg


これで作業は終了です。
思ったよりも簡単でしょ~!
もちろん器用、不器用があるので、これを見てトライされる方は自己責任でお願いします。006.gif


<作業上の注意>
A)「コミ長さ」の目安にした「PT0.8-4.5」の印字は、品物によって位置が異なることがあるので、個別に判断してください。

B)今回は塗膜を薄く、かつ硬く仕上げるということでアロンを使用しました。竿のクリアー仕上げに使用されるウレタン系塗料を使う方法もありますが、微調整レベルであればアロンがお勧めです。鮎竿の一般的な使用年数であれば、アロンが磨耗して再調整ということはありません。

C)アロンは多量につけると、白濁することがあります。塗装は軽く撫でる感覚で。重ね塗りする場合は、下地がしっかり乾いてから行ってください。

D)「擦り合せ」で削るのはあくまでアロンの塗膜。もともとの下地まで研磨しないよう注意してください。


鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_20444544.jpg

鮎竿の穂先を「高弾性ソリッド」に交換!_f0103126_2045659.jpg

↑「SLⅡ」では、「ソリッド穂先」は「標準穂先」より約9㌢長くなります。しかし先端の銀色部分は写真のようにしっかり曲るので、超硬レベルであれば仕掛けの長さを調整する必要はほとんどありません

by scott1091 | 2009-02-24 19:58 | DIY | Comments(2)

Commented by 乾坤一擲 at 2009-02-25 12:39 x
oh~ アロンのそのような塗布方法が有ったとは、目から鱗です。
私はアロンをポチャッと着けてくるくる回してましたが出来が良くないので
ウレタンでやってました。
これで、1手増えました。(感謝です)
Commented by scott1091 at 2009-02-26 19:53
ポチャ、くるくるでは凸凹でしょう!(笑)
ウレタン塗付は失敗がないですが、乾燥に時間が掛かりますし…。

まだ使っていないので何とも言えませんが、「高弾性ソリッド」はチューブラ使用者も違和感なく使えそうです。もともと「SLⅡ」用に細い「替穂」を提案していたので、テストも兼ねて今シーズン使ってみます!