湖でトローリングをする場合、もっともポピュラーなのがレッドコア・トローリング。その次がヒメトロに代表される錘を使うシンカー・トローリングで、もっとも少ないのがダウンリガー・トローリングの順番となります。
前回ダウンリガーについては書いたので、今回はレッドコアとシンカーに使っているタックルの紹介。まず最初はレッドコアについて。湖で使うロッドは、古くはハーディの「TenTen」やシェークスピアの「インターナショナル1519」などが使われていました。
この時代の私はトローリング・ロッドにお金を掛けるほど余裕がなかったこともあり、フェンウィックのスチールヘッド用のロッドをブランクから組んで使っていました。その後カーボン素材でウエダ「スーパーパルサーCLT-1010L、CLT-1010M、CS133」や、スミス「FG-100TRL、 FG-110TRL」など国内メーカーでも生産されましたが、トローリング人口の減少とともにかなり昔に終売。
そのため国内で今でも販売されているのは、ティムコがフェンウィックに依頼して作っているものくらいとなっています。日本メーカーは軽さを求めてカーボン素材を使ったロッドが主流でしたが、昔からレイクトローリングにはグラス素材が最適とされており、長さは10フィート前後。中でも「10フィート10インチ」が多いのは、ハーディの「TenTen」による影響と思われます。
現在も販売されているレッドコア用ロッドは3本のみで、2本はフェンウィック「GFS96CMH-3J」と「FS98CM-3J」。残りの1本はラインスラック「ORA BalmungⅡ9'」。素材の使い分けは、ビックミノーを使う釣りはカーボン素材、ツノやシェルを使って乗りが悪く口が柔らかいサクラマスやホンマスを狙うときはグラスというすみ分けになっています。
次にリールですが、これは昔から「ABU7000」が使われていました。これはラインキャパシティが標準的な18lbレッドコア・ラインを、ちょうど100ヤード巻けることが最大の理由。「7000C」でないのは価格的に少し安かったことと、グラス素材のブランクカラーとレッドのリールがビジュアル的にかっこ良かったからだと思います。
しかし当時の私は「ABU7000」も購入できなかったので、安かったオリンピックやその下請け会社など、国内メーカーのものを使っていました。しかし最近ではシンクロ機能(ハンドルを逆回転させることで、瞬時に設定ドラッグを75%まで解放できる)がついたリールを使う人が多く、すでに販売されていませんが「ABU7000C syncro」が一般的です。
またレッドコア・ラインも18lbより細い12lbが普及してきたので、このラインであれば「ABU6500C」のラインキャパで100ヤード巻くことができます。そのため12lbのときは、これまたすでに終売になっている「ABU6500C syncro」か、高額ですが現在でも購入できるラインスラック「No12 KALVAS Epsilon」などを使っています。
次にシンカーですが、使うロッドは硬めのレッドコア用か、ムーチング調子の船竿を使う人が多いです。使う錘は50~70号くらいなので、この重さを引いてもバットに余裕が残ることが竿選びのポイント。コスト的には船竿の方が安いので、ヒメトロ専門の人はほとんどが船竿です。
使うラインはPEなのでリールのラインキャパはまったく気にする必要がありませんが、これだけの錘を巻き上げる必要があるので、ABUであれば7000番くらいを使わないと大変です。シンカーでヒメマス以外を狙うときは、レッドコア以上にドラッグ操作が肝となるので、シンクロ機能は必需品となります。
とうことで最後に現在私が使っているタックルについて。レッドコアについては18lb、12lbいずれもテイルウォーク「スティルブレーカー Sixfour」をメインに、18lbについては先日フェンウィック「FS98CM-3J」を追加。リールについては18lbは「ABU7000C syncro」で、12lbは「ABU6500C syncro」と「No12 KALVAS Epsilon」。ラインは18lbは「sufix832」で、12lbは「sufix832」と「KALVAS No12」を巻いています。
シンカーについてはテイルウォーク「スティルブレーカー Seventhree」で、リールはレッドコアと同じ「ABU7000C syncro」です。これで60号の錘を使っていますが、今まで使ってきた中ではもっとも良い感じです。
しかしここで紹介したタックルは、フェンウィックとラインスラック、sufix832 以外はすでに終売。テイルウォークは日本のメーカーなので復刻を望みたいところですが、いかんせん売れる量がしれています。初代はエイテック「スティルブレーカー」でイブニングオレンジでしたが、2008年にテイルウォークで復刻された「Sixfour」はアイボリー。同じ年にリリースされた新製品「Seventhree」は、初代カラーのイブニングオレンジとなっています。
この記事を書くにあたりテイルウォークに確認したところ、問い合わせがあるたびに店頭在庫を探して店を紹介していたそうですが、だいぶ前に店頭在庫もなくなったとのこと。今でも稀に問い合わせがあるそうですが、限定生産も含めて考えていないとのことでした。
「ABU6500C syncro」はいざとなれば「No12 KALVAS Epsilon」で代用できますが、「ABU7000C syncro」は代用できるリールがありません。それなりの生産台数だったようで今でもオークションで入手可能ではありますが、大きさ的に海で使われたものが多く、程度の良いものはめっきり出品されなくなっています。
# by scott1091 | 2023-06-15 22:51 | フライ・ルアー・ムーチング / 渓流・湖 | Comments(0)