「フローティングベスト」はどの程度浮くのか?

私は海やボート釣りでは、必ずフローティングベストを着ています。

ちなみに私の水泳能力は、若い頃に訓練を受けている関係で、体力と気力が尽きるまで泳ぐことができます。よく泳げるから救命胴衣はいらないという方がおりますが、これは大きな間違いです。服を着た状態で水中に転落したとき、浮いていることがいかに大変なことかご存知でしょうか?

完全に濡れてしまった衣類は、自重で沈みます。洗濯機の中で浮いている衣類がないと言えば、ピンとくるでしょう。ましてやこの時期ともなれば、最新の繊維を使ったアウターでも、上下合わせると1㌔以上あります。これにシューズやアンダーウェアー、ミッドウェアーが加わるわけですから、恐ろしい重量になります。

この状態で落水すれば、濡れた衣類で体の自由が奪われることもあいまって、私くらいの水泳能力があっても泳げない人と大差ありません。つまりこの時期にフローティングベストや救命具を付けないで釣りをすることは、自殺行為に近い状態なのです。

そこで、私は釣用のフローティングベストを必ず着用しているわけですが、実はこのフローティングベストを実際にテストしたことがありませんでした。購入の目安は、命を預けるものなのでメーカー品を選ぶことくらいです。
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↑伊豆半島が、一番混雑するシーズンが到来。「河津桜」がどこも見ごろです

一度テストしなければと思っていたのですが、せっかく撥水が効いた新品を着て、入浴ということは普通しませんよね~。026.gifそれでのびのびになっていたのですが、この週末にテストをしてきました。テストに選んだ場所は地磯です。

ここまで読んで、ピンときた人は鋭い!

そう、これはテストではなく、本当に海中へ転落しました。008.gif

あまりに釣り場がコマセで汚かったので、回数にしてバッカンを30回くらい汲んだでしょうか?そしてそろそろ終わりというところで、つまらない場所で躓いてしまいました。高さがない場所なので、怪我や衣類の損傷はありません。

しかし防水の効いたウェアーも、あっという間に中綿まで浸水。フローティングベストのおかげで、落水のときも顔まで潜ることはありませんでしたが、一番驚いたのは目の前にいた友人だったと思います。

水温は16℃くらいあるので冷たいというほどではありませんが、磯に上がるための適当な足場がありません。無理やり上がると、フジツボやカキ殻で手や足に怪我をするので足場を探しますが、水面下はややオーバーハング気味なので、フェルトスパイクではハバノリなどで滑って話になりません。
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↑転落した場所。何でもない場所だからこそ、事故が起こります

結局、友人の手を借りて支点を確保して上がりました。この日は気温が高めだったので、アウターの上着は着ていませんでしたが、フローティングベストによる浮力は予想以上でした。転落した本人もそうですが、目の前で見ていた友人も、私がフローティングベストを着ているので慌てずに対処できたとのことです。

磯に上がってからまずは被害状況を確認し、濡れた衣類を脱いでしぼります。綿類の下着は干しても乾かないので、袋に入れてバックへ。帰りに着る衣類を確保するため、ズボンは干して、スッポンポンでサロペットタイプのアウターをはきます。

これがべちゃべちゃして気持ち悪いのですが、中綿に染み込んだ海水が抜けると、すごく渇きが速い。上着は濡れていないアウターがあるので問題なし。一番問題なのがシューズで、これは表面はゴアテックスでも中は乾きません。そこでフリースのソックスを履いて我慢します。

携行品の被害は、ケータイと非接触デジタル温度計。防水ではありませんが、鮎釣りで2回水没しても復活した愛着のあるケータイでしたが、やはり海水ではひとたまりもありません。デジタル温度計は外国製ということもあって、数時間後にはすでに内部が錆びていました。干しているズボンはサプレックスなので、すぐに乾くのがありがたいです。

そんなこんなで、予想以上にテストに時間が掛かりましたが、やっと釣りを開始します。海水温は水温計が水没して測れませんが、体感的には悪くありません。潮は月齢23.0の小潮。いつもよりアジを多めに購入してきたのですが、この日は当たりがまったくありません。
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友人が明るい内に1杯釣りますが、それからお互い長い沈黙。ここまで、アオリの当たりはなし。そして友人に地合いがきますが、私の方はまったく当たりがないまま時間だけが過ぎます。今シーズン初の〇ーズを覚悟したところで、やっとヤリの当たりで1杯。しかしアオリが〇ーズであることは変わりません。

少し離れたところにいる友人に状況を聞くと、ちょうど5杯とのこと。一番大きいのは1.5㌔くらいありそうです。すでに地合いは終了していますが、友人の勧めで隣に入れてもらいます。久々のプチ移動で、汗をかきました。

移動が完了した頃には、潮が下がって友人も私もウツボのラッシュ。私の足場は高いので、潮が下げるとかなり釣りづらいです。友人と同じ根を狙っていますが、ラインの角度が違うのでオマツリすることもありません。

ウツボとヤリでアジをどんどん消費しますが、本命からの当たりがありません。そしてあきらめかけた頃に、ウツボの当たりとはあきらかに異なるアジの動き。これは間違いなくアオリです。

これを逃せば〇ーズになるのは必至の状況ですが、いつものとおり大胆にヤエンを送って空中戦で勝負を決めます。友人にギャフを打ってもらったアオリは1,100㌘。決して大きくはありませんが、とても貴重な1杯です。これで友人をあまり待たせることなく終了です。006.gif
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↑このように掛ると、アオリに逃げるすべはありません

最新の衣類なので、濡れてもシューズ以外は快適に釣りができましたが、帰る頃には全身が塩を噴いて真っ白です。帰ってからフローティングベストだけ風呂で潮抜きしましたが、沈めるのに一苦労するくらいの浮力でした。もちろん風呂の中でも着てみましたが、裸なので淡水でも横になると全身がしっかり浮いて快適です。

翌日の日曜も釣行予定でしたが、前日の海中転落により洗物や手入れしなければならない小物類が倍増。これらのメインテナンスに半日くらい要したので、来週からスタートする渓流用の年券を購入したりで、貴重な休日は終わりとなりました。

残念ながら目標の2㌔アップを釣ることはできませんでしたが、今年はヤエンを始めて一番良いシーズンだったと思います。これから本格的な親イカシーズンとなりますが、皆様も必ずフローティングベストや救命具を身に付けて、楽しいシーズンを過ごされますよう祈念しております。

「Aorist(アオリスト)」としては、しばしお別れです!

そうそう、せっかくフローティングベストを着たら、股紐をするかヒップガードへの固定をお忘れなく。していない人を見かけますが、腕だけでベストを押さえているのは体力的に限界がありますし、意識がなくなると脱げてしまうこともあります。

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↑昨年新調したサンライン「ステータス フローティングベストSTL-170」。他のジップは樹脂製ですが、防水ジップだけは金属製。腐食で粉が噴かないよう、水洗いの後に濡らした歯ブラシでしっかり塩分を除去しましょう

by scott1091 | 2011-02-28 21:02 | アオリスト(Aorist) | Comments(12)

アオリが餌アジを離す最大の要因を探れ!

最近は明るいうちに、小型のアオリが抱いてくることが多いので、アオリが見える距離まで寄せてから、ヤエンを入れて様子を観察しています。だましだまし寄せれば、ギャフを打てるまで寄せることができますが、ヤエンを入れるとほぼ100㌫アジを離します。

よくヤエンの重さを感じて、アオリが逃げると言います。これも事実だとは思いますが、視覚による危険察知の方がはるかに大きいように感じます。もっと極論すると、13㌘以下のヤエンであれば、ほぼ100㌫ヤエンを視認してアジを離しているとしか思えません。013.gif

実験回数がまだ少ないですが、浮いているアオリ(抱かれたアジが見える水深)は、ヤエンが1㍍くらいの場所に近づくと決まって離します。ここで重要なのはアオリが浮いていることで、底付近にいるアオリはここまで顕著にこの現象は見られません。
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では底付近にいるアオリは、どうして浮いているアオリほどアジを離さないのでしょうか?ここからは推測ですが、以下のような違いが考えられます。

①海藻や海底とのコントラストでヤエンが見えにくい
②水深が増すと照度的にヤエンが見えづらくなる
③擬態しているときは警戒心が薄い
④上記2つないし3つの複合


研究分野ではアオリはイカの中でも視覚能力が高く、特に青~緑の波長は照度が低くても認識できるといわれています。真っ暗な海でエギやアジを抱いてくることからも、それらは釣り人として実感できます。しかし②の照度により見えづらくなるという要素は、同じ満月でも月が出るのと出ないのでは釣果に差がでることから、可能性は高いと思います。

アオリの食い気もありますが、暗くなるとヤエンを離されにくくなるのも、この推測で説明がつきます。また大型ほどアジを離さないのは、外敵に対する対抗能力を小型よりも備えているという点も無視できません。小さいアオリが大きいアオリから逃げるように、ヤエンに対する警戒感も大型になるほど低くなる。もちろん狡猾な大型もいますが、これは個体差の範疇に含まれると思います。
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こんなたわいもないことを考えながら、この週末も楽しんできました。潮回りは月齢16.0の大潮。最新の水温図は16℃台なので、条件としては申し分ありません。しかし曇りなので「Moon Power」が期待できないので、アジは少なめに購入します。

土曜は久々に妻も一緒なので、足場のよい場所に入ります。すっかり春めいてきて、「いちご狩り」や「桜まつり」などで、観光客も多くなってきました。この日は早くからウツボの当たりが多く、予想以上に苦戦します。アジをつなぐのに死にアジを使うので、それにまたウツボがくるという悪循環です。007.gif

そして明るいうちに小さいアオリが抱いてくると、前述の実験をします。アジを抱いたアオリが見える場所まで寄せてからヤエンを入れて、ラインを張った状態でヤエンが近づくのを観察します。この間にアオリを寄せるような行為はしません。近いのでゆっくり移動するヤエンが見えますが、ちょうど1㍍くらいの場所に到達すると、前触れもなくアジを離します。
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この場所は明るいうちは、こんなサイズばかりなので実験が続きます。そして少し暗くなってから、やっとキープサイズのアオリが抱いてきました。すでにアオリが見える照度ではないので、ここで実験は終わりです。

水温は実測で14.7℃。思ったよりも低く、それを裏付けるように大型の当たりがありません。結果は実験を除いて、ヤエン投入4回で3杯。一番大きいのは1㌔サイズでしたが、エンペラ半分はウツボによりV字状に食いちぎられていました。傷口がすでに丸みを帯びていたので、少し前の傷と思われます。

そして翌日は一人なので、前日のリベンジで気合入りまくりです。より水温の高い場所を選んだつもりですが、実測では15.4℃しかありません。天気予報では釣りには影響ない風速ですが、風向・風速ともに悪い方に外れました。場所移動も考えましたが、風が回っているのでどこに行っても逃げ場がありません。
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腹を括って、この場所でスタートします。徐々に風が強まりますが、よい感じでアジが潜るので何とかなりそう。まずは竿1本でスタートしますが、当たりがないので2本目も投入します。そして2本目のアジを、すぐに抱いてきました。まだ明るいので、極力ヤエンを見せないように、一度ヤエンを沈めてからアオリを寄せます。

この方法は根掛かりで、ヤエンをロストする可能性があるのでやりたくないですが、アジを離されるには惜しいサイズです。この方法でまずは最初の1杯。次も同じ方法でやりますが、これはヤエンに届く寸前で離されてしまいました。その後は、しばしの沈黙。

日が暮れてからはさらに風が強くなり、ちょっとした前線のようです。距離を投げるとラインが吹かれてアジが浮くので、足元のカケアガリに沿わせてアジを潜らせます。すぐにウツボの餌食になると思いましたが、この風では長く釣りをできそうにないので、餌の心配はありません。032.gif

そしてやっと当たりがきます。手前の張り出しにラインが掛かるので、沖に走らせたいところですが横に走るばかり。自分が移動して張り出しの向こう側に行きたいところですが、他の釣り人がいるのでままなりません。そこで一度アオリを完全に浮かせて張り出しをかわしてヤエンを投入します。これも1杯目と同じくらいのサイズです。
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そして次の当たりは、トルクがあって大きそうです。これは勝手に沖に走って行くので、先ほどのような苦労はありません。根掛かりの心配がないので、行かせっぱなしにすると80㍍くらい出てしまいました。寄せようとするとさらに暴走するので、奥義「プチ調教」をして60㍍くらいでヤエンを投入。これがずっしりの1,680㌘。006.gif

そして次は、手前のカケアガリを左手に向かってゆっくりと走る当たりです。リールの回転が途切れることがないので、これも大きい。あまりに岸寄りなので、このままでは左手の張り出しが邪魔で、ヤエンを入れられません。走りを止めようとすると、怒ったように暴走し、ラインが根に摺れている感触が伝わってきます。このままではヤエンも入れられないので、またまた奥義「プチ調教」でアオリを海面に浮かせます。

これは先ほどよりも大きそうです。何とかヤエンが張り出しをかわせる角度になったので、ここでヤエンを投入します。ヤエンはほとんど空中を滑走して、無事アオリに到達。そして到達と同時にフッキングしたようで大きなストロークで走りますが、こちらもしっかりレバーブレーキを握っているので、思うようには走らせません。

12月以来の重量感なので待望の2㌔アップを期待しましたが、計って見ると残念ながら1,985㌘。この後はヤリが回ってきて、帰ってからのビールの肴をゲット。雨や雪が降り始め、ますます天気が荒れてきたので片付けを始めます。アジの残りは泳いでいる2尾。
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2本とも良い感じで泳ぐので、アオリを捌いてギャフの片付けを先にします。そしてラインの角度が悪い方の竿を片付けようとすると、まさかの居食いです。サイズ的にラインを持って上がりそうなので、速攻でヤエンを投入して獲り込みます。サイズ的には800㌘くらいですが、捌く道具も片付けてしまったのでリリース。そしてその竿を片付け終わると、もう一方の竿にも当たりです。

これも同じように獲り込んで、これまたリリースして終了です。この日の釣果は、ヤエン投入7回で4杯+リリース2杯。ヤリはヤエン投入2回で2杯でした。

2月も残すところ後一週。
2㌔アップはゲットできるでしょうか・・・?008.gif

by scott1091 | 2011-02-21 21:02 | アオリスト(Aorist) | Comments(2)

ヤエンは創意工夫がおもしろい!

ヤエンは、釣りそのものもとても楽しい。しかし、この釣りにさらにのめり込む魅力は、以前にも書いたとおり、道具を改良したり工夫する余地が多いことだと思います。

例えば鮎釣りや磯釣り、船釣りなどであれば、独自に手を加えるのは仕掛けくらいでしょう。エギングやメバリングを含むルアー釣りにいたっては、仕掛けにも手を加える余地がないくらい、至れり尽くせりのものが販売されています。

一方、ヤエン釣りはどうでしょうか?専用の竿やリールが販売されてはおりますが、選択の余地がほとんどありません。また、メーカーの気合を感じるようなモデルもありません。この傾向は小物類はもっと顕著で、ヤエンそのものを除けば、他の釣りから転用する道具が多いと思います。
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↑自作のギャフカバー。バックの中に一緒に入れても、他のものを傷つける心配がありません001.gif

最近は浮き釣りやエギングからの転向者も多く、ヤエン人口は確実に増えております。しかし釣り人口全体から見れば、かなりマイナーな釣りであるのも事実。またヤエン以外の仕掛けがシンプルなため、メーカーが開発に注力するものがないということもあるのでしょう。

私のブログで、ヤエン関係でもっとも検索キーワードが多いのは「BB-X 音出(だ)し」ですが、これもシマノが「BB-X EV3000 アオリイカ」の復刻または後継機種を作れば、ブームは収束するでしょう。当然これらのニーズはメーカー側も把握しているわけですが、いまだに発売に至らないのは、やはり一定以上の利益が見込めないからだと思います。シマノは主力が自転車部品であるため、採算ラインは他社よりもシビアなのでしょう。

同じような話ですが、「BB-X EV3000 アオリイカ」に装備されている「ストッパークリックツメ」と「クリックツメバネ」が、だいぶ前に完売となりました。これは「EV」や「XT」の「サイレントモデル」を、ヤエン用に改造する人が多いからです。これだけニーズがあれば補充すると考えられるかもしれませんが、50~100円のパーツを再生産することはありませんし、逆にパーツ販売に掛かる手間を軽減したいところだと思います。
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そしてもう一つ踏み切れない点は、ヤエン釣りをする人は自作を楽しみとする傾向があるため、例えメーカーがすばらしい製品を発売しても、どれくらいの人が購入するか読めないところもあるのでしょう。シマノから発売された「AR-Bラインローラーヤエン 跳ね上げ式」についても、その構造をコピーして自作する人が圧倒的に多い。「AR-Bラインローラー」がパーツ販売されないのも、そのような背景があるからだと思います。

余談ですがシマノは例外的に、修理対応であればローラーをパーツ販売しています。しかし、ヤエンを実際に送らなければならないのと、ローラー代とは別に取り付けのための技術料が掛かるため、「AR-Bラインローラーヤエン」を安売りで買うより高くなります。

きっとこんな感じなので、今のような状況がこれからも続いていくのではないかと思います。良くも悪くも、これがニッチなヤエン釣りというものなのでしょう。どんな道具であれ、アジが元気に潜ればアオリは抱いてきますから・・・。
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↑市販されている穂先ライトの一例。着脱の際に穂先を折った人も多いはず。ライトも接触不良で点いたり消えたりするし、足の部分にラインが挟まるトラブルも…。テープを使って直に固定する人もいますが、手間が掛ります008.gif

個人的には素人が作れない、ベイトリールに搭載している「デジタルコントロールブレーキ」を応用して、どんな当たりでも最軽量テンションで絶対にバックラッシュしない「BB-X」なんていうのに興味がありますが、高くて買う人がほとんどいないでしょうね~。これでは企画段階で「没」です。

かなり話がそれてしまいましたが、ここからは私が現在使っている道具の話です。私の道具の中で、アオリないしヤエン専用のものは、カツイチ「イカギャフ」と東レ「トヨフロン アオリイカヤエンEX」の2点のみ。それ以外は他の釣種やDIY関係のものを転用しています。ヤエン作りはもちろん、リールの改造やパーツチューン、穂先ライトやギャフカバー、アジ缶やハリ、ヤエンケースなどなど。
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↑ライトを付けないときはこの状態。軽いので竿の調子にあまり影響しません。ダイワの「中通し」竿は、ワイヤー通しの際に「節落ち防止ラバー」を装着するので、それの代用も兼ねています

他の釣種から、自分のヤエン釣りにあった道具の探求は奥が深いです。これは他の釣りではかゆいところに手が届くようなものが、メーカーから販売されているのに対し、前述のようにヤエンについては、明らかに自作や改良したものの方が優れているからです。

これらの道具にピトンなどの金具類が加わると、さらに楽しみが広がります。これらは底物用が一番充実していますが、ヤエンの場合はそこまで強度を求められないので、工夫の余地があります。

さすがに旋盤やフライス盤、精密溶接機など持ち合わせていないので自作はできません。しかし設計図を引いて、専門業者に作ってもらうことは可能です。アオリを釣るだけならここまでやる必要はありませんが、ポイント選びの自由度が広がるのは確かですね!
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↑自作の穂先ライト。友人と一緒に考案したもので、「より軽く、より美しくて機能的」。着脱も簡単でしっかり止まり、竿の塗装も痛めません006.gif

今回はかなりマニアックな内容となりましたが、最後に重要な補足を一つ!

それは逆の見方をすれば、専用の道具があまりないくらい、この釣りはヤエンさえあれば他の釣具が転用できる手軽な釣りだということです。この部分だけは、誤解なきようお願いします。

どんなに良い道具を使っても、重要なのは「腕」であることは他の釣りと何ら変わりません。そして実釣を重ねないと、上達しないのもしかりです。

ということで、現場へGO~!

by scott1091 | 2011-02-19 11:26 | DIY | Comments(4)

峠は雪、余寒の厳しい三連休!

立春を過ぎてからの寒の戻りを「余寒」と言いますが、この三連休がまさにそれにあたるのでしょう。予報よりも降り始めが遅かったですが、土曜はほとんどの場所で雪が降ったのではないかと思います。

私の車は「四駆&スタッドレス」なので、通常であれば釣り場が空いていると喜んで行くところですが、先週の小春日和で体がなまってしまって外に出かける気になりません。結果からすれば、三連休すべて釣りに行くべきでした。

まだまだ甘いぞ~、アオリスト!021.gif

ということで、釣りに行ったのは日曜のみ。連休最終日なので、少しは空いていると思ったのですが、連休唯一の晴天ということで「超~激混み」状態。潮は10.0の若潮。潮が下げる一方なので水深のある場所に入りたいところですが、どこも人が多くて入れません。
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最近はグレ師も、帰るときはヘッドライトが必要な時間まで釣るので、本格的な装備の人がいる場所は望み薄。バッカンに撒き餌がほとんどないので待っていると、新たに撒き餌を作る人もいたりして・・・。地合いもあるのでしょうが、鮎師よりもグレ師の方が気合が入っていると感じる今日この頃です。

この日は車を止める場所もないような状態なので、スペースを見つけて釣り場が空くのを待ちます。潮がどんどん下がるので、少しでも早く釣り始めたいのですが、こういうときに限って釣り人の上がりが遅い。海水温も期待できるのでアジを多めに購入しましたが、1時間くらい車で待機したので放流することになりそうです。008.gif

そしてやっと入れた場所は、すでに海藻が水面に漂うような状況です。水温は15.3℃。冷たい東北東の風が吹いて、体感温度は昼間とはぜんぜん違う。そして期待の時間帯になっても、ウツボの当たりが続きます。潮位が低いので、ウツボが食ってくるのは致し方ないでしょう。足元でも、うねうねしているのが見えますから・・・。

アジは沢山あるので問題ありませんが、切られるごとにラインに傷みがないかチェックします。これを怠るとヤエンのロストにつながります。そして待望のアオリの当たりは、あまりにも小さい。〇ーズ回避のためにヤエンを入れることも考えましたが、時間の無駄なので即刻アジを回収します。
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元気なアジに交換して、回り始めた風を利用して遠投します。うまくアジが風に乗って、40㍍近く飛びました。これでだいぶ水深を稼げますが、手前の海藻はいかんともしがたい。手持ちでこまめに操作して、アジの泳層を調整します。

そして今度のアオリは、アジの異変とともに一気に抱いてきました。アジの生命感がすぐになくなったので、これはかなり期待できる大きさ。竿で聞くと、ゆっくりとしたトルクのある動きでラインを引き出していきます。ラインが海藻や根に掛からないように、アオリを極力浮かせるべく操作します。このアオリとは相性がよさそうな感じ・・・。006.gif

距離的には50㍍くらいでヤエンを投入。ラインがしっかり張っているので、ヤエンが空中をどんどん滑走します。空中を滑走させれば、手前のシモリや海藻に根掛かりする心配はありません。そしてうねりにあわせてラインが張ったり緩んだりするので、これを利用してポンピングしながら距離を詰めていきます。

こんな感じで獲り込んだ最初の1杯は1,795㌘。その後800㌘が続きますが、それで地合いは終了です。帰ると決めている時間が迫ってきたので、アオリを捌いてギャフを洗っていると、久々の当たりです。やはり「Moon Power」の効果は絶大!これも重量感のある引きですが、ラインが海藻に掛かっています。
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これではヤエンを入れられないので、一度離させてから追い抱きさせます。これもさほど苦労なく獲り込んで1,580㌘。その後続けて600~700㌘を2杯獲り込みます。ここで直感的にこれ以上粘ってもサイズアップは望めそうにないので、潔くアジを放流して撤収です。

先週に比べると間が抜けた感じの釣りでしたが、この日の釣果はヤエン投入5回で結果5杯。海水温もまずまずなので、渓流解禁前に何とか2㌔アップをゲットしたいところです!017.gif

by scott1091 | 2011-02-13 21:07 | アオリスト(Aorist) | Comments(2)

3月下旬並みの陽気!アオパラの到来か~?

まさに立春に合わせたような小春日和の週末です。
おまけに黒潮の反流が入ってきて、2月とは思えない水温図。
表題のアオパラは、アオリ・パラダイスの略ですので念のため!003.gif

さて潮は月齢2.0の中潮。残念ながら新月なので月はありませんが、満潮の時間帯がよいので、否応でも期待が高まります。出張で釣りに行けない友人もこの状況に気がついたようで、激励の連絡が入ります。

久々に風がないのでどこでも入れますが、なるべく人が少ない場所を選びます。ヤリイカの釣況はだいぶ下火になってきたようですが、潮周りの良い場所には必ず人がいます。ヤリイカは死にアジを使いまわせるので、遅くまで釣る人が多い。したがってこのような場所は、敬遠した方が無難でしょう。
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↑今話題になっている「釣士道」の「マルチクールバック/20」。この時期はクラーとして重宝します

久々に少し多め(人から見ると少なめ?)にアジを購入して、ドライブ気分でポイントを見て回ります。そして釣り座を構えてから、ノンアルコールビールを「プシュ!」。先週までは冷たい物を飲む気にはなりませんでしたが、荷物を運ぶと少し汗ばむくらいなので最高に旨い~。ゆっくりと水平線を眺めながら、まずは1本だけアジを泳がせます。

水温は実測で15.4℃。年が変わってから最高の水温です。そしてアオリの活性を裏付けるように、すぐにアジを抱いてきます。地合いまで時間がありますが、もう一方の竿を投入してからヤエンを入れます。

よくヤエンの解説に、アジを横から縦に抱き直してからヤエンを投入するというのがあります。これは横抱きの状態ではヤエンが掛かりにくいためですが、アオリはアジを横抱きにして頭を落とし、その後胴体部分を食べるときに縦抱きになることが多い。また胴体を食べだすと夢中になって、アジを離さなくなるというのが通説です。そういった理由から、頭を落とすまでヤエンを入れるのを待つのが普通です。
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↑これが私がまさに理想とするフッキング。アオリに逃れるすべはありません

これが一番確かな方法ではあります。しかし水温が低いこの時期は、アジの頭を落とすのに10分以上は掛かる。私はこれだけの時間を待つことはできないので、頭を落とす前に強制的に縦抱きにしてしまいます。こんな釣法なので、この時期は頭を落とされてしまうことはありませんし、延髄をまったく齧られないケースもあります。

この状態だとアジはまだ生きていて、無理やり縦抱きにされたのでアオリは口から齧ることになります。普通だと抵抗してガンガン走られますが、要領をつかむとこの状態でも寄せることができます。最近はヤエンを送るよりも、この段階でのアオリとの駆け引きが一番面白いと感じるようになりました。アオリも個性があるので、〇性を口説くのと同じか~?006.gif

しばし海辺でのんびりするつもりでしたが、そのまま漁師(「すけこまし」ならぬ「イカコマシ」?)モードに突入です。小さいアオリも抱いてきますが、餌を無駄にしないようにすぐに竿で聞いて、小さいようならアジを回収します。天気に恵まれた土曜なので、久々に遅くまで釣りをするつもりでアジを多めに買いましたが、このペースだといつもと同じ時間に終わりそうです。
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そして本格的な地合いになってから、やっとトルクのある当たりがきます。ゆっくりした一定の速度で、気持ちよくBB-Xが逆転してラインを放出します。このアオリが1,359㌘。続いてほぼ同じサイズを追加。その後はウツボの当たりで餌が終了です。

この活性なら死にアジでも抱いてきそうなものですが、やっぱりウツボに餌をやっているような状態です。こんな感じなので、死にアジはいつものとおり、お持ち帰り。結果はヤエン投入14回で12杯でした。
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↑この撮影の後に1杯追加!

当然ながら、状況が良いので翌日も釣行します。数が釣れると帰ってから処理が大変なので、この日はアジを少なめにして、いつもより早く撤収する目論見です。この日も曇りながら、暖かくてどこも釣り人が多い。前日に数は釣っているので、この日は何とか1.5㌔アップを目指したいところです。

型が期待できそうな場所に入りますが、残念ながら抱いてくるアオリは型が小さい。このままでは地合いまで餌が持たないので、死にアジを使いながら餌をつなぎます。型が大きいものはヤエンを投入し、小型はすぐにアジを回収。それでも平均サイズが昨日より小さいです。

このまま終了かと思われましたが、最後の最後に大型が餌を抱いてくれました。リールの逆転音から大型であるのはすぐにわかりましたが、走りを竿で抑えたときの重量感が違う。そして無理やり押さえ込むと怒ったように暴走して、BB-Xの逆転音が悲鳴のように聞こえます。
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この瞬間を待っていたんですよね~、ずっと!001.gif

ラインが海藻に摺れていますが、これを何とかかわしてヤエンを投入。距離的には50㍍くらい。ヤエンが気持ちよく空中を滑走していきます。そしてヤエンが到達した瞬間、ヤエンの灯りが映画のUFOのように、リールの逆転音と同調して大きなストロークで移動します。いつみても幻想的でエキサイティングな光景です。

私は基本的にはアワセを入れないので、この後はレバーブレーキを握って走りを止め、寄せに入ります。このアオリが1,620㌘。最後の1杯で、この日の目標を達成しました。釣果はヤエン投入9回で、8杯+ヤリ1杯でした。
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3月の渓流解禁まで、残すところ後3週。
腕を磨くべく頑張ります!043.gif

by scott1091 | 2011-02-06 20:25 | アオリスト(Aorist) | Comments(4)

「大きいイカには、長いヤエン」は本当に有効か?

最近は釣行記ばかりなので、今回は少し技術的な話題を!
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まず掲載した写真をご覧頂きたいのですが、これは現在市販されているヤエンでは一番新しい、シマノ「A-RB ラインローラーヤエン 跳ね上げ式」です。サイズはM、L、LLの3種類がラインアップされています。「AR-Bラインローラー」はもちろん、類を見ない跳ね上げ機構の採用は、他のメーカーに水をあけていると思います。

商品説明によれば、「エサのサイズ、イカのサイズに合わせて選べるサイズバリエーション」となっています。この説明にもあるとおり、「大きいイカには、長いヤエン」というのが一般的です。

しかし私は実釣をとおして、これは違うと感じているのですが、皆様はいかがでしょうか?説明のもう一方である、「大きいアジには、長いヤエン」は正しいと思います。しかしこちらも、アジを大、中、小とサイズ別に選べる環境ならば、あまり影響はありません。

よくヤエンの説明書などで、ハリが胴(外套膜)に掛かるイメージ図があります。しかしこれでは、イカが大きくなるほどバレが発生します。ダブルヤエンにすることで、ハリ抜けや身切れの頻度を少なくすることはできますが、抜本的な解決にはなりません。その理由は、一方しか掛からないことがよくあるからです。

ではどうするかということですが、ハリ掛かりさせる場所として腕の付根、すなわち漏斗付近を狙うのが一番重要です。この場所が胴(外套幕)よりも丈夫であるということもありますが、ここにハリが掛かると、必ずヤエンとは反対方向に逃げることになるので、さらにハリ立ちが促進されることになるからです。

これが胴に一番先端のハリが掛った場合には、イカがアジを離して四方八方(膨らませた風船が空気が抜けながら飛ぶイメージ)に逃げると、必ずハリ立ちとは逆の方向に走るケースが出てきます。掛かり方しだいでは、たとえバーブがあってもヤエンやライン抵抗で抜けてしまうケースもありますし、身切れしてしまうこともあります。
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もちろんイカが大きくなるほど、腕も長くなります。しかし大きいイカほどアジが隠れるくらいすっぽり抱いてしまうので、結果的にアジの尻尾から腕の付根までの距離が、腕の長さほど大きく変化しないのは、皆様も経験的に感じていると思います。

こういった実釣経験から、私の自作ヤエンはワンサイズに落ち着きました。目下のところ、これで不安を感じたことはありません。むしろ重要なのは自重で、同じサイズでも使う材料により、11、12、13㌘の3種類を使い分けています。

アオリが浮いていて、ヤエンを空中滑走させる場合や、サイズが小さいときは軽いヤエン。アオリが底付近にいてヤエンがほとんど水中を滑走する場合や、サイズが大きくてラインがハリハリとなる場合は、重いヤエンをチョイスします。

私の場合は3月からフライ、5月から鮎に移行するので、実釣を踏まえてワンサイズでオールシーズンをカバーできるとは言えません。しかし友人がほぼ同じサイズで通年を釣っているので、まったく問題ないと思われます。

アオリが大きくなったので、長いヤエンにしたらバレが連発。そのような経験のある人は、獲り込んだアオリのどこにハリが掛かっているのか、必ず確認することをお勧めします。

by scott1091 | 2011-02-01 21:56 | Technique | Comments(3)