九頭竜的「鮎竿」に関する考察・・・フナヤ・オリジナル

きた、きた、きた~
掛かり鮎の強烈な引き!


竿を伸(の)されないよう腰を入れて竿の角度を維持すると・・・、
釣り人から見る竿は満月。

か~、これぞ真の男の釣りだぜ~い!
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という状況の竿を、横から客観的に見たのがこの写真。

な~んだ、ぜんぜん曲がってないじゃん!(笑)

この写真はおとりが26㌢、掛かり鮎が27㌢で背掛かり。
背バリを使用です。

 そう、もうお気づきのとおり、釣り人が感じているほど竿は突っ込んではいないのです。特に3~元竿までのパワーをうまく利用できれば、このサイズの鮎でも実際の竿の曲がりはこの程度。もちろん流れによって大きく違いますが・・・。竿はフナヤ・オリジナル「Super Light Ⅱ超硬90(以下SLⅡ)」です。
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↑返す寸前。この鮎は26㌢で腹掛かり

  九頭竜に限らず鮎竿に求めるもの。それは、①掛けるまでの操作性、②掛かりの良さ(ケラレ・バレの少なさ)、そして③掛かり鮎の抜けの良さ、といったところではないでしょうか?当然ながらの竿の調子はトータル・バランスですが、しいてこの条件に一番結びつく要素を上げれば、①自重とモーメントが軽く胴ブレしない先調子、②穂先の硬さと穂持ちバランス、③3~元竿までスムーズな力の伝達と腰折れしないパワー、と思います。

  そして九頭竜の竿選びでもっとも重要なのは、①と③のどちらに主眼を置くか。私の場合、鮎釣りはまず掛けなければ始まらないと思っているので、①=②>③の順番で竿を選んでいます。もちろん全てが揃っている竿が理想ですが、残念ながら九頭竜のような特殊なフィールドでは、現在の高弾性カーボン素材を駆使しても、①と③を完全に両立することができません。

  このブログをご覧の方から、フナヤ・オリジナルについてのお問い合わせを頂くので、私が使ったことがある「撃龍竿 超超硬925(以下撃龍竿)」と「SLⅡ」を例に説明します。簡単に言えば、①に重点を置いたのが「SLⅡ」、③に重点を置いたのが「撃龍竿」。②についてはいずれの竿も穂持ちバランスから、穂先は最適と思われる太さ(SLⅡ1.9㍉、撃龍竿1.85㍉)に設定されています。
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  「SLⅡ」は60~65㌧の高弾性カーボンを使用することで、張りとパワーを実現しておりますが、軽量化のため「撃龍竿」ほどカーボンの巻きに肉厚がないので、絶対的なパワーとトルクが不足します。車で例えれば同じ四駆でも、軽量化のためボンネットにもアルミを採用しているレガシー(*)が「SLⅡ」、ランクル(**)が「撃龍竿」といったところでしょうか?(笑)

(*) 総排気量1,994cc、最大出力260PS、最大トルク35.0kg・.m/rpm
(**)総排気量4,663cc、最大出力288PS、最大トルク45.7kg・m/rpm

  したがって掛けてからの抜きは圧倒的に「撃龍竿」が優位で、九頭竜返しもとてもしやすい。逆に「SLⅡ」は軽くて操作性に優れているため、背バリや5号以下の錘で誘いを掛けたりテンポ良く攻める釣りには優位。「撃龍竿」に比べると鮎が大きいと抜くまでに時間が掛かり、必然的に「返し」の振り幅も大きくなりますが、これは慣れでカバー可能です。今年の9月のように鮎が大きいと、5~10号の錘で極端なシモ竿にするとパワー不足を感じるのは致し方ないでしょう。
 
  しかし普通の人はこれだけ錘をつけると、極端なシモ竿にはしないと思いますし、おとりが廻っていれば錘がここまで必要な場所は九頭竜といえども、そう多くはありませんよね!(*注)
  また、私のように状況に応じて「返し」と「タモ受け」を使い分けたり、「タモ受け」のみをされる方は、一瞬といえども「撃龍竿」を片手で操作するにはかなりの握力と腕力が必要となるのでご注意ください。「撃龍竿」での取り込みは、あくまで「返し」が前提となります。

掛けるまでの「SLⅡ」か、掛けてからの「撃龍竿」か?
はたまた来年発売予定の、その中間を狙った「豪龍竿 超硬90H」か?

 先の車の比較なら、釣行の際の高速道路でのストレスないぶっ飛びを選ぶか、川原での機動性を選ぶかといったところでしょうかね?(笑)

  この時期になると実釣での比較は難しいですが、購入を検討している方は鮎釣りの確かな感覚があるうちに、実物を手に取ってみることをお勧めいたします。
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↑きべっちさん撮影

(*注)
 地元にはこの考え方が根本的に違う方も多い。いわゆるおとりは最初から錘で沈めるという考え方。この方法だと水中糸の抵抗は錘で相殺されるので、細い水中糸を使う必要がありません。仕掛けの特徴は切れるまで使うのを前提に、水中糸はPE0.6号程度。おとりの泳ぎを確保するため、錘とおとりの間隔を広く(最低でも50㌢以上)とるのが一般的です。

  この手の釣りをされる方には、①掛けるまでの操作性も「SLⅡ」より「撃流竿」のほうが優れているという方もおられるので補足しておきます。
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↑連続した写真に見えますが、掛かっているのは全て違う魚。すごく離れた場所から撮影した動画からの転用なので見づらいですがご容赦を!私はどちらが上手でも返せますが、このときは鮎が大きいのでやりとりの際に上手を利き腕に持ち替えていますね(笑)
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by scott1091 | 2007-11-24 17:44 | フナヤオリジナル | Comments(11)

Commented by KIKU at 2007-11-25 23:27 x
> な~んだ、ぜんぜん曲がってないじゃん!(笑)

そうなんですよねぇ(笑)
竿持ってる本人からすると、かなり曲がってたはずなんですけどねぇ(苦笑)

ということで、撃龍竿はどんな曲がりを私に見せてくれるのか?
そして、米代川も掛けるまでより取り込みの方を重視しなければならない状況にしばしば遭遇します。
その時にどんな結果を出してくれるのか?今から楽しみにしています。
Commented by scott1091 at 2007-11-26 20:28
KIKUちゃん、こんばんは!

先日メールでお尋ねした件、体調不良でまだトライできていません。この週末はガイドブックを片手に、主要な防波堤やテトラを廻ってみましたが結構な混雑ですね~。有料駐車場を利用しなければならない場所が多いことにも驚きました。

さて今回のエントリーは写真がないとまったく説得力がないので、最後の九頭竜釣行に妻に同行してもらいました。釣りもカメラも素人の妻がうまく撮影できるよう、ポイント選びから自分の立ち位置や竿の角度、撮影できるだけのやり取りの時間を作ったり、釣っている本人もかなり苦労しました。しかしビデオカメラの型が古いこともあって、デジタルズームによる撮影では三脚を使っても画素数的に今回の写真が限界です。

来年の米代では、絶対に「撃龍竿」が火を噴くと思いますよ~。今から楽しみですね!
Commented by よっちき at 2007-11-27 19:25 x
う゛~ん、私みたいな素人的感覚からいうとこういう次元の話って何のことかチンプンカンプンでしたよ!それが去年初めてコチラを見たときの放水路での釣行紀でしたよね。私の竿はむしろ胴に乗るのですが客観的に見ればどんな風に曲がっているのでしょうか?今年ラストの飯島で後ろに張り付いて見ていたオッチャンはどんな感じで見ていたのでしょうか?それが、すご~く知りたい!もう一つ、今季の最大は対岸からユウタさんと関西G隊の杉ちゃんが掛かる瞬間から見ていらっしゃいました。吉波のド芯です。私が感じていたものと対岸:15m先くらい?から見ていた御2人の意見は違いました。私が未熟なこともあると思いますが、撃龍竿って一体どんな感じなのでしょうね。超剛竿でありながらSLⅡよりも穂先が細いところがシブイですよね。あれは、チューブラー?ソリッド?しかも、中間の竿がでるの?大阪の親しい釣具屋さんの店長がそのメーカーの方と親しいようなのでこの前もいろいろ話していましたがもうちょっと突っ込んだ話が必要ですね。撃龍竿の映像が欲しいですね~!というわけでKIKUさん、さっそくミッションができましたね(笑)
Commented by KIKU at 2007-11-27 23:37 x
ちなみに、私が持ってるダイワのメガトルク急瀬はそれなりに無理が効く竿です。
しかし、同じ竿を持ってる友人が28cmを掛けた時、驚くほど曲がっていました。
撮影した画像見ても、本当の満月。
折れないのが不思議なくらいです。
ということで、自分なり他人なりが釣っているシーンを撮影するっていうのは、確認の意味で自分の釣技向上の助けになるかもしれませんね。

とはいっても、自分の釣り姿見ると、イメージとの違いに愕然とすることが多い私です。
まあ、とりあえずは次シーズン、撃龍竿がどんな曲がりなのか、大公開できるよう、なんとか頑張ってみましょうね(笑)
Commented by よっちき at 2007-11-28 17:36 x
お、MTですか?私はMT-95SDですが今年は3回救急車にて病院送り、現在は入院中です(汗)あの竿で28cm抜けますか!?皮肉にも竿の限界が明確に把握できた1年ではありましたが…^^;
撃龍竿、穂先以外全く曲がらないとか!?来年の8月以降に是非披露してくださいね、楽しみにしていま~す^^
Commented by KIKU at 2007-11-28 21:35 x
> あの竿で28cm抜けますか!?
普通の瀬で着いて下がれば抜けなくはないというレベルです。
しかも、どう考えてもキャッチング用の竿であって、返し抜きするには調子的に無理があると思います。
普通に考えれば、25~26cmを相手にするのがせいぜいでしょうね。
ということで、私は釣って楽しいという状況でしか使わない竿です。
気合入れて本気でアユと対峙するシチュエーションにおいては、硬派荒瀬の出番です。
Commented by scott1091 at 2007-11-28 22:37
よっちきさん>
使用しているのは、「GM幻輝 WONDER超硬85」ですよね。持ったことがないのですが、「素材」や「各セクションの長さ」を無視してテーパーだけで判断すれば、メジャーの竿よりはやや先調子。フナヤ・オリジナルよりは胴調子ではないかと。当てになりませんが・・・。

「穂先の硬さと穂持ちバランス」は、「掛かりの良さ(ケラレ・バレの少なさ)」に直結する要因です。どちらもチューブラーですが、穂持ちバランスを無視して穂先を硬くすると、ハリ先が鮎に触れた瞬間に身を薄く掬い、結果としてハリに乗るのに身切れが多発します。イメージ的にはソリッド穂先でおこるハリ立ちの悪さの反対です。

「SLⅡ」の昨年のテストでは、穂先はもう少し細くても良いかなと思っていました。今年使って違和感があれば改良を提案するつもりでしたが、その心配は杞憂でしたね。硬い穂先はおとりに負担を掛けますが、私のように背バリで誘うタイプは穂先は硬い方が操作しやすいのです。

撃龍竿のベンディングカーブは、イメージとしては「SLⅡ」がより「へ」の字に近くなった感じだと思います。撃龍竿にはさらにパワーアップした、黒川さん監修の「K's Virsion」もありますよ!
Commented by scott1091 at 2007-11-28 23:11
KIKUちゃん>
確かにnaoさんの写真はすごいですね。あそこまで竿が入ると、釣っている本人は穂先が掴めるくらい曲がっていると感じたはず。(←経験者は語る(笑))

そうそう、よっちきさんはその「MT急瀬95」を3回折ったんですよ。飯島の三番瀬で・・・。地元の悪いおじさん達に騙されちゃって・・・。普通の○○○では満足できない体になってしまったようです。(笑)

KIKUちゃんは竿を曲げる(胴を使う)のが上手いので、撃龍竿の場合はイメージする曲がりになる前に鮎が抜けてしまうかもしれません。いずれにしても、私も米代本流で25㌢以上を掛けたときのベンディングカーブが見てみた~い。自分では撮れないので、同行者の方によろしくお伝えくださいね!(笑)

ちなみに竿が一番曲がるのは、掛かり鮎が水を切って振り始める瞬間です。KIKUちゃんの「燕返し」ではかなりの曲がりが期待できますが、一瞬なのでカメラでの撮影は難しいです。

>自分の釣り姿見ると、イメージとの違いに愕然とすることが多い私です。
私も違う意味で・・・。「俺ってこんなにデブなの?」って思いました。(笑)
Commented by よっちき at 2007-11-29 19:10 x
あんなシチュエーションであんな鮎を掛けるなんてそうそうないですからね。結構胴に乗る感じがするのですが、フナヤのボスが超硬ハードに似てるかな?なんて言ってましたが、ユウタさんのそれとは全然違いましたね。SLⅡより50cm短い分、13g軽いです。あの竿はどんなカーボンを使っているのでしょうね?かなりバランス良いですよ!
MTⅡは胴に乗せて。。。っていうことで今年は掛けながら胴への入れ方を吟味しながら釣っていたのですがイマイチそのイメージはつかめていないので困ったちゃんになっています。いつかKIKUさんの華麗なる竿捌きを見たいですね!普通にG松橋下流で釣っているとき,EGAOさんもベストな感じだ!なんて言ってました。確かに25~6cmで限界ギリギリ(Qちゃんのデブデブ鮎の場合ね。他の河川のチャラとか細いのなら抜けるかもね)、23~4cmがいいところですかね!
しかしながら、実は超硬を買う前にユウタ・鮎釣りキチさんの剛竿を並べて振ってみるまで胴調子とか先調子とか理解してませんでした。他の竿ならよく分かっているのですが^^;
Commented by KIKU at 2007-11-29 22:36 x
> 確かにnaoさんの写真はすごいですね。
実はあの画像見て驚きました。
あそこまで曲がっていた印象はなかったのですが、釣り人本人が感じてる竿の曲がりを表現できたという意味では、会心の出来でした(笑)

> 地元の悪いおじさん達に騙されちゃって
よっちきさん、3回も折っちゃったんですか・・・。
私の場合、MTで返すのを見てると異様に竿がネジれてるから気持ち悪い、なんて指摘を友人から受けてます。
ということは、何かのきっかけで簡単に逝っちゃうかもしれません。
私も気を付けないと(汗)
とはいえ、掛けてさらに絞ると、グイっと胴に入るあの感覚はタマりません。
そういうこともあって、MT95急瀬抜きは23~24cm平均を狙う際には重宝しています。
それに、そのサイズでさらに硬い竿を使うと、scott1091さんが仰るように、身切れが多発します。
やはり竿はある程度使い分けしないとダメですね。

ところでお二方、私のことをへんに褒めないでくださいよ(苦笑)
なるべく動かず、なるべく速攻で、を心がけていたところ、今の抜きになりました。
モノは言いよう。
要はモノグサの抜きだということです(笑)
Commented by scott1091 at 2007-12-01 00:32
今から来年が楽しみですね!今年はラニーニャで厳冬となる可能性が高いので、それが吉と出るか凶と出るか?今年よりは天然遡上が多い年となることを期待しましょう。

そして竿の話をもう少し。鮎竿の調子を変えずに、長さを長くすることは非常に難しい。メジャーの竿は大抵のシリーズで「90」と「95」をラインアップしておりますが、厳密には同じシリーズでも別物と考えるべきです。かつては「90」に主眼をおいてテストしておりましたが、最近は「95」を主体に開発することが多いようですね。素材の進化でパワーアップと軽量化が進み、「95」を使うテスターやユーザーが増えているのが主たる要因と思いますが、同じ調子を長くするよりも短くする方が難易度が低いのも事実です。

超硬以上の竿に限定して言えば、「85」の使い勝手や性能を「90」で実現するのはとても難しい。ましてや「90」以上になると10㌢長くしただけで別物になってしまう可能性があります。私は同じシリーズの「90」から「93」への転向で、過去かなり失敗をしましたからね!(笑)

その観点から見ると、フナヤ・オリジナルの長さの設定が「88」だったり「925」だったりする理由がご理解頂けると思います。