「フナヤ」さんのプロト・モデルを試用しました

  今回は「フナヤ」さんのご好意により、プロト・モデルを貸して頂きました。私の突然の電話に、快く対応してくださったのはたぶん奥様。念のため電話の内容をメールすると、ご丁寧に返事を頂きました。また、お願いしていた土曜日の夕方、友人とともにお伺いすると、宮永店長が各モデルの開発意図、仕様について丁寧に説明してくださいました。この場を借りて「フナヤ」の皆様に、御礼申し上げます。

  さて、私が今季の釣行で試用をお願いした理由は以下の3つです。とくに①、②については、2月の「国際つり博」で、メーカーの新製品を振ってみて経験されたことがある人は多いはずです。
①「しっかりした鮎釣りの感触・感覚」があるうちに試用したい
②「高弾性カーボン」や「塗装の薄い」ロッドは、振り調子では竿のパワーを錯覚しやすいので実際に試用したい
③超硬、超超硬のロッドは、「今のサイズの鮎」で試用したい

  そして数ある「フナヤ」さんのオリジナル・ロッドで、貸出しをお願いしたのは、今季発売した「SUPER LIGHT超硬90(以下、超硬90)」と、来季発売予定の「SUPER HARD超超硬925(以下、超超硬925)」の2本。「超硬90」は現在使用しているダイワ「硬派剛強瀬」の代替として、「超超硬925」は現在保有している超超硬は85なので、体力的に可能であれば少しでも沖を挿せる長竿が欲しいという目的からです。したがって気に入れば、両方とも購入する意気込みなのです。
f0103126_2275541.jpg

↑真剣に竿見をする方々。皆様の評価はいかがなものでしょうか?

  以下は各モデルの感想です。私個人の感想ですので、人によってまったく違う感想を待たれる方もいらっしゃるのを前提にお読みください。試用した竿は全てプロト・モデルなので、実際に販売されるものと塗装などで仕様が異なります。またオリジナル・ロッドは、価格的に十分リーズナブルですが、「この価格なら十分に良い」といった評価ではなく、自分の理想を前提にした評価なのでご注意ください。(←自分が気に入れば、メージャーと同じ価格でも購入するという意味です) 

f0103126_2214338.jpg

↑今季発売された超硬90。最終製品は赤の塗装が施された

★「SUPER LIGHT超硬90」
☆使用場所:北島橋カミ
試用した場所は水深が腰から胸くらいまでの場所で、立ち位置は流れの真ん中。腰までなら漕ぎながらカミにあがれる程度の流れです。
☆鮎の大きさ:22~25㌢
☆実釣尾数:掛けた尾数22/取り込み尾数18
☆感想:
  自重300㌘。持った感じもやはり軽いです。高弾性特有の振り調子は硬いですが、高弾性ながら軽量化のためカーボンの巻きに厚さがないので、実際におとりを引いた感覚はやはり厚みのあるロッドほど安定感はありません。しかしそのレベルは、「剛強瀬」と大差ないので、300㌘以下の超硬ロッドとしては限界レベルなのでしょう。また風でシモから風が吹き上げ、おとりを急激に曳かないように手元を押さえ込むと、竿先から胴にかけてS字を描く感じは、両竿とも同じレベルです。

  前回この場所で「剛強瀬」を使ったときの成績は23尾掛けて13尾の取り込みなので、今回のロッドでの取り込み率は単純比較ではかなり高いことになります。今回の方がサイズがやや小振りで、天候などの条件も違うので単純には比較できませんが、この違いはどこにあるのでしょうか?

  この答えはたぶん穂先。「剛強瀬」よりもかなり繊細な穂先なので、ハリ立ちのときに穂先が送り込まれることによってハリが深く身をすくうことが予想されます。しかしこのメリットの反面、穂先の柔軟性が感度を犠牲にしているのも事実です。
(一緒に釣ったEgaoさんは、穂先の先端にソリッド入れています。途中から同じスジに入ってきた穂先の太い人は、かなりバラしていました。)

  おとりを曳いている段階では、「フナヤ」さんの狙いどおり先調子感が出ており、「硬中硬クラスの先調子を超硬ロッドで実現(超硬=胴調子のイメージを払拭)」したかったという意図が現れています。

  鮎を掛けてからのパワーは、やはり不足感は否めません。それと掛かり鮎を返したときに3番にダヨン(Egaoさんの表現ではボヨン)とした感じがあり、結果として私のような未熟者では、返した鮎の振幅を減衰する際に鮎が跳ね上がります。またこれも3番による影響と思われますが、カミに返した掛かり鮎を寄せる際や、大きなおとりで逆バリを確認するため手元に寄せる際、うまく糸を掴めないことが結構ありました。これらは使い込むことによってかなり解消できるものと思われますが、きれいに返せるようになるにはかなり技術が必要な感じです。

  ではカミに返すのではなく、タモ受けしたらどうかというとこの竿はいけます。カミに返した後、糸を取りそこなった鮎は全てタモ受けしました。また口掛かりの鮎も全てタモ受け。先調子なので、抜いたときの方向性もとてもとりやすくできています。

  私の感想はタモ受けに徹するなら、今のままでも問題なし。カミに返すのであれば、少し重量を上げて2~3番を補強(巻きを厚くするか、元竿~6番の切りを長くすることで、2~4番の切りを短くする)する。

  しかし作っている「フナヤ」さんは全て承知の上で、300㌘に収めるというジレンマの中で選択した結果と思われます。超硬ではありますが、九頭竜以外でも汎用性は高く、狩野川でも十分使えるロッドでした。

  それとこれは最終製品では改良されていると思いますが、尻栓が頻繁に緩むのには困りました。私の持ち方に問題があるのかもしれませんが、午前中だけで4回締めなおしました。最近の尻栓はネジ山のピッチが大きく、軽量化のためネジ代が小さいので、緩んだのに気づかないと、釣っている最中に「ポロ」もありえます。今回のプロトはOリングも入っていなかったので、その影響もあるかもしれません。

f0103126_2221786.jpg

↑完全なプロトなので無塗装状態。どんなカラーになるか今から楽しみ!

★「SUPER HARD超超硬925」
☆使用場所:北島橋カミの岩盤瀬
☆鮎の大きさ:24~27㌢
☆実釣尾数:掛けた尾数6/取り込み尾数4
☆感想:
 まず最初の印象は元竿が短くて太い。これはコロガシ竿か、というのが第一印象。完全なプロトなので無塗装の状態です(←実際は薄く塗装されています)。振り調子もビンビンで、肉厚もありますが竿ダレはありません。自重は予定で350㌘。「こりゃ俺の非力じゃ重て~よ」なのですが、実は私、前々から今使っている超超硬85(自重340㌘)と同じ調子が出るなら、90で自重350㌘でも欲しいと公言しておりました。このロッドは同じ重量で25㌢長い925。350㌘の自重と持ち重り感を実感するためにも絶対に試用したかった1本なのです。

 この竿も「フナヤ」オリジナルに共通して穂先はかなり繊細(←あくまで全体のバランスからの比較ですが・・・)。鮎を曳いたときの穂先の曲がりが良い感じ。逆の表現をすれば、穂先以外はほとんど曲がりません。25㌢の鮎をつけるのにためらうものはなく、おとりをつけない時点では5号玉などついていない感覚です。試用時は風が弱かったこともあり、思ったほどの持ち重り感はありません。しか~し、風が吹くと太い分風切が悪いので、かなりの負荷が掛かることは想像に難くありません。

 掛けるまでの感想は、かなり穂先の曲がりに気をつけていないと、普通の竿の感覚でおとりが入っていると思っても中層や表面を曳いている可能性があります。今回も水面でおとりがサーフィン状態になったのに、すぐに気が付きませんでした。しかし竿の感度は良く、錘が石にあたる感触は伝わってくるので、竿に慣れてくれば解消する問題と思います。

 こんな感じなので、25㌢クラスのおとりでもまったく気にならずに曳けます。そして竿先しか曲がらないので、ややシモ竿気味で曳けば、925の長さがフルに活かせます。この長さはとても魅力。メジャーにいくらでも長い竿があるではないかというご指摘もあると思いますが、あのダヨン調子ではシャープな返しが決まらないし、曳き感度も最悪なのです。

 さていよいよ掛けてみた感想ですが、はっきり言ってこれを述べるには釣った尾数が少な過ぎます。しかしあえて記載すれば、この竿を使う場合は仕掛けをワンランク・アップした方が良さそうな感じです。竿の角度を維持するだけで、通常のロッドよりもかなりの負荷が鮎に掛かっています。抜く感覚は、竿を絞っていくというよりも、竿の角度を維持するという感じです。返しも穂先以外は硬いので、大きな鮎でも体に近く振っても水面でバウンドする心配もなく、結果として大きく振る必要もないことから、振幅減衰のための切り返しもコンパクトで済みます。
 この竿、返しがうまくなったような感覚を持たせるほど、九頭竜返しにこだわった調子です。竿を返却する際、この竿の開発にあたってアドバイスを受けている人は、坂東島や北島を漁場にしている職漁師との話をお聞きました。つまりこの竿、職漁師さんのためのロッドということ。使いこなせる人は九頭竜でも、そう多くないとの印象です。九頭竜の腕自慢の方には、ぜひお勧めのロッドですね!
 なお、今回お借りしたプロトの5、6番をさらに補強する予定とのことでした。この竿については、九頭竜以外で使用する川は思い当たりません。

 以上が今回お借りしたプロト2本の感想です。

 私の九頭竜での釣りスタイルは、3号以下の錘で釣る場所は背バリ主体。それ以上であれば錘を使い、おとりを流芯に入れるためなら錘を何号でも追加します。取り込みも掛けた場所やハリの掛かりどころで、返しとタモ受けを臨機応変に使い分けます。このスタイルですと、やはり荒瀬の錘曳き釣りのみに的を絞った竿(超超硬925)を使用しますと、選択肢の少なさから場所にこだわり過ぎて、一日の釣果は確実に落ちると思います。

 私の率直な意見は、「SUPER LIGHT超硬90」の2~3番を補強したロッドが欲しい。それで多少重量が上がっても、返したときの3番のダヨン感が解消するメリットのほうがはるかに大きい(また、感度も今より向上するはず)。
 背バリで軽快に鮎を誘い、流れが重くなれば迷わず錘を使う。この間の竿の使い勝手は変わらず、抜き、返しの選択も躊躇がない。そのためにもパワー・タイプの2~3番を別料金でオプション設定して頂けると良いのですが・・・。釣り人の意見は千差万別。しかし無理を承知で、ご検討頂けるとうれしいです。

by scott1091 | 2006-09-12 22:09 | フナヤオリジナル | Comments(0)