今週も雨の週末…

ショボ雨程度であれば、ハッチも期待できるし人も少ないし・・・。

そんな軽い気持ちで支度をしていると、「雨がかなり降ってますけど・・・」と妻。「なぁ~に、いわゆる春雨でしょ」などと高を括って出発しましたが、フロントガラスを叩く雨はいわゆる激雨。これくらい降ると、濁りが入るのも時間の問題でしょう。

この雨でも濁りが入らず、エスケープルートが確保されている場所。頭の中にいくつかの沢が思い浮かびますが、ちょっと走っている方向が違うぞー。どうせ違う方向に来てしまったのなら、新しい沢を開拓するため行ったことがない水系を目指します。

初めて走る林道は緊張の連続です。普通でも暗いのに、雨の日は尚更のこと。おまけに着実に進行している老眼で、手元の地図がよく見えません。スタックしないよう四駆ではありますが、道はぬかるんで車はドロドロ・・・。それでも道なき道を進むと、すっかり沢から離れてしまったり。

二つの水系を探索すると、時計はすでに正午を回りました。雨脚には強弱がありますが、一向に止む気配はありません。水系によってはすでに濁りが入ってきているので、朝とは違ってすっかり弱気モードになります。しかしここで帰ったら、いつ釣りができるかわからないのがウイークエンド・アングラーです。
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↑ホワイトデーは「アンテノール」のラウンドケーキ。生クリームが軽めで見た目よりもあっさりしています

気を取り直して、ほとんど濁りがない水系を見つけて入渓します。まずは魚の反応を確認するため、なるべく水の少ないアッパーセクションを遡行します。濡れてまとわり付くティペット、フライ交換のときに苦慮する老眼、濡れて沈むフライ。私の釣りを邪魔する障害と格闘しながらも、以外に快適な釣りができました。

これも2年前に新調したウエーダー「SIMMS HeadWater」のおかげでしょう。「SIMMS G3」の方が丈夫ですが、太腿までゴアテックスが5レイヤーでは、山岳渓流では疲労が半端ではありません。藪こぎのときは注意しなければなりませんが、「HeadWater」も太腿までの前面は5レイヤーなので、目下のところピンホールレベルの水漏れもありません。

「G3」のようにフロントポケットをベルクロではなくジップにして、内側にシンプルなカンガルーポケットをつけてくれると申し分ないのですが、これはコストの絡みもあるのでしょう。それと強度の問題なのでしょうが、どこのメーカーもシムスと同じように、ソックス部分のネオプレーンのカットパターンが、足裏から踵までが一枚ものになっています。

山岳渓流では思った以上に足首を使うので、足首にくびれができないとローカットのシューズはフィット感がいまひとつ。ハイカットのシューズであれば足首までがっちりホールドするので問題ないのですが、ヘツリなどで靴の向き修正するのに、膝と股関節だけに頼るのはシビアなケースではかなり怖い。動きがまるでロボットみたいですしね~!
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話が思わぬ方向にそれてしまいましたが、土曜の釣りの続きです。アッパーセクションとはいえフィッシング・プレッシャーはかなり高いようで、フライを咥える直前で反転したり、フライを見に来てパニックになって逃げる魚が多いこと。この最大の原因は、見た目ではわかりにくいマイクロドラッグ。この天候でこのような状態なので、ピーカン渇水となったら私のようなアームでは手も足も出ないでしょう。

こんな土砂降り中で釣りをする人は少ないので、次はミドルセクションを釣ります。アッパーセクションよりも濁りが強いですが、問題ないレベルなので遡行します。水量が多い分ごまかしがきくので、それなりにフライに出ます。しかし思った以上に空振りが多いのは、フライを咥えていない証拠。3週目にして、だいぶ動体視力が戻ってきました。

水量が多くてもシビアであることは変わりなし。特に「巻き」で下流を向いている魚は、本当に難しい。雨が降って水量が多いので、そういう場所にはバブルが渦を巻いていますが、フライがバブルの動きより気持ち遅くれるだけでもGone。魚が見えない人には、この一部始終は魚がいないという結論になります。

ストーキング、立ち位置、リーチ、フィリッピングが完璧に決まって初めて手中にできる魚。この日は6寸クラスまでしか釣れませんでしたが、この試行錯誤がいつか報われる日が来るもの。谷の魚は水量が少ない分だけナーバスなので、甘くはありません。
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↑竿を継いだまま車の中に。8フィートより長い竿を使わない最大の理由だったりします

翌日も午後から雨の予報です。前日下見した水系の一方を目指します。初めての沢なので無理は禁物。なるべく動きやすい身支度にして、雨に備えて最初からカッパを羽織ります。このカッパには背中に「D環」が付いているので、日ごろは持ち歩かないネットもぶら下げて・・・。一見すると、久々にフライマンのようないでたち。

石の色から判断するとまだ水が高いですが、フライでも勝負できそうな感じ。初めてなので丁寧に釣り上がりますが、しっかりフライを流した場所から走る魚影を見逃しませんでした。少ないながらでも魚がいることがわかってまずは一安心。この水系もフィッシング・プレッシャーは高いようで、フライの下で反転する魚も多い。

思ったよりも大場所が多く、水深があるのでフライに反応する魚は少ない。しかし小型のストーンフライや中型のメイフライもチラホラ飛んでいるので、場所によっては浅場や中層に定位している魚が期待できそうです。

そんな場所で、今季最大の9寸。痩せた魚体ですが、全てが完璧にできて釣れた魚なので大満足。これでこの日は終わったようなもの。痛恨のチョン掛けもありましたが、一番大きい魚はしっかりと決めたので良しとしましょう。
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↑厳しい冬を越した9寸。巨大な頭と発達した尾鰭、魚体に残る古傷が印象的

そしてまたちょっとした大場所に到着。左手に大岩が二つ。下側の岩のシモに大きな「巻き」。上側の岩にも小さな「巻き」。下側の「巻き」はあまり水深がないので、魚がいれば必ずフライに反応するはずです。流芯はかなり早い流れなので、これをかわさないとあっという間にドラッグが掛かってしまうので立ち位置が難しいところ。

流芯をフィリッピングでかわせる距離まで近づけば、魚に警戒されて確実にGoneでしょう。また両岸が切り立っているので、魚に気付かれないように上流に回り込むのは不可能。暗くて魚は見えませんが、何ともいえない気配を感じます。大きい魚であれば残っている理由があるので、間違いなくチャンスは1投のみ。

できるだけ姿勢を低く保てるよう、一段下に立ち位置を決めます。そして今までさんざ繰り返してきたように、1回のフォルスキャストでメジャーリングなしでリーチキャスト。フライとリーダーがドンピシャのラインに乗り、フライが狙ったスポットに入るまでの距離は30㌢。私のシステムでナチュラルドリフトできるギリギリ。スローモーションのように、バブルと同化したフライがスポットに流れいていきます。

そしてバブルが微妙に揺れた次の瞬間、水面下で反転する魚体。ラインにスラックが入っているので、大きく、そしてゆっくりとアワセると魚の重量感がゴンゴンと伝わってきます。魚はまずは上側の大岩のエゴに突進。一瞬魚の動きを感じなくなりますが、石に張り付いた魚を引き出すことに成功。そこでしばし魚と引っ張り合い。
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エゴに潜りきれないと判断した魚は、次は一気に私の前にある瀬落ちへ。これをかわすため、一気に上流側にポジションを変えます。そして瀬落ちの前には大きな沈み石が三つ。しかも二つは浮いていて、その隙間に潜り込もうとしている魚が見えます。この間を潜られたら、いずれにしてもThe End。ティペットの強度を信じて、「G2 772」を限界まで絞ります。

沈み石付近で、魚体をくねらせて抵抗しているのが見えます。これを何とか凌ぐと、次は一気に白泡渦巻く壺に突進。幸いにも沈み石がなかったようで、これも無事かわしました。魚が徐々に弱ってきましたが、この場所には魚を引きづり上げる浅場がない・・・。しかしこの日は得意の第六感で、ランディングネットを持っています。これを使って無事ランディング。

さて、この手の大きな魚をリリースするときの注意点を一つ。山岳渓流でヤマメやアマゴを浅場から自力で泳がせると、大抵の場合は下ってしまいます。したがって元の場所に確実に返すには、その近くのエゴや深場に投げ込んで上げましょう。注意点は、投げ込む前にしっかりと泳げる状態であることを確認すること。乱暴なリリースと思われるかもしれませんが、魚のことを思えばこの方法が一番です。

危険な目にあったヤマメやアマゴは、一度下ると元の場所には戻らず、さらに下りながら同じ規模の棲みかを探すことが多いのです。そのような場所が滝壺だったりすると、餌釣りで簡単に釣られてしまうもの。大きくなるまで生き残れた理由が必ずありますので、皆様もご協力をお願い致します!
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by scott1091 | 2012-03-18 23:19 | フライフィッシング / 渓流・湖 | Comments(0)