ヤエン考!

久々のテクニック編です。友釣りやフライのように、テクニックを語るほどの経験がありませんが、ヤエンを初めて5シーズン目を迎えた現在、どのようなことを考えていたか備忘のために記録しておきたいと思います。経験豊かな方は、温かい目でご笑覧くださいませ!006.gif

さてヤエンは道具を工夫するのが楽しいということは、今まで何度か書いてきました。リールの改造や穂先ライト、ヤエンの灯りなどはもちろん、ピトンなどの金具類も独自のシステムを構築すると楽しみは尽きません。しかし今回は、ヤエン釣りでもっとも重要なヤエン本体について、今現在の考え方をまとめておきたいと思います。
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↑もっとも購入しやすいパーツ類。今となっては不用品ばかり

まず、アジを抱いているアオリをヤエンにどのように掛けるかですが、これをどのようにイメージするかで、ヤエンの設計思想が大きく変わってきます。市販されているヤエンを前提に一般的なものを紹介すれば、大体以下の三つに分類されると思います。

①ヤエンが到達してからアワセる(寄せる)ことでハリ立ちさせる
②ヤエンが到達してから、ラインを緩めることでヤエンを跳ね上げる
(↑滑りのよいヤエンだと逆戻りするのでストッパーが必要か?)
③ラインの途中に止まった(止まってしまった)ヤエンにアオリを寄せてくる

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↑「ハンダこて」の違いを検証するため、高価な「セラミックヒータータイプ」も購入しましたが、今は最初に買った安価な「ニクロムヒータータイプ」を使っています。ヤエンは電子部品のように温度設定が必要ありませんし、仕上がりも変わりません

しかし②については水中映像を見るとわかるとおり、想定したようにはヤエンが跳ね上がりません。これは水中では思いのほかライン抵抗が大きいため、ラインを緩めてもヤエンの自重くらいでは後部があまり沈み込まないためです。

③は重すぎたり、第一支柱と第二支柱の高さの差が大きいヤエンや、極端な前上がりバランスのヤエンに多いケースです。アオリよりも深いところにあるヤエンは跳ね上げた状態に近くなるので、この状態でアオリを寄せるとフッキング率は高くなります。しかしこの方法の欠点は、ヤエンまでアオリを寄せられなければ勝負になりませんし、寄せて掛けるという点では①と同じです。したがって私はこの三つであれば、行き着くところは①に集約されると考えています。

ここで三つであればと断ったのは、もう一つ方法があると考えているからです。それはヤエンがアジに到達するとほぼ同時に、ハリ掛かりさせる方法です。私はこの方法をベースにヤエン作りを考えており、アワセを入れないのもまさにこの設計思想によるものです。
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↑初期に作った「シングル松葉」。ヤエンを跳ね上げるために松葉を採用

では具体的にどうするかですが、前提として私はハリ掛かりが腕でも、ヤエンが外套幕や漏斗に突き刺さってもよいと考えています。つまりヤエンが到達すると同時に、ハリがアオリのどこかに接触する。これに驚いてアオリが逃げればハリ掛かりしますし、もしアオリがまったく動じない場合でも、寄せてくることでハリがしっかりと掛かる。こんなヤエンを理想としています。

この理想をベースに現在も試行錯誤しているのですが、いくつか外せない要素が絞り込まれてきました。それを列記すると以下のようになります。

(A)腕掛かりを確実に獲り込むにはハリは小さい方が有利
(B)小さいハリをアオリに必ず接触させるためには跳ね上げ式構造が必要
(C)水中でヤエンを確実に進めるにはローラーが不可欠
(D)ヤエンの先端をアジやアオリにぶつけないためにはダブルヤエンが有効

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↑軽く仕上げるためにハンダは薄く。力の掛かる場所は銅線で補強します

これらを個別に解説すると、まず(A)は腕に限らず、ハリが大きいほど1本しか掛からない確率が高くなります。これはハリが大きいほど、同じ角度であればハリ先の間隔が広くなるからです。また大きなハリほど軸とハリ先に距離があるため、「梃子の原理」でハリが立つときに軸が曲がることになり、不安定感が増します。これが原因でハリが刺さらなかったり、身を薄く掬ってしまうケースが発生しますが、ハリが小さいと軸のたわみも少なく、またハリ先の間隔が狭いことから、複数のハリが刺さる確率が高まります。

次に(B)についてですが、ヤエンの先端をアジやアオリの腕にぶつけないためには、第一支柱にある程度の高さが必要です。またヤエンの滑走速度を考えると、第二支柱との長さの差もあまり大きくはできません。そうなるとハリは大きい方がアオリに接触する確率が高くなりますが、小さいハリを使うとなると、ヤエンが到達した衝撃でハリが少しでも跳ね上がる構造が必要です。
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↑最適な支柱の高さを探るべく作った「ダブル松葉」。ハリの高さを調整できるよう「V字」構造を採用。このヤエンで掛け率がかなり向上しました

(C)については、ローラーは沖掛けでは必需品です。これは空中での滑走速度が非常に速いためですが、実は水中ではローラーの抵抗もあってさほど早くは進みません。しかし少しの角度があればゆっくりでも進むことが重要で、アオリを寄せてくるスピードも相まって、それなりの速度でヤエンはアジに到達します。到達と同時にハリ掛かりさせるには、この勢いが重要だと私は考えています。

最後に(D)ですが、前述のように小さなハリでアオリにハリを接触させようとすると、跳ね上げ式でも跳ね上がる高さに限界があるので、第一支柱を極力短くしたい。またバランスをほぼフラットに設定すると、シングルヤエンの場合は、餌のアジやアオリの腕に、ヤエンの先端がぶつかってしまう確率が高くなります。しかしヤエンがアオリの腕の下に入らないとハリは掛からないので、軸がアジや腕をすり抜けるにはダブルヤエンの方が有利であることは明らかでしょう。
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↑その名も「ヤエン工房」。私には不要なものでした007.gif

このように絞り込まれた4点を満たすようなヤエンが理想なわけですが、空中と水中では抵抗が大きく異なり、また真水と海水でも比重や粘度が異なるため、思ったようにはいきません。構造を複雑にするとトラブルが多くなりますし、稼動部が多くなると海中では思ったように作動しません。

こんなことを「あれやこれや」考えるのが、またヤエンの楽しみの一つなのですが、今まで書いてきたとおり、ヤエンの設計思想で釣法そのものが変わってきます。したがってヤエン釣りも突き詰めていくと、人によって最良の道具仕立てが異なることになります。
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↑ハンダ付けの作業台は「タイル」1枚でOK。フラックスを塗るときは筆を使うと便利です

私の場合、メーカーが「ヤエン用」と謳う竿やリールは使っていません。これは専用のものを使ってみての結論なので、今の釣法が変わらない限り揺らぐことはないでしょう。これを読まれた皆様も、ぜひ試行錯誤してみてください。ヤエン釣りがもっと楽しくなること請け合いですし、脳の活性化にも有効です!

最後に但し書きですが、私はフライと鮎をする関係で春~夏イカはやりません。この時期は海藻が伸びてきますし流藻も多くなるため、ダブルよりもシングルの方がヤエンを送りやすい状況が多くなります。したがって私も春~夏にヤエンをするのであれば、状況に応じてシングルヤエンも必要と考えております。

現在使っているヤエンの名前は「スペシャルD」。「D」はダブルヤエンを意味しているので、シングルヤエンを開発したときは「スペシャルS」となります。001.gif
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↑「スペシャルD」を作るための工具。パーツ数が多いので、作業効率を考えて5個セットで作ります

続・ヤエン考/小バリの勧め!」もご参照くださいませ!006.gif

by scott1091 | 2012-02-16 21:47 | Technique | Comments(3)

Commented at 2012-02-21 22:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ワカバ、、 at 2012-02-21 22:53 x
P.S.先週の失敗談、ピトンの打ち方がいい加減だったのか、アオリが乗ったときにあせってぶつけたのか,おろし立てのルネッサデアイアルを置いて手を離してちょっと経ったとき、スローモーションのようにピトンごとロッドが倒れました、海中に水没は免れたものの、テトラのコンクリで手元部分に激スリキズ!!今後の教訓とするため、このままで使い続けますッ!(というか元竿だけで、購入価格とほぼ同じだし、再塗装なんて難しそうだし、保障は効かないし、ガマンして使うしかありましぇ~ん!)
Commented by scott1091 at 2012-02-22 19:57
ワカバさん、こんばんは!
ヤエン釣行3回にして、新たに竿を2本目ですか~?(@_@;)
もう完全に病気でしょう。(`∀´)ニヤニヤ…

私は穴が浅いときは、ピトン打ちませんよ~。ご一緒したとき、ワカバさんが使った穴もしかりです。特に鉛が詰めてあると一時的には止まりますが、すぐに緩んできます。あの手の穴を利用する人は、道具に傷がついても気にしない方が多いのでしょう、きっと。

前回買った安い方の竿であればよかったのにね。私くらいの頻度であれば、失敗は2シーズンくらいで落ち着くと思います。まぁ~子供が小さいうちは、釣りはほどほどに。奥様に恨まれたくありませんから~!