鮎竿のお手入れ編!

すでに竿を納めた人も多いと思いますが、NP工法の竿の手入れで悩んでいる人も多いと思います。そこで今回は、私の手入れ方法を紹介します。サンテック製の竿は全て同じだと思いますが、この方法でトラブルがあったなどのクレームは受けられません。メーカー推奨はあくまで「水洗い&陰干し」なので、試す場合は自己責任でお願い致します。

まず竿を川に漬けて洗う人を見かけますが、これは止めましょう。いくら水が澄んでいても、川の水には必ず砂が含まれているからです。同じ理由から、九頭竜川などでは一般的な流し竿も極力しないようにしています。もちろん、竿を畳むときにジャリジャリするという場合は川で洗った方が良いですが、私はそのような状態になることはないので、最初にお断りしておきます。

竿は屋外で使うものなので、使用中に埃が付きます。特に川原を車が往来する川では、肉眼でも付着した埃が確認できると思います。このような場合は竿を仕舞うときに拭き取るのがベストですが、私は車に戻る前に竿を畳むことが多いので、気になるときには素手で軽く払いながら収納するようにしています。この状態で家に帰ったら翌日釣りに行く場合でも、必ず車から降ろして手入れをします。
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鮎竿は少なからず濡れていることが多いので、節を抜いて乾かすのは誰でもすると思います。私は以前は、このとき必ず水洗いをしていました。しかしその作業で竿をぶつけたり、作業中に竿が倒れたりするリスクがあるため、今は節を抜いて軽く水拭き&乾拭きして、上栓と下栓は水洗いしています。

このときに使う布がポイントで、私は㈱ティムコの「サイトマスターレンズクロス(3M Microfiber Cloth)」を使っています。これはもともとメガネのレンズ拭きで、超極細繊維をパイル状に織り込んだ高密度繊維で、表面に付いた埃などを吸着する能力も高く、傷つけること無く拭き上げることができます。他には車のフッ素コーティング用に開発された、プラモデルで有名な㈱ハセガワの「零三式 多目的クロス(東レ マイクロダスター)」などもお勧め。

メガネを掛けている人はよくご存知だと思いますが、ティッシュやタオルなどでレンズを拭いていると、レンズに細かい傷が付きます。これはティッシュやタオルの素材そのものが硬いことと、レンズの表面に付いた埃などを、拭くことでレンズに擦り付けてしまうからです。したがって水で洗い流してから拭くのがベストであることは間違いありません。
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↑左から「サイトマスターレンズクロス」、「一般的なメガネ拭き2枚」、「零三式 スーパーポリッシングクロス」

そこで私はこの布を濡らして各節を2回軽く拭き上げ、さらに同じ布で乾拭きしてから内部を干すようにしています。節の中にも埃が止まっている可能性はありますが、竿の外側ほど多くはないので、通常の手入れでは中まで拭くことありません。

そして一カ月に1回くらいの頻度で、水洗いをします。布などは使わず、外側はシャワーで水を流しながら素手で洗い、中は水流のみで流します。洗い終わったら外側の水滴は乾いた「サイトマスターレンズクロス」や「零三式 多目的クロス」で拭き取り、内部に付いた水滴は振って飛ばすようにしています。

毎回水洗いしないのは、この内部の水滴を飛ばす作業が危険だからでもあります。鮎竿は節の長さが他の竿よりも長いので、天井や予期せぬ場所にぶつけて、折ってしまった人も多いと思います。外側が乾燥したら、次に玉口のクリアー塗装の摺れによる曇りを防ぐため、この部分だけフッ素コーティングします。
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コーティングに使うのは「ボナンザ」の「ミストタイプ」か「ムースタイプ」。コーティングするのはクリアー塗装されている元竿と玉口のみで、NP工法部分やジョイント部分には使いません。この理由は、ジョイントはコーティングの厚みにより、嵌合具合に僅かに影響がでること。そしてNP工法部分については、そのままでも十分撥水性に優れ、ラインの纏わり付きも少ないからです。もちろん好みで、NP工法部分をコーティングしても問題はありませんよ!

前述のように私はジョイントには使用しませんが、「ボナンザ」をジョイントに使うと、布が黒くなります。これがダイワの「エアグロスフィニッシュ」に「ボナンザ」は使わないほうが良いという由来だと思います。拭くことで表面が削れているとは考えにくいですが、カーボン素材から色が出ているのは間違いないので、無塗装部分には使用しない方が無難でしょう。

このコーティングのときに使用するのは、㈱ハセガワの「零三式 スーパーポリッシングクロス」です。この布も超極細繊維を使用した高密度繊維で、適度に液剤を含むので均一にコーティング剤を塗布するのに適しています。
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ちなみにNP工法は、カーボンシート(プリプレグ)をマンドレル(芯金)に巻きつけるときに使うテープが表面に蒸着しているため、無塗装といえどもカーボン素材がむき出しになっているわけではありません。ボナンザを使っても、ジョイント部分のように布が黒くならないのは、そのような理由によるものです。したがって通常の使用や手入れで、カーボン素材が削れたりするようなことはありません。この点を誤解している人が多いので、補足しておきます。

新品の竿を購入すると竿の内側にカーボンの粉が付着しており、静電気で内側の節の塗装面にも付着していることがよくあります。この粉はシートを巻きつける前のマンドレルや、塗装前のブランク保管中に付着したもので、竿本体から出たものではありません。私はこの粉がジョイント部分に悪影響を及ぼすと考えており、使う前に必ず中拭きをするようにしています。

この粉は水洗いや、ティッシュを通したくらいではきれいに除去できません。したがって使用するたびに、少しづつ内側の節の表面に付着します。私はこの内拭きには「零三式 スーパーポリッシングクロス」を、各節の内径に合わせてカットして使っています。

竿によっては、布が真っ黒になるほど付着することもあります。内部を見て、表面が鏡面状になっていればOK。この作業は、シーズン終了時に竿を仕舞うときにも必ず実施しましょう。これは水洗いでは取れなかった汚れが付着しているからです。
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↑今シーズン出番のない竿から片付けていきます。残るは「征龍竿EM」、「龍星☆竿」、「翔龍竿(プロト4)」

ポイントをまとめると、

①NP工法部分とジョイントは、水拭き&乾拭きのみ
使用する布は「サイトマスターレンズクロス」や「零三式 多目的クロス」に準じたもの

②フッ素コーティングはクリアー塗装が施され部分だけ
好みでNP工法部分をコーティングしても問題はありません
使用する布は「零三式 スーパーポリッシングクロス」に準じたもの

③購入時とシーズン終了時は必ず節の中拭きを
使用する布は「零三式 スーパーポリッシングクロス」に準じたもの
詰まらないようサイズに合わせて切って使うこと
穂持ち(2番)は細いので無理にしなくてもOK


以上です。

これ以外に節落ちを防ぐため、フェルール・ワックスを使う人もいますが、私はジョイント以外の竿の内側にも付着してしまうこと。またワックス部分にゴミがつきやすいので使いません。しかし使うことで、ジョイントの磨耗が防げるという利点もあります。

節落ちは玉口の欠けなどにつながるので、落ちる前に違和感に気がつくのがベストですが、昼食時に竿を畳むようにすれば、多くの場合は防げると思います。それでも落ちるようであれば、午前1回、午後1回確認する習慣を付けるとよいでしょう。

今回紹介した布はあまり一般的なものではありませんが、メガネ拭きや洗車用のものを転用すれば十分なので、タオルやティッシュを使っている人は、「メガネ売り場」や「カー用品売り場」を探せば、もっとお買い得のものがあると思います。探してみてくださいませ!

by scott1091 | 2011-10-19 20:55 | Technique | Comments(5)

Commented by inakanoturisi at 2011-10-21 21:41 x
>無塗装といえどもカーボン素材がむき出しになっているわけではありません。

そうなんですか!初めて知りました。
次は躊躇なくNPの竿を選べます!!
Commented by scott1091 at 2011-10-23 06:37
NPはノンペイントの略なので、ブランクに塗装がなされていないのは確かです。したがってぶつけたり、砂をかませたときの強度は、やはり全クリアー塗装の方が素材に傷が達しにくいのは間違いありません。

鮎竿は、カーボン弾性が高いほど折れやすくなります。そしてNP工法や金属コーティングは、そのメーカーのハイエンドモデルに使われることが多いので、同じ使い方をすれば、当然ながら中級モデルよりも折れることになります。

鮎釣りを始めて4年目ということですから、ここら辺を踏まえて、竿を選ぶことをお勧めします。

Commented by inakanoturisi at 2011-10-24 22:02 x
TOMOさん今晩は

ありがとうございます。

実は今シーズンSLⅢを購入したのですが、SLⅡとずいぶんまよいました。昔ブランクスを買ってきてロッドメイキング(ルアーロッドですが)をした経験から、塗装やコーティングがキズを押さえるのにいかに重要かはわかっているつもりでしたので、ずいぶん悩んだんです。
もちろん最初は長竿になれなくて落としたり、砂かみさせたりでずいぶんキズをつけたのですが、今の竿を使い出してからはブランクスに達するようなキズは付けたりはしてないので、思い切ってSLⅢにしました。
釣果は・・・
一番最初に掛けたのは、30cm近いウグイ(涙)でした・・・
最上川と米代川で使ったのですが、24cm止まりで竿の性能を引き出すような魚は釣れませんでしたので、来年のお楽しみかなと。

後は急瀬程度の竿が欲しいなと思っていて、小銭貯金をしつつ物色しています。ハイエンドクラスの竿を扱えるよう今の竿でもう少し修行をしてからかなとは思ってますので、少し先になりそうですが。

Commented by scott1091 at 2011-10-25 21:57
inakanoturisiさん、こんばんは。
すでに「フナヤオリジナル」のユーザーだったのですね!

先のコメントは、大手メーカーを前提にしております。したがってフナヤオリジナルのように同じモデルに「全クリアー塗装」と「NP工法」があるのであれば、性能を優先するなら「NP工法」を選択するのが必然でしょう。「SLⅡ」を「SLⅢ」にマイナーチェンジしたのもそんな理由ですから・・・。

もともと「SLⅡ」は私の特注仕様が製品としてリリースされたものですが、私の「SLⅡカスタム」は元上(7番)から上はNP工法になっています。この竿は2007年から使い始め、昨年までに尺鮎を含めて1,088尾釣りましたが、折損は一度もありません。この実績を踏まえて、「超硬」クラスでもNP工法で問題ないとの判断から「SLⅢ」が今年リリースされました。

私の「SLⅡカスタム」を使った友人が、自分の「SLⅡ」のクリアー塗装を剥がしたくらいですから、「感度」と「持ち重り感」は「SLⅡ」と「SLⅢ」ではかなり違います。極端な表現をすれば、何も刺していない細串と、銀杏を刺した細串を持ち比べるようなものです。
↓続く
Commented by scott1091 at 2011-10-25 22:00
↑続き
9㍍の穂先まで神経を使えるようになるには年数が掛かりますが、①何をするときも竿を担いですること、②用足しのときは必ず草の上に。草付きがない川原では竿を畳んで竿袋に入れてから置くこと、③竿の手入れは前回の記事を参考に、の3点を心がけるとよいと思います。

私も初心者の頃は、摘み糸を掴んだら竿を川原において掬っていました。当然ながら竿は傷だらけですし、砂地の場合はジャリジャリ、川でジャブ洗いなんて当たり前。昼食のときは石に挟んで置き竿などもしましたが、当時の「グラス」や「レジンたっぷりの低弾性カーボン」は折れませんでした。元竿は「籐巻き&カシュー塗り」するのが当たり前でしたし、曳舟もない時代です。(笑)

竿を折ってしまうことを前提に考えれば、販売価格ではなく希望本体価格と性能で竿を選ぶことが重要でしょう。1回は保証が使えても、2回目以降はパーツは割引きがありません。40万円ロッドになると元竿は10万円を越えますし、穂持ち(2番)でも3万円を越えます。竿を長く使いたい人は尚更でしょう。以上、ご参考まで。