今週は「急龍竿Ⅱ90 急瀬SPECIAL」を使いました!

狩野川をホームグランドにしている人はお気づきと思いますが、私が釣っている鮎は、平均的に釣れている鮎よりもかなり大きいです。これは一緒に釣る友人達も、同じ場所に入って、なぜいつも平均サイズが大きいのだろうと必ず言います。それは九頭竜でもまったく一緒です。

「きっと極秘ポイントがあるに違いない」と思っている方もいらっしゃると思いますが、狩野川はそんなに大きな川ではありません。私は友人達と一緒のことも多く、ごく一般的なポイントで釣っています。ポイント選びの基準は、混雑が嫌いなので川見で一番空いている場所に入ることくらいでしょうか・・・。001.gif

では他の人より、なぜ平均サイズが大きいのかということですが、それはやはり竿抜けを釣るからに他なりません。
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竿抜けというと、おそらくオトリを入れにくい「荒瀬」や「葦際」、「木が被った場所」などをイメージすると思います。確かにこのような場所があれば必ず狙います。しかし狩野川の場合は釣り人のレベルが高いので、このような場所で竿抜けが存在する確率は極めて低いのです。

ではどこに竿抜けが存在するのでしょうか?

答えは、皆さんが普通に釣っている流れの中にあります。

特に底石が立っていて、底流れが複雑な場所。竿抜けがあるかないかの目安は、元気なオトリでも決まったコースしか泳がなかったり、決まった場所から動かない。このような場所は、どんなにオトリの回転が良くても、釣れない鮎が必ず存在するのです。

そのような鮎を釣るためには、必ず竿の操作が必要となります。006.gif
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では次に、その竿の話をしましょう。皆様は、竿の硬さを選ぶ基準はなんでしょうか?鮎竿の場合は硬さの基準が流れの強弱、すなわち「早瀬」や「急瀬」などと表示されることもあり、これを目安にする人が多いでしょうし、釣れる鮎の大きさも重要な要因だと思います。

竿のカタログなどを見ると、「テストで〇〇㌢が抜けた」みたいなものをよく目にします。しかしこれが竿を選ぶ基準になるのでしょうか?

答えは、まったくなりません。どんな竿でも、キワに寄せて時間を掛ければ抜けるでしょうし、掛かりどころも背掛かり顔掛かりでは雲泥の差です。また同じ大きさでも、鮎は育った環境で引きがまったく違うので、比較の対象にならないのです。

では私は、その日使う竿をどのように選んでいるのでしょうか?
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答えはオトリの操作性。

今の狩野川のサイズでは、「硬中硬」クラスでは先に述べた「竿抜け」は攻められません。もう少し正確に述べると、一回や二回は掛けられてもペースが作れない。これはオトリにする鮎が平均22㌢くらいあるからで、鮎が抜ける抜けないの問題より優先します。

「竿抜け」を攻める場合は、普通では入らないコースを通すことが重要です。私が荒瀬はオトリが入る入らないではないというのは、まさにこのこと。同じ瀬でも水位が下がるごとに釣れるのは、元気なオトリでも通らなかったコースを、水位が下がると泳がすことができるようになるからです。

オトリの操作性は、特殊な河川でない限り大きさが一番影響します。したがって私は、釣れている平均サイズで竿を選びます。目安としては①「α90で20㌢以下」、②「征龍竿EM、急龍竿Ⅱで22㌢以下」、③「龍星竿、競龍竿で24㌢以下」という感じです。もちろんこれは平均サイズですから、②のケースでも25㌢が混じる程度であれば問題ありません。
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要は良いペースの回転を維持できるかが重要で、獲り込むまでにオトリや掛かり鮎がへろへろになったり、時間を掛けて身切れするようでは、次の展開を考えれば掛けない方がよいくらいです。031.gif

ここで注意して欲しいのは、上の目安は「標準チューブラー」を使用した場合です。各竿は〇〇㌢以下となっていますが、この範囲で「PTソリッド」や「HPソリッド」を使えば、さらに汎用性が高まるのは、このブログを見てくださっている人はご存知のとおりです。

私が竿のテストで狩野川にこだわるのは、このような複雑な流れに加えて、放流と天然が混在し、サイズにバラツキが多いからです。ポイントを面ではなく点で捉えられるようになれば、釣果は間違いなく伸びます。そしてその点をイメージどおりにトレースするには、腕だけではなくオトリサイズに見合った高い性能の竿が必要になるのです。

メジャーの30万円以上の竿1本で、「征龍竿EM」と「龍星☆竿」の2本が買えます。このレベルの竿を使い分けるメリットが、私の釣果につながっていると考えてよいと思います。もちろん昨年の狩野川みたいに鮎が小さいと、「征龍竿EM」だけで十分事足りますが、「α90」があれば両方使ったと思います。
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さて、この週末の状況です。使用した竿は、表題のとおり「急龍竿Ⅱ」です。前日の雨により最大で20㌢くらい増水するも、土曜の朝には5㌢高くらいまで回復。水色は薄い笹濁りレベルです。釣り人も少ないと予想して、いつもよりゆっくり家を出て、9時過ぎに竿を出しました。

この時期の濁りはあまり影響しませんが、気温と水温が一気に下がった影響が気になるところ。それ以上に私が寒~い。曇天で秋風のような風は、心地よいを通り越して一気に晩秋みたいな感じ。水深のある場所は底石が見えないので、まずは手前から様子を見ます。

そこですぐに掛かりますが、抜いたときに痛恨のバレ。しかしこのパターンはすぐに掛かるので、同じルートを引きます。そしてオトリが変わると、ポツポツのペース。しかし流芯ではまったく掛かりません。前日の雨でリセットされているので、他の釣り人の影響は考えられません。

掛りが早そうな場所をさっと流しますが、3尾しか掛かりませんでした。ここで大体の傾向がつかめたので、攻略法を変えます。次の狙いは流芯とヘチの間にある、おぼろげながら見える大石。この手の場所は、オトリがヘチから流芯に出るときに偶然掛かることが多いのですが、狙って釣るのは難しい。
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「止め泳がせ」で石を一つづつ攻めて行くと、気持ちよく目印を飛ばします。サイズ的には22~24㌢ばかりで、全て天然。それが一気に流芯に乗るわけですから、半端な竿の絞り方では主導権は取れません。竿が折れるとか、仕掛けが切れるという不安が少しでもあると、ついて下がった結果、身切れみたいなことになります。

このパターンで数を伸ばして、午前の部は終了です。昼食後、午後は歩いて場所を移動します。すでに釣った鮎がかなりのボリュームなので、おとり缶に入れて移動すると弱るので、車より歩いた方が得策と判断しました。もちろん釣れた鮎はオトリ缶に移し、曳舟には必要な尾数のみ。

こちらの場所では、ちょっと違うパターンで数を延ばします。今年は鮎が大きく、ラインとハリの消耗が昨年の3倍以上のペース。ちょっとした傷みなのでそのまま使っていたら、大事なところで親子で行ってしまいました。やはりラインを惜しんだらいけません。切れた衝撃で天井糸のPEが絡んでしまったので、スペアーのフロロの天井糸に交換します。

高切れして回転が止まっても、元気なオトリがいるので問題はありません。しかし天井糸の伸びの違いで、釣りのリズムが狂います。ここからはあまり数を伸ばせず、16時半に戻って全部の鮎を数えると39尾。40尾に1尾足りませんが、この日は終わりにしました。
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翌日は、前日以上の大物を狙います。このとき「龍星☆竿」をチョイスしておけばよかったのですが、これが失敗の始まりでした。場所は水深があって、大きな底石が点在する急瀬。この大きな底石を狙い撃ちで釣ります。まずは浅い場所で4尾オトリを確保してから、本命ポイントに移動します。

大石は浮石で、その周辺にはゴミも引っかかっているので、根掛かりは避けられません。この流れと水深では根掛かりは回収できないので、ラインはハリハリでオトリをコントロールします。そしてすぐに小さな当たり。これを手に感じた直後に、目印が20㌢くらい横移動したのを見逃しません。

足場を確認してからゆっくりと竿を絞ると、そのまま上流に上っていきます。「急龍竿Ⅱ」をしっかり絞りますが、主導権が取れません。何とかキワに寄せようと試みますが、流芯から外れません。おまけに下流に走ってくれれば良いのですが、底流れから出てきません。

しばし持久戦となり、ようやくオトリが水面に出ますが、掛かり鮎の背中が見えません。「急龍竿Ⅱ」は「征龍竿EM」ほど高弾性ではないので、その分破損リスクが少ないので、さらに思いっきり絞ります。
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これでも背中が出ない。水面下にうっすらと見える魚体は、オトリよりもはるかにでかいので、26㌢以上あるのは確実。ここで強い風が吹き始めたので、寄せることに方針を変更します。そして竿の角度を変えて、流芯を横切らせように竿を絞ると、その直後に痛恨の身切れ。時間が掛かり過ぎました・・・。

しばし放心状態・・・。
やっぱり「龍星☆竿」にするべきでした。007.gif

この後も身切れや、瞬時に中ハリスを飛ばされたり・・・。狙い通りにでかい鮎を掛けているのに、竿の選択を間違えたばっかりに、このような展開になってしまいました。

この日は、雨が降り始める14時過ぎまでに一折釣りきった掛けきったので、潔く竿を畳みます。その後は友人と合流して、この日の状況を確認。気温と水温が低く、掛かる鮎は小型ばかりとのことでしたが、同じ流れでも釣っている場所が少し違うような気がします。

この日釣った鮎をお土産に進呈して、本降りになる前に友人共々撤収。釣果は25尾でしたが、数より身切れした2尾が悔しくてなりません。次回は竿は「龍星☆竿」で、仕掛けは竿の余力を考慮して、ワンランクアップしようと思います。
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あわせて「α90」の「プロト4」もテストしなければなりません!

こちらはどこでテストするか、場所を選ぶのが難しい。友人達が釣ってくる鮎はテストにちょうどよいサイズですが、竿をテストするためにタイトな攻め方をすると、22㌢以上が釣れてしまう場合が多い。かといって普通に釣っているだけでは、細かいチューニングができません。008.gif

by scott1091 | 2011-08-21 21:34 | 鮎釣り/狩野川他 | Comments(10)

Commented by マルパパ at 2011-08-22 22:11 x
TOMOさん こんばんは
何時も抜群な読みと組み立てられた釣りにスゴイナ~と感服ですが、たまには、釣れない”どうしてなんだ・悩んじゃう、なんて言葉も聞いてみたいなんて近頃私は思ってしまいます。
Commented by scott1091 at 2011-08-23 06:44
マルパパさん、おはようございます!

実は私も、釣りに行くたびに疑問や課題が見つかり、ほぼ毎回悩んでいます。釣り方や仕掛けなども、かなり固定化されていますが、興味があるものは極力試してみるようにしています。

川の状態や石色を見て、「思ったほど釣れない、どうしてなんだろう」って、この週末もずっと悩んでいました。私もマルパパさんとまったく一緒なんですよ!

悩まなければ、上達はありませんから…。
Commented by 道楽 Y at 2011-08-23 11:56 x
TOMOさん ど~も!

相変わらずハイレベルな釣りをやってはりまんなぁ!
オラの方はまったく進歩がない・・・、ダラの一つ覚えの釣りしかできませんがな・・・、道具的には道楽ですさかいにアレコレ持ってますけんど、どうも間違った使い方をしておるようで思うように釣れませんわ・・・。

また、OLサイズまでの竿のテストなら初心な鮎が多い、勝利バーも面白いやも知れませんな。

でも、良い条件であんさんが竿を出したら軽~く200尾ぐらいは釣れそうでアレですけんど・・・。

あんま宣伝してもナンせすさかいに勝利バーはついでがあればと言うことにしときまいして、またコチラに来られるようでしたら、ツナイで下さいませ。

Commented by rixtuki12 at 2011-08-23 12:45
こんにちは。 狩野川ですばらしい釣果ですね!
釣行記も大変参考になります。

先日、神通で龍星竿を使ってきました。
色々な意味で凄い竿でした!
 
次回行く時は気合と根性だけでなく、考えて竿抜けを狙ってきます♪
Commented by scott1091 at 2011-08-24 20:59
道楽Yさん、こんばんは~!

な~んかここにきて、一気に鮎シーズンが強制終了になりそうな雰囲気ですなー。こんなに天気が悪いと、気持ちも鮎から離れてしまいそうな今日この頃ではありませんか?

鮎師的には9月の適度な残暑に期待したいところですが、何とな~く、このまま不純ならぬ不順な天候が続きそうな予感がします・・・。蝉時雨と巨大な入道雲を見ながら、もう少し盛期の鮎釣りがしたい。

今週と来週続けて富山&福井釣行を予定していたのですが、ちょっとしたことでしばし遠出ができなくなりました。いずれにしても行けるときはツナギを入れますから、そのときはよろしくお願い致します。m(_ _)m
Commented by scott1091 at 2011-08-24 21:00
rixtuki12さん、こんばんは!

神通で三日間釣りを楽しんできたのですね!2枚目の写真の対岸に写っている方、見覚えがあるような・・・。人違いでなければ、御歳72歳のベテランで、あの場所の主と聞いております。これだけで、どこに入ったかわかってしまうんですよね~。(笑)

「龍星☆竿」、手に馴染むまでどんどん使い込んでください。神通や九頭竜は気合と根性で竿抜けを探せるので、動けるときは狩野川のように粘る必要はないでしょう。安全面に細心の注意を払いながら、機動力を生かして頑張ってください!
Commented by ヒデV at 2011-08-24 22:10 x
お久しぶりです。

今年は狩野川で釣りしませんでしたが、昨年久々に嵯峨沢で釣りした時と掛かる鮎のサイズがTOMOさんとは大違いですね。

普通のポイントで竿抜けの鮎を掛けれたらと思うと釣果UP間違いないですね(^^;
いつもいつも勉強になります!
Commented by scott1091 at 2011-08-25 21:36
ヒデVさん、お久しぶりです。

今年帰郷した際、竿が出せなかったのは残念ですね~。昨年よりも鮎は少ないですが、私が記録を付けるようになってからは、今年が一番平均サイズが大きいです。その分数が伸びませんが、重量的には昨年の比ではありません。

ご存知のとおり嵯峨沢は分流があるので規模が小さく、水量的にどこも非常に釣りやすいので、竿抜けが少ない場所です。平均サイズが小さいのはそんな理由からで、私は橋からシモ三分の一くらいまでしか竿を出しません。昨年までは橋の上のテトラの瀬が一番大きかったのですが、護岸工事で変化のない瀬になってしまいました。

明確な竿抜けを狙うには、もう少し流れに厚みと押しがある場所を狙う必要があります。具体的にどんな場所かは、狩野川で育ったヒデVさんならおわかりになりますよね!お互い頑張りましょう。
Commented by Q at 2011-08-29 22:15 x
TOMOさん こんばんわ~でどざいます。
オラてきにも Vでプロト4をテストしていただきたい気持ちでいっぱいです。
完成たのしみにしております。
Commented by scott1091 at 2011-08-29 22:16
Qさん、こんばんは~!

この週末のVの様子、Jinzooやそーさんのところで拝見しておりますぞー。神通があまりに有名なので隠れた存在でしたが、今年一気にクローズアップされたので、来年の「鮎雑誌」や「DVD」にバンバン登場しそうですね~。それにしてもこの週末の混雑で、しっかり釣果を上げているQさんも凄い!

Vでのテストの件、了解しました。テストが実現したら、Qさんもぜひ使ってみてください!しかし目下のところ、北陸のシーズン中に「α90」は完成するのか?それが一番心配ですなぁ・・・。