ひとまず渓流シーズンは終了か…?

次の週末は狩野川の解禁となるため、この週末がひとまず渓流の最後となります。鮎が始まっても、増水による白川で釣りにならないときは渓流に行くこともありますが、ここ数年は天気の巡り会わせで機会がありません。

ではまずは土曜日から。気合を入れて目的の場所を目指しますが、私以上に超~気合が入った先行者あり。雨による増水で条件が良いので、他にも釣り人がいるようです。いつもだと朝はゆっくりなので先行者と時間が開いているのですが、この日はあまりに近すぎます。ここは潔くあきらめて、イワナを断念してヤマメに転向します。007.gif
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この時期になると、ヤマメは釣り人のプレッシャーでスレスレ状態。しかし高水で条件が良いので、この日は何とか勝負することができそうです。魚を見つけたら、いつものスタンスより一歩下がったところからフライを投じていきます。それでも常に体制を低く構えるため、長い時間魚を観察すると足が痺れちゃいます。ちょっと太りすぎかぁ~。008.gif

天気予報ではまさに「風薫る5月」とのことでしたが、思ったよりも風が強い。谷では風に強弱があるため、リーダー・コントロールに苦慮します。渓流が解禁して2月半経つので、ここ一発の大物は逃しません。大物は口を閉じるのも、頭が沈むのもゆっくりなため、少し遅めにアワセないと「すっぽ抜け」が発生します。
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「バッシッ!」と出る場合は完全に条件反射ですが、常にフライに出た魚の状態を見てアワセることを心がけておかないと、ブラインドで出た大物は「すっぽ抜け」ることが多くなります。私は友人たちの中では遅アワセの部類になりますが、これはかなり訓練した結果であり、その分だけ大物の「カラ振り」や「チョン掛け」がありません。

「ハリ合わせ」という言葉は「鮎釣り」では一般的ですが、「フライ」では聞きなれない言葉だと思います。アワセのタイミングは視覚情報でコントロールできますが、アワセの強弱は正確にコントロールできないため、私は「フライ」でも「ハリ合わせ」には非常にこだわっています。006.gif
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ゴルフもハーフ・スイングが難しいので、フル・スイングで距離が打ち分けられるように、クラブの番手が用意されているのはご存知のとおりでしょう。ここで述べている「ハリ合わせ」は、まさにこの感覚です。

したがって「フライ」の「ハリ合わせ」は、使っているタックルとのバランスです。昨年から竿は「Scott G2 772(以降772)」、リールは「Waterworks P-1」を使っていますが、それ以前は、竿は「Streamside Custom Charie's Special(以降チャリスペ)」でした。いずれの竿もまさに愛竿なのですが、決定的に違う点があります。
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ここではその違いについて書きませんが、私が使うと「チャリスペ」では細軸のフックを使うと「チョン掛け」や「ガッツン」が多くなり、逆に「772」だと太軸のフックで「チョン掛け」が多くなります。アワセの強弱はまったく同じなので、この違いはタックルのバランスに起因します。

もちろん竿の調子が一番の要因ですが、同じ竿でもリールが変わると似たようなことが起こります。これは持っているものが重たくなるほど、竿の初動が遅くなり、かつ慣性がつくのでアワセ幅が大きくなるからです。そこまで考えて「ハリ合わせ」をする人はほとんどいませんが、フッキング率にこだわると必ずこの領域に行き着くはず。

ということで竿を「772」にしてから、フライボックスに入っているハリの銘柄が様変わりしました。私の場合は2カ月半の渓流シーズンで、小さいものもぜ~んぶ含めて500尾くらい釣ります。「772」を使い始めて2シーズン目となりますので、パターン別に「ハリ合わせ」をするには、1,000尾くらい釣らないと検証できないということでしょう。
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またこれらの要素は出ているラインの長さも大きく影響するため、フィールドが山岳渓流から本流に変わると、当然ながら調整が必要となります。しかしラインが長くなるほどライン抵抗によるフッキング率が大きくなるため、厳密なコントロールが難しくなるのは間違いありません。

少し話がそれたので、話題を戻しましょう。この日はそれなりのハッチもあり、良い感じでフライに出ます。新緑の谷間から覗く青空は、やはり格別。景色だけでも十分な状況に加えて、輝く流れからヤマメが舞うと釣りができる幸せを感じます。001.gif
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この日は朝が早かったので、午後はさらに転戦。この時間になると、餌釣りの先行者はすでに帰っています。青葉が茂って谷が暗くなってきたので、影になる場所では目の焦点がなかなか合わなくなってきました。また近くの物が見えるようになると、遠くのものを見たときピントが・・・。042.gif

こんな状況ではありますが、好釣は午後も継続。ブラインドでびっくりするような魚も出ましたが、日ごろの訓練のかいあって完璧なフッキング。久々に「772」のバットを持って獲り込みました。
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そして翌日はイワナ釣り。前日入りたかった場所に、友人と共に行きます。この日も見事な「五月晴れ」ですが、風が冷たくて日陰はウインドブレーカーが必要なくらい。同行した友人は先週32㌢のイワナを釣っているので、余裕綽々の雰囲気です。

イワナ釣りには少し水位が高いですが、それなりに結果を出します。一緒に釣り上がるときは交互に釣りますが、交代のタイミングは阿吽の呼吸。釣れた場合でも小型だと続けてもらいますし、逆に釣れなくても釣っている時間が長くなると交代します。要は一日釣り終わって、お互い同じくらい楽しかったと思えることが大切です。
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交代で釣る場合、少しでも長い時間釣りたいという人もおりますが、我々は長い時間釣っている方がプレッシャーが掛かるので、精神的には辛いですね~。今回は最高のプールで私に順番が回り、8~9寸が5尾丸見えの状態。思ったよりも水面の流れが複雑なのに加えて、魚同士がお互いをけん制して泳ぎまくるので、フライを喰わせる場所がとても難しい。だからこそ、こんなに魚が残っているわけですが・・・。

直前にティペットを交換した際、「チャリスペ」で非常に相性が悪かった「212Y」のフックに交換しました。「722」での使用実績はなかったのですが、前半好釣だったので「772」との相性を確認したかったしだいです。そしてその結果は・・・。

まさかの3尾連続の「すっぽ抜け」。021.gif
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そもそも浮いているものを捕食しているわけではないので、フライを見せるためのドリフト距離をとらなければなりませんが、ドラッグによりフライを喰わせるのも難しい。こんな状態にもかかわらず、せっかく出た魚を3尾も「すっぽ抜け」。見える魚を次々につぶしているのに、友人が嬉しそうに見えるのは気のせいでしょうか?いいえ、気のせいではありません。

これぞまさに精神的な優位性です。不思議とこのような状態になると、釣果は釣っている時間と反比例します。あまりにも釣れず、交代してもらった瞬間にすぐ釣られてしまうパターン。ここですぐ釣り返すと流れが変わるのですが、釣れない時間が続くと焦りが出て、悪循環スパイラルに陥ります。
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流れが変わる三大要素は、「カラ振り」、「チョン掛け」、「アワセ切れ」です。この日は早い昼食まではイーブン、昼からは呪いの「212Y」をきっかけに私の不調が続きます。もちろん3尾連続の「すっぽ抜け」により、ハリを交換して釣ったことは言うまでもありませんが、交代した友人は一番上流側にいる最大魚を1投で決めてしまった影響が大きい。

しかしあるプールをきっかけに、この流れが変わります。ここもまた私の順番だったのですが、最下流に定位する魚を1投でゲット。交代した友人は時折ライズするのに、見えない魚に手を焼きます。しばしフライを流していると、私が釣った場所に魚が降りてきて定位。その後ライズがないため、ライズの魚とSame fishということで友人は狙いを変更します。
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しかしさんざフライを見られて、フライを小さいものに交換。これでやっと喰わせますが、カラ振ってフライを枝に引っ掛けてその魚はGone。友人がフライを回収してティペットを交換していると、さっきと同じ場所で久々のライズ。どうやら違う魚だったようです。

この魚を私が1投で釣り、しかも本日の最大魚で状況は一転します。友人もその流れを打破するべく9寸を釣り返しますが、次の場所で私にまさかの尺上がきて流れは変わらず。腕は互角なのでポイントが回ってくるかどうかの違いですが、チャンスを確実にものにできるかが極めて重要です。
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片方が釣ったら、フライを乾かす前に釣り返す。友人とこの状態を「フィッシング甲子園」と言います。そして釣っている時間が長くなることを「修行」と言いますが、腕が互角の三人で釣り上がっても、同じメンバーでも日によって違う人がずっ~と修行している状態が起こります。

やはり釣りは、メンタル面の影響が大きいです!

by scott1091 | 2011-05-15 20:54 | フライフィッシング / 渓流・湖 | Comments(4)

Commented by ariari at 2011-05-17 13:04 x
お疲れ様です、針合わせですか?丁度私も金曜日のヒラスズキ釣りで痛感していたところでした。水、木の荒れ後の金曜日で、期待度MAXで行きました。が!一発目からバラシ。。。まあ60cmほどのだったのでショックはミデアムでしたが次のは80オーバーをバラシ。。。半ベソかいてました。が!その後も2連発でバラシ。最後は笑えて来ました。結局16バイトあり9本取り込みましたが、腕の未熟さを痛感しました。どうも操船しながらのやり取りになるので、糸が緩んだ時に、ヘッドシェイクされてフックを延ばされるようです。軽いルアーにすればヘッドシェイクされても慣性が小さいので針が延ばされないのですが、軽いとサラシがきつく船が近づけないので届かないし、サラシの中でのアクションが安定しません。う~んな感じです。最後には#1番の針まで延ばされてビックリでした。いく度に課題の残る釣りです。ハイ。その日の最後にMAX78センチがトッププラグに出ました、サラシの中から魚雷のように飛び出した瞬間、ルアーが視界から消え、ビックリ、アドレナリン出まくり、オシッコ3滴ほどチビリました(笑)。
Commented by scott1091 at 2011-05-17 22:14
ariariさん、ヒラスズキにぞっこんですね!
あの魚が水面を割れば、視覚的な刺激はMAXでしょう。(笑)

丈夫なハリを使うのはもちろんですが、ハリが開いてしまう要因は、ariariさんもお気づきのように、①ハリが身を掬う量(多すぎると開く)と、②フックのアイを引く力の方向にあります。①は鮎同様にフック形状が一つのポイントですが、②はミノーの場合は重量があるルアーにフックが固定されているため、ヘッドシェイクされたときに常に一定方向に力が掛からないことが原因です。

私はミノーはブラックバスやブラウン、マルスズキやシイラしかやったことがないのですが、もしヒラスズキにトライするなら「オスプレイ」を使ってみたいと思います。フッキング後、ルアーからフックユニットが外れるのは、バレ防止やフックが開くのに非常に有効だと思います。ご興味があれば、私の代わりに試してみてください!

http://www.clinchlure.com/
まずは「磯シーバス最強セット」がお勧めか?
Commented by ariari at 2011-05-18 10:42 x
アドバイス有難うございます、かなり興味深いルアーですね、ホームページ拝見しましたが、理論にかなってると思います。重めのファルコンあたりが良いかも?もう少しシルエットが分かる写真が掲載されてると良いのですが。一度メーカーにメールしてみます、ヘビーウエイトシンペン等有ればブリにも有効ですね。しかしヒラスズキのトルクにはビックリたまげたです。
Commented by scott1091 at 2011-05-18 22:10
ariariさん、こんばんは!

安いものではないですが、ariariさんくらい掛けるのであれば、試してみる価値があると思います。ヒラスズキは、大荒れのサラシの中を縦横無尽に泳ぎ回るわけですから、そりゃ~もー想像を絶する筋力です。当然大型になればなるほど、魚体をコントロールする筋力が必要となりますので、ヘッドシェイクの際にルアーの重さでフックを開く方向に掛かる瞬間的な力は、凄まじいでしょう。ペンチを使っても、ソルト用フックは開くもんじゃありませんものね!