「フローティングベスト」はどの程度浮くのか?

私は海やボート釣りでは、必ずフローティングベストを着ています。

ちなみに私の水泳能力は、若い頃に訓練を受けている関係で、体力と気力が尽きるまで泳ぐことができます。よく泳げるから救命胴衣はいらないという方がおりますが、これは大きな間違いです。服を着た状態で水中に転落したとき、浮いていることがいかに大変なことかご存知でしょうか?

完全に濡れてしまった衣類は、自重で沈みます。洗濯機の中で浮いている衣類がないと言えば、ピンとくるでしょう。ましてやこの時期ともなれば、最新の繊維を使ったアウターでも、上下合わせると1㌔以上あります。これにシューズやアンダーウェアー、ミッドウェアーが加わるわけですから、恐ろしい重量になります。

この状態で落水すれば、濡れた衣類で体の自由が奪われることもあいまって、私くらいの水泳能力があっても泳げない人と大差ありません。つまりこの時期にフローティングベストや救命具を付けないで釣りをすることは、自殺行為に近い状態なのです。

そこで、私は釣用のフローティングベストを必ず着用しているわけですが、実はこのフローティングベストを実際にテストしたことがありませんでした。購入の目安は、命を預けるものなのでメーカー品を選ぶことくらいです。
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↑伊豆半島が、一番混雑するシーズンが到来。「河津桜」がどこも見ごろです

一度テストしなければと思っていたのですが、せっかく撥水が効いた新品を着て、入浴ということは普通しませんよね~。026.gifそれでのびのびになっていたのですが、この週末にテストをしてきました。テストに選んだ場所は地磯です。

ここまで読んで、ピンときた人は鋭い!

そう、これはテストではなく、本当に海中へ転落しました。008.gif

あまりに釣り場がコマセで汚かったので、回数にしてバッカンを30回くらい汲んだでしょうか?そしてそろそろ終わりというところで、つまらない場所で躓いてしまいました。高さがない場所なので、怪我や衣類の損傷はありません。

しかし防水の効いたウェアーも、あっという間に中綿まで浸水。フローティングベストのおかげで、落水のときも顔まで潜ることはありませんでしたが、一番驚いたのは目の前にいた友人だったと思います。

水温は16℃くらいあるので冷たいというほどではありませんが、磯に上がるための適当な足場がありません。無理やり上がると、フジツボやカキ殻で手や足に怪我をするので足場を探しますが、水面下はややオーバーハング気味なので、フェルトスパイクではハバノリなどで滑って話になりません。
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↑転落した場所。何でもない場所だからこそ、事故が起こります

結局、友人の手を借りて支点を確保して上がりました。この日は気温が高めだったので、アウターの上着は着ていませんでしたが、フローティングベストによる浮力は予想以上でした。転落した本人もそうですが、目の前で見ていた友人も、私がフローティングベストを着ているので慌てずに対処できたとのことです。

磯に上がってからまずは被害状況を確認し、濡れた衣類を脱いでしぼります。綿類の下着は干しても乾かないので、袋に入れてバックへ。帰りに着る衣類を確保するため、ズボンは干して、スッポンポンでサロペットタイプのアウターをはきます。

これがべちゃべちゃして気持ち悪いのですが、中綿に染み込んだ海水が抜けると、すごく渇きが速い。上着は濡れていないアウターがあるので問題なし。一番問題なのがシューズで、これは表面はゴアテックスでも中は乾きません。そこでフリースのソックスを履いて我慢します。

携行品の被害は、ケータイと非接触デジタル温度計。防水ではありませんが、鮎釣りで2回水没しても復活した愛着のあるケータイでしたが、やはり海水ではひとたまりもありません。デジタル温度計は外国製ということもあって、数時間後にはすでに内部が錆びていました。干しているズボンはサプレックスなので、すぐに乾くのがありがたいです。

そんなこんなで、予想以上にテストに時間が掛かりましたが、やっと釣りを開始します。海水温は水温計が水没して測れませんが、体感的には悪くありません。潮は月齢23.0の小潮。いつもよりアジを多めに購入してきたのですが、この日は当たりがまったくありません。
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友人が明るい内に1杯釣りますが、それからお互い長い沈黙。ここまで、アオリの当たりはなし。そして友人に地合いがきますが、私の方はまったく当たりがないまま時間だけが過ぎます。今シーズン初の〇ーズを覚悟したところで、やっとヤリの当たりで1杯。しかしアオリが〇ーズであることは変わりません。

少し離れたところにいる友人に状況を聞くと、ちょうど5杯とのこと。一番大きいのは1.5㌔くらいありそうです。すでに地合いは終了していますが、友人の勧めで隣に入れてもらいます。久々のプチ移動で、汗をかきました。

移動が完了した頃には、潮が下がって友人も私もウツボのラッシュ。私の足場は高いので、潮が下げるとかなり釣りづらいです。友人と同じ根を狙っていますが、ラインの角度が違うのでオマツリすることもありません。

ウツボとヤリでアジをどんどん消費しますが、本命からの当たりがありません。そしてあきらめかけた頃に、ウツボの当たりとはあきらかに異なるアジの動き。これは間違いなくアオリです。

これを逃せば〇ーズになるのは必至の状況ですが、いつものとおり大胆にヤエンを送って空中戦で勝負を決めます。友人にギャフを打ってもらったアオリは1,100㌘。決して大きくはありませんが、とても貴重な1杯です。これで友人をあまり待たせることなく終了です。006.gif
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↑このように掛ると、アオリに逃げるすべはありません

最新の衣類なので、濡れてもシューズ以外は快適に釣りができましたが、帰る頃には全身が塩を噴いて真っ白です。帰ってからフローティングベストだけ風呂で潮抜きしましたが、沈めるのに一苦労するくらいの浮力でした。もちろん風呂の中でも着てみましたが、裸なので淡水でも横になると全身がしっかり浮いて快適です。

翌日の日曜も釣行予定でしたが、前日の海中転落により洗物や手入れしなければならない小物類が倍増。これらのメインテナンスに半日くらい要したので、来週からスタートする渓流用の年券を購入したりで、貴重な休日は終わりとなりました。

残念ながら目標の2㌔アップを釣ることはできませんでしたが、今年はヤエンを始めて一番良いシーズンだったと思います。これから本格的な親イカシーズンとなりますが、皆様も必ずフローティングベストや救命具を身に付けて、楽しいシーズンを過ごされますよう祈念しております。

「Aorist(アオリスト)」としては、しばしお別れです!

そうそう、せっかくフローティングベストを着たら、股紐をするかヒップガードへの固定をお忘れなく。していない人を見かけますが、腕だけでベストを押さえているのは体力的に限界がありますし、意識がなくなると脱げてしまうこともあります。

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↑昨年新調したサンライン「ステータス フローティングベストSTL-170」。他のジップは樹脂製ですが、防水ジップだけは金属製。腐食で粉が噴かないよう、水洗いの後に濡らした歯ブラシでしっかり塩分を除去しましょう

by scott1091 | 2011-02-28 21:02 | アオリスト(Aorist) | Comments(12)

Commented by ヘルニア at 2011-02-28 23:35 x
なんとビックリ・・・ケガが無くて安心しました。
その後も釣り続けて、尚ビックリでした サスガ 鉄人!
紀東もこの週末は大荒れで、私一人だけが潮まみれでしたよ~ 

これでいよいよ 渓流ですね 綺麗な魚 楽しみにしています。
Commented by マルパパ at 2011-03-01 18:01 x
TOMOさん こんばんは 
ご無事で何よりでした。渓流も始まりましたが、気をつけてくださいね、もうそんなに〇〇くないんですから。
気になったんですが、フローティングベストのロゴキレイに入ってますね~。
Commented by ariari at 2011-03-01 22:08 x
お怪我なく何よりです、私も船に乗る際は必ず自動膨張式をつけてます。最近のは軽く出来てますし、性能も良いようですね、それに加え私は一人の時は5メートルほどのロープで船と体を結びつけてます、落水した際は潮や波で船上に上がるのは困難ですからね。ついに来週から渓流ですね?最近の雨で少しはコンディションも上向いてるでしょうか?そちらも期待しております。当方はやっとブリ、ワラサのナブラが入って来ました、先日出た時は大きなブリナブラと思いきや、なんとカマイルカの大群(笑)。。。
Commented by Non at 2011-03-01 22:59 x
いやはや、ご無事で何よりでした。
楽しい釣りですが、危険を常に連れているわけですよね~。
気をつけます、私も。

そろそろ、淡水にお戻りですか?
Commented by そーさん at 2011-03-02 00:28 x
TOMOさん 怪我も無く 何よりでしたね! 日本海だと海水温が10度位なのでどうなるのかな(笑)? 何をするにも気合と根性!脱帽です
 アオリの昆布締め 我が家も友人達も絶賛してます。 
ありがとうございました。
Commented by flymoto at 2011-03-02 13:16
なにはともあれこうしてblog更新できて良かったです
これもちゃんとフローティングベスト付けていたおかげですね
自分の場合単独釣行多いので普段から気を付けていますがよりいっそう気を付けて今シーズンも楽しみたいと思います♪
Commented by scott1091 at 2011-03-02 20:59
ヘルニアさん、こんばんは!
もう歳ですぅ~。(泣)
水汲みで何回も上り下りしたので、足が上がっていなかったのでしょう。

帰るにも着るものがない。スッポンポンで車に乗っても、ケータイがないので妻に服を持ってきてもらうこともできない。結局、濡れた服を乾かすしかないので、その間釣りをしたというのが本当のところです。(笑)

山で今回のようなことが起こると、生死にかかわります。加齢により衰える体力を確認しながら、ぼちぼち鮎釣りに向けて体を慣らしていこうと思います。
Commented by scott1091 at 2011-03-02 21:02
マルパパさん、こんばんは!
そうなんですよ~、最近は自覚しています。(泣)

今年は解禁から「アルファ(α)90」のテストが始まるので、体力的に厳しいようなら、周辺の川だけでシーズンを過ごそうと思います。酒匂はかなり厳しい状況なので、狩野川、伊豆小河川、興津、藁科といったところでしょうかね!

ベストはラバープリントです。刺繍も含めて、九頭竜で知り合った釣友にお願いしています。リンクをご参照くださいませ。自作カッティングシート、きれいにできていますね!
Commented by scott1091 at 2011-03-02 21:19
ariariさん、こんばんは!

海面に浮いている人を見つけるのは、凪であっても落とした針を見つけるようなものです。かつて海難捜索をしたことがありますが、時化ていたこともあって、救命筏を見つけるのもすごく時間が掛かりました。その経験から、フローティングベストを着ていても、沖に流されたら発見される確率は低いと思っています。

ブリ、ワラサですか~。船で狙う対象魚は高級魚ばかり。おまけにホエールウォッチングとなれば、釣りをしない人なら飛びつきそうですね!
Commented by scott1091 at 2011-03-02 21:20
Nonさん、お帰りなさい!
止水での巨大ブラウン、心臓バクバクものでしょう。
しっかり決めてしまうところは、Nonさんの引きの強さですよね~!

今回で「しょっぱい系」は終了です。これからフライシーズンがスタートしますが、つまらないところで転んだりしないよう私も気をつけます。物は壊れても修理したり交換したりできますが、体はそうは行きませんから・・・。かつて体は治癒するが、折れた竿は元には戻らないという猛者がおりましたけど。(笑)
Commented by scott1091 at 2011-03-02 21:20
そーさん、こんばんは!
一番重要なのは、海に落ちないことです。

よくサンダル履きでテトラに乗る人がいますが、落ちたらテトラに上がるだけで、足裏は大怪我でしょう。やはり車と同じように、一番重要なのは足回りです。これからは磯やテトラでは、フェルトスパイク、スパイク、ラバーソールを使い分けるようにします。(汗)

毎回、アオリを丁寧に料理して頂いて、ありがとうございます。そーさんの几帳面さに、うちの妻も感動しておりますよ~。
Commented by scott1091 at 2011-03-02 21:20
flymotoさん、お久しぶりです!

いよいよ渓流解禁ですね~。今年もflymotoさんは、尺上の砲弾ヤマメを連発されるのでしょう。お互い手元がかなり怪しくなる年齢ですが、あの感動を求めて、タイイングに勤しみましょうね~!

お互い気をつけて、楽しいシーズンにしましょう。