「大きいイカには、長いヤエン」は本当に有効か?
最近は釣行記ばかりなので、今回は少し技術的な話題を!
まず掲載した写真をご覧頂きたいのですが、これは現在市販されているヤエンでは一番新しい、シマノ「A-RB ラインローラーヤエン 跳ね上げ式」です。サイズはM、L、LLの3種類がラインアップされています。「AR-Bラインローラー」はもちろん、類を見ない跳ね上げ機構の採用は、他のメーカーに水をあけていると思います。
商品説明によれば、「エサのサイズ、イカのサイズに合わせて選べるサイズバリエーション」となっています。この説明にもあるとおり、「大きいイカには、長いヤエン」というのが一般的です。
しかし私は実釣をとおして、これは違うと感じているのですが、皆様はいかがでしょうか?説明のもう一方である、「大きいアジには、長いヤエン」は正しいと思います。しかしこちらも、アジを大、中、小とサイズ別に選べる環境ならば、あまり影響はありません。
よくヤエンの説明書などで、ハリが胴(外套膜)に掛かるイメージ図があります。しかしこれでは、イカが大きくなるほどバレが発生します。ダブルヤエンにすることで、ハリ抜けや身切れの頻度を少なくすることはできますが、抜本的な解決にはなりません。その理由は、一方しか掛からないことがよくあるからです。
ではどうするかということですが、ハリ掛かりさせる場所として腕の付根、すなわち漏斗付近を狙うのが一番重要です。この場所が胴(外套幕)よりも丈夫であるということもありますが、ここにハリが掛かると、必ずヤエンとは反対方向に逃げることになるので、さらにハリ立ちが促進されることになるからです。
これが胴に一番先端のハリが掛った場合には、イカがアジを離して四方八方(膨らませた風船が空気が抜けながら飛ぶイメージ)に逃げると、必ずハリ立ちとは逆の方向に走るケースが出てきます。掛かり方しだいでは、たとえバーブがあってもヤエンやライン抵抗で抜けてしまうケースもありますし、身切れしてしまうこともあります。
もちろんイカが大きくなるほど、腕も長くなります。しかし大きいイカほどアジが隠れるくらいすっぽり抱いてしまうので、結果的にアジの尻尾から腕の付根までの距離が、腕の長さほど大きく変化しないのは、皆様も経験的に感じていると思います。
こういった実釣経験から、私の自作ヤエンはワンサイズに落ち着きました。目下のところ、これで不安を感じたことはありません。むしろ重要なのは自重で、同じサイズでも使う材料により、11、12、13㌘の3種類を使い分けています。
アオリが浮いていて、ヤエンを空中滑走させる場合や、サイズが小さいときは軽いヤエン。アオリが底付近にいてヤエンがほとんど水中を滑走する場合や、サイズが大きくてラインがハリハリとなる場合は、重いヤエンをチョイスします。
私の場合は3月からフライ、5月から鮎に移行するので、実釣を踏まえてワンサイズでオールシーズンをカバーできるとは言えません。しかし友人がほぼ同じサイズで通年を釣っているので、まったく問題ないと思われます。
アオリが大きくなったので、長いヤエンにしたらバレが連発。そのような経験のある人は、獲り込んだアオリのどこにハリが掛かっているのか、必ず確認することをお勧めします。
by scott1091 | 2011-02-01 21:56 | Technique | Comments(3)