「双龍竿85/75 急瀬Long Change」

来年の新商品となる「双龍竿」。この竿は名前の由来のとおり、8.5㍍と7.5㍍の二通りで使える「Two Length」の竿です。

メーカーによって「マルチレングス」とか「アクションズーム」、「2 WAY」などと呼ばれる竿に類します。これらと少し違う点は、調整できる長さ。かつて「アジャストレングス」などと呼ばれていたころは、「双龍竿」と同じように1㍍に設定されたものがありましたが、現在は50㌢が主流となっています。
f0103126_20494149.jpg

では、いまさらなぜ1㍍なのかと言うことですが、経験的に50㌢くらいの違いなら持ち方を工夫すれば何とかなるもの。せっかく二通りの長さにするのであれば、縮めることによって明らかな優位性を持つには、やっぱり1㍍くらいは必要との結論によります。

すなわち1本で2本分をカバーするという発想ではなく、竿の長さと天井糸の調整により、同じポイントでも受動的ではなく、攻撃的に攻めることを目的としているのです。

な~んて前振りを書きましたが、実は私もこの手の竿を使うのは初めて・・・。
f0103126_20501849.jpg

かつてシマノの「Hi-speed ZOOM」を使っていたこともありますが、このズーム機能は長さを変えるというよりも、手尻の長さを確保できるというのが最大のメリットなので、少し発想が異なります。

ではこの手の竿を、どのように使うのでしょうか?私がテストに選んだのは、狩野川の支流である大見川の特別解禁区。川幅は大体6~9㍍くらいです。両岸が葦に覆われているため、狭い川なのに立ち込まないと釣りになりません。

かつては特別解禁に合わせて両岸の葦がきれいに刈られましたが、現在は一部区間を除けば、川に下りるのも大変な状況です。こんな場所なので鮎の数も少ないですが、当然釣り人も少ない。今年のように狩野川本流の鮎が小さくても、この場所では放流魚主体に22~27㌢くらいに成長しております。
f0103126_20504593.jpg

今回、十数年ぶり訪れたわけですが、まず川原に降りられません。かつて降りた護岸まで、藪がひどくて近づけないのです。やっと降りた場所は、水深が深すぎて遡行不能。あらためて対岸の支流から入りなおしますが、この支流へ降りるルートもない・・・。emoticon-0107-sweating.gif

今年は天然遡上がここまで来ているのに、まったく釣り人を見かけない理由がよ~くわかりました。スタートした場所の川幅は竿の長さと同じなので、ジャスト8.5㍍です。水位が高めなので、その上の瀬は完全な一本瀬。葦を掴んでも、ヘチを遡行できるかわからないような状態です。

こういう場所は川幅が狭いということよりも、立ち位置が制約されることが一番釣りを困難にします。特に攻めたい場所がすぐ目の前だったりすると、通常はそんな場所は諦めますよね。このようなポイントは瀬であることが多いので、ブレがない竿があれば目の前にオトリを捻じ込み、徐々に対岸に向かって探っていくことが可能です。
f0103126_2051689.jpg

今回のテストで、一番重視したのがまさにこの性能です。竿のブレを排除するにはテーパー、素材・肉厚などの方法がありますが、もっとも有効なのは竿を短くすること。例え硬い竿でも、9㍍の竿と10㍍の竿を比較すればこれは一目瞭然なので、ご理解頂けると思います。

したがってカーボン弾性率が低くても、8.5㍍の竿は9㍍の竿よりブレが少ないのは当たり前なのです。その点で、最初にテストした「プロト1」は無難に仕上がっていました。しかし足元からオトリを送り出すと、ある角度からどうしても竿にあばれが出る。これは2~3番に負荷が掛かって振れることにより発生します。

そこで「プロト2」では、2~4番まで切り長さを見直してより先短設計とし、さらに2番の軽を太く設定し、トップを急テーパーにしました。2番の玉口径が「急瀬HIGH POWER」の「龍星☆竿」よりも太いといえば、竿の安定性がある程度想像できると思います。
f0103126_2051338.jpg

「そんなに太くて硬過ぎないの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、使用されているカーボンの弾性率が「龍星☆竿」ほど高くないので、鮎が掛かればきれいに曲がります。この方法が取れるのは、自重が同じでも8.5㍍は9.0㍍ほど持ち重りしないからです。

竿を軽く仕上げる一番簡単な方法は、太いセクションはより短くし、細いセクションをより長くする。竿の安定性を高める「先短設計」は、まさにこれに逆行します。そのため「征龍竿」や「龍星☆竿」は先短設計でありながら軽量化とパワーを両立するべく、超高弾性カーボンを多用しています。しかし「双龍竿」はそこまで弾性率を上げなくても、持ち重りについては8.5㍍のアドバンテージがあります。
f0103126_20515584.jpg

もちろん、素材的には最高クラスの竿ではありませんので、「征龍竿」や「龍星☆竿」のような卓越した感度ではありません。しかしテーパーの妙技により、安定感のある仕上がりになっています。フナヤオリジナルの「龍シリーズ」の1本ではありますが、その点をご留意くださいませ。

価格はサブとして買えるギリギリのところだとは思いますが、この1本があると釣場の選択肢が広がることは間違いありません。竿の操作が困難な風の強い日はもちろん、渓流相でピンポイントにオトリを投げ込んでいくシューティングロッドとしても重宝すると思います。

ご興味のある方は、プロトをご覧くださいませ!
f0103126_2230079.jpg

f0103126_22301591.jpg

実釣記録①(プロト1)
実釣記録②(プロト2)

by scott1091 | 2010-10-19 20:52 | フナヤオリジナル | Comments(3)

Commented by ヘルニア at 2010-10-21 23:39 x
テストお疲れさまでした~
昼間はまだまだむし暑い、三河地方ですが、
大見川は、ススキだらけの割りに、夏の感じがしますね~
テスト頑張ってください。

土曜日は南伊豆経由で、狩野川沿いをドライブします。 
≪惨敗して、泣きながらでしょ~≫

SLⅢの塗装が非常に気になる、デザイン重視の私です・・・ハハハ
Commented at 2010-10-22 09:03
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by scott1091 at 2010-10-22 23:12
ヘルニアさん、こんばんは。

いよいよG杯地区予選。あらためて予選スケジュールを見ますと、チヌは会場も多いのにグレは少ないんですね!わざわざ南伊豆まで来られる理由が、よ~くわかりました。週末は天気も良いようなので、翌日は狩野川で竿を出されてはいかがですか?

さてSLⅢのデザインの件ですが、私案では玉口カラーは「ワインレッド」を継承し、「龍芯竿」の「ヘリコン塗装(青緑)」を「ワインレッド」にするか、「龍星☆竿」の「ロイヤルブルー」を「ワインレッド」に置き換えるかのどちらかを考えています。採用されるかは、わかりませんけど・・・。