「征龍竿90 EXPERT MODEL」、「龍星★竿90」

まずは、「征龍竿90 EXPERT MODEL」と「龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER」についてご紹介しましょう。両竿のテストの模様は同じカテゴリー内に掲載されておりますが、「征龍竿」については2008年秋、「龍星☆竿」は2009年秋に開発されました。

<征龍竿90 EXPERT MODEL>

2008年の「征龍竿」が何ゆえ今年の新製品かと言いますと、2009年はクリアー全塗装バージョンとして、「征龍竿90 早瀬HIGH POWER」がリリースされております。この竿をよりプロトに近いものにするべく、NP(Non Paint)工法で仕上げたのが「征龍竿90 EXPERT MODEL」です。

開発に携わった私としては、当初からこの竿はNP工法しか想定しておりませんでしたが、フナヤさんのお客様にはクリアー全塗装を望む方々が多い。加えて工場サイドも開発が遅れてスペックの確定が遅れたため、NP工法に対応するだけの工程表がとれませんでした。007.gif

そして迎えた2009年。リリースされた「征龍竿90 早瀬HIGH POWER」はメーカー激戦区の「早瀬クラス」で思いのほか検討。購入した方々から高い評価を頂きましたが、やっぱりクリアー全塗装が竿本来の性能に与える影響について、ご指摘するユーザーがいらっしゃいました。当初からNP工法を想定していた私は、その声が本当に嬉しかったです。

笑われるかもしれませんが、この竿はトップ・トーナメンターが決勝大会で使うことになっても、まったく引けをとらない。いやむしろ上を行っている、そんな意気込みで取り組みました。「何を寝ぼけたことを!」と、お叱りを受けるかもしれませんが…。008.gif

メーカー大会の常連さんは、多かれ少なかれ使う竿に制約を受けますが、大会から退いた方や、競技志向がなくても大会上位者レベルの釣りをする方も少なくありません。そしてブランドだけで物の価値を判断しないユーザーが必ずいると。

そんな方々のご要望により、2年越しで実現したのが「征龍竿90 EXPERT MODEL」なのです。006.gif
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↑使用したデジタル秤の精度は保証できません。したがって、各モデルの重量差の目安として見てください。また最小単位が1㌘なので、表示がしばしば変化することから、227.5㌘に限りなく近い228㌘と判断されます

そして「標準チューブラー穂先」が硬い設定なので、私は当初オプションで「細いチューブラー穂先」を開発するつもりでした。もともと完全なチューブラー派でしたから。しかし「PT(PowerType)ソリッド」を使い込んでいくうちに、ソリッドで狙うところを目指した方がメリットがあるのではないか?そう感じるようになります。

ソリッド穂先は穂先1本に、「ソリッド部分」と「チューブラー部分」が存在します。したがってテーパーも、ソリッドとチューブラーで設定できるし、カーボン弾性や長さの組み合わせも、チューブラー穂先よりはるかに自由度があります。そしてコンセプトは、オトリに負担を掛けない「ソリッド」から、チューブラーの進化系を目指した「ソリッド」。それが今季リリースされた「HPT(HighPowerType)ソリッド」です。

「征龍竿90 EXPERT MODEL」のリリースに当たっては、ぜひこれらのソリッド穂先も替穂としてつけたい。この欲張りな願望が、「チューブラー+ソリッド3本」という、かつて類をみない替穂の数となりました。
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そして更なるこだわり。それは専用の替穂なのだから、「別売りソリッド」のようなクリアー仕上げでは芸が無い。見た目もNP工法に見合ったソリッド穂先にしたい。しかし、ソリッドは塗装しないと裂けてしまうので塗装は不可欠。チューブラ部分のみNP工法で、ソリッド部分はクリアー仕上げというのも…。

こ~んな紆余曲折を経て完成したのが、「艶消し塗装」された今回の替穂です。こんなところにも、こだわりを感じて頂けたら幸甚です!

【補足】
以前にも書きましたが、このクラスの竿は使い手の資質も求められます。竿の「丁寧な取り扱い」と、「限界の見極め」をお願い致します。
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<龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER>

次は「龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER」です。今季リリースされた竿は「龍星☆竿」に限らず、以下の2点に留意して塗装のデザインが決定されております。

①2番~元上までの玉口塗装幅を狭くして軽量化を図る
②元竿塗装の軽量化を図る

新製品3本とも玉口塗装の幅が従来のモデルよりも狭いのは、①を狙ったもの。そして共通して元竿の黒い部分に、黒の下塗りをしないでクリアー塗装が施されたのは、②の理由からです。

そしてこの狙いが顕著に出たのが、この「龍星☆竿」です。フナヤさんのホームページに掲載されている自重は250㌘で、竿のケースに印字されている自重は252㌘。しかし私の手元にある竿は、「尻栓込み」で244㌘に仕上がっています。

「龍星☆竿」の尻栓は5㌘なので、竿本体の重さは239㌘。一方「急龍竿Ⅱ」は「尻栓込み」で247㌘。「急龍竿Ⅱ」の尻栓は7㌘なので、竿本体の重さは240㌘となります。

この2本の硬さの違いは、2009年11月5日に掲載した錘負荷によるベンディング・カーブを見て頂ければ歴然ですが、「急瀬HIGH POWER」が「急瀬」とほぼ同じ自重で仕上がったことになります。これは「龍星☆竿」には80㌧カーボンをコンポジットしている要因もありますが、①、②の効果も少なからずあります。

今回「龍星☆竿」に採用された「ロイヤル・ブルー」は、私が3年前に特注(*)で作った「Super LightⅡ90」にも使った色。私の「龍星☆竿」の塗装案は、無難に「メタルグレー」or「シルバー」の2本線でまとめるというものだったので、この配色は思い切った採用だと思います。
(*)2年前から工場がフル稼動となり、特注対応はまったくできなくなりました

実際の色は写真よりも濃いメタリック・ブルーですが、この色は川で思いのほか映えます(=目立ちます)。こっそり一人でいいこと…、見たいなことはできません!001.gif

今季の新作を使ってる方をお見かけしたら、感想をお尋ねするかもしれません。その際はよろしくお願い致します。040.gif
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上から「龍星★竿」、「急龍竿Ⅱ」、「征龍竿」、「征龍竿EM」
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<征龍竿90 早瀬HIGH POWER>
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↑「征龍竿 早瀬HIGH POWER」の自重は、尻栓込みで243㌘。尻栓を除いた本体重量236㌘に対して、「征龍竿 EXPERT MODEL」の本体重量223㌘。トップ~元上までのクリアー全塗装とNP工法では、13㌘異なることになります

<急龍竿Ⅱ90 急瀬SPECIAL>
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by scott1091 | 2010-05-16 13:12 | フナヤオリジナル | Comments(7)

Commented by きゃぷてん♪ at 2010-05-16 22:36 x
いよいよ次週、そちらは解禁ですかね?釣り過ぎなレポートが今から怖いですね?(笑)
もちろん、今年はこちらも真剣に鮎釣りをしようかと思いま~す。負けませんよ、ことしは~~~^^
Commented by scott1091 at 2010-05-17 23:11
よっちきさん、ど~も。
今年は鮎が小さいので、解禁といっても今ひとつ盛り上がりません。

渓流も2~3週遅れなので、話題性で5月の解禁にこだわるなら、少なくとも29日に設定するべきでしょう。小さくてオトリが回らないと、釣れないのと同じくらい評判を下げてしまいますから…。

他の河川も遡上の多い少ないはありますが、サイズ状況は大差ないと思われます。
Commented by flymoto at 2010-05-19 08:48
おはようございます
狩野川今週末より解禁ですね〜今年は年券購入したので昨年よりも通いたいと思っています。

フナヤさんのrodいいようですね、コスメも自分好みでかっこいいです。
景気の悪いご時世なので今あるRODを使い倒して行こうと思っていますけが
腕が上がってからスペックの高いRODを使うか。。
スペックの高いRODを使って腕を鍛えていくか。。
色々考えながらみなさんの記事よだれを垂らしながら拝見しています^^

そんなことばっかり考えていたら昨晩”フナヤさんRod”&”TOMOさん”が夢に登場しました(笑)今シーズンも色々お聞きすることがあるかもしれませんがよろしくお願いします。
Commented by scott1091 at 2010-05-19 23:02
flymotoさん、こんばんは!
40㌢アップの本流ヤマメ、2本も釣られたのですね。ブログ拝見しました!

竿についてはある程度のレベルに達するまでは、今お使いの竿でよろしいかと思います。フライと一緒で釣りが安定してくると、自分の好みや志向するスタイルがおぼろげながら見えてきます。(←経験的に見えるのが早い人ほど伸びませんが…)

それと留意してほしいのは、スペックの高い竿ほど取り扱いに注意しなければなりませんし、折損リスクも高くなります。これは素材(高弾性低レジン)と構造(肉薄、塗膜薄)に起因するものなので、全てのメーカー共通です。

川原に竿を直置きするとブランクに傷をつけるので、用を足すときは必ず草の上に!私は草付きのない場所では、昼食時は必ず竿を畳みます。こんな感じなので、全ての動作は竿を担いだまま行えるようにならないと、この手の竿は使えません。

今年は一度狩野川で、ご一緒しましょうか?
ご希望であれば、非公開コメントでメルアドをご連絡くださいませ!
Commented by scott1091 at 2010-05-20 21:48
flymotoさん、メルアド了解しました。

非公開コメントではありますが、念のため削除させて頂きました。メールにて、別途ご連絡させて頂きます。
Commented by 鮎迷神富山 at 2010-09-28 23:16 x
鮎迷神 ソーさんに色々聞いてます 来期神通で同行してみたいですね!またフナヤの竿 急瀬90手にしてみたいです
Commented by scott1091 at 2010-09-30 21:37
鮎迷神富山さん、こんばんは!

私は九頭竜がメーンなので、神通に行けるのは年に数回程度。しかも時期的にシーズン後半の9月上~中旬となってしまいます。これでは遅いと思いますので、オリジナルロッドの貸し出しをご利用くださいませ!

受注生産がメーンなので、9月にはほとんどの竿が完売になってしまいます。