「龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER」ついに完成!

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来季リリース予定のフナヤ・オリジナルの新作は、「龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER」と「龍芯竿915 超硬EX」の2本。コンセプトに基づいて製作された各「プロト1」は、「龍芯竿」は9本継ぎの方向性が正しいことを確信するレベルに仕上がっていましたが、「龍星☆竿」は明らかに今ひとつ。この時点では、「龍星☆竿」の方が時間が掛かるだろうと予想しておりました。

しかし「プロト2」が上がってくると形勢は逆転。それぐらい「龍星☆竿」の「プロト2」の振り調子が良くなります。逆に「龍芯竿」は振り調子では違いがあまり感じられず、更なる修正プロトの製作も視野に入れて実釣テストを優先します。しかし九頭竜でのあらゆるテストの結果、私の心配は杞憂に終わったことはすでに既報のとおりです。
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一方の「龍星☆竿」は振り調子が極めて良かったことと、テストした方々の評判も良いようなので私は完全にノーマーク。九頭竜でお会いする方々から「龍星☆竿」の質問も多いため、シルバーウィークの一日を神通に割り当てて、9月21日に第一回目のテストを行いました。

そこで痛感したことは、竿は実際に魚を釣ってみないと細かいことは分からないということ。振り調子で不安を感じた「龍芯竿」は「プロト2」で仕上がる一方、振り調子でとても良い感触だった「龍星☆竿」は・・・。実釣では「プロト2」は十分な操作性能も有しているし、胴のパワーもある。事実、神通では楽しい時間を過ごしたけれど、私が期待していたレベルとは・・・。具体的に書くと。
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〇80+65㌧カーボンで得られるべき感度が期待ほどない
〇オトリ操作で感じるファジー感(車で言えばハンドルの遊び)
〇胴のハリは素晴らしくパワーもあるが、そこまで曲がる前に感じる竿のブレと不安定感

フナヤさんは「プロト2」の製品化を前提に受注を開始していたので、このテスト結果はかなり焦りました。翌日早々、フナヤさんに戻って使用感を報告。何とか「プロト2」の素材見直しで対応できないか?連休明けに工場サイドと詰めることになります。
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そして私は自分の感覚に間違いはないか?またその問題点を解決する方法を、狩野川の実釣とベンディングカーブの比較写真で模索し、自分なりにまとめた所見をメールします。それに対する開発責任者からの返事は・・・。

「プロト2」はすでにこれ以上高弾性化できないレベルにあるため、素材の見直しでは対応できない。残された方法は全面改良。工場サイドで設計に再度トライするが、設計責任者は要望に応えられるか自信がないと・・・。
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この時期にして八方塞。正直に言えば、このまま「プロト2」で行けば楽になる、そう思いました。しかしこれではリリースありきで本末転倒。すでに「プロト2」を評価している方々に配慮しなければなりませんが、私は自分が使う竿として、このレベルではどうしても妥協できません。

他の方々の総合的な評価。そして何よりもプロト数が増えれば開発費が嵩むので、「プロト3」を作るかの判断は、開発責任者に委ねます。そして出された結論。それは「プロト3」の製作に着手すると・・・。
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昨年の「征龍竿」は「プロト2」のテストが10月11~12日、「プロト3」のテストが11月8~9日だったことを思えば、最悪「龍星☆竿」は「プロト4」まで行ける。後は11月まで狩野川で釣りができるかが一番のポイント。台風18号は本州直撃ルートですが、この時期であれば被害がでないくらいの増水であれば問題なし。

ましてや石垢が完全に飛ばないくらいの雨であれば、10月中はフルに竿のテストができる。この状況を受けて、設計書にGOサインが出されてからは、工場の迅速な対応で「プロト3」が10月9日には到着します。そして10日からテストを開始。
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↑「最終プロト」と「急龍竿」の比較<100㌘>

竿の能力をフルに引き出し、それを正しく評価できる使い手がはたしてどれくらいいるのか?これは販売する立場では極めて重要なポイントですが、「征龍竿」が高く評価されたのも事実。そして何よりも自分自身が満足できる竿が欲しい。原点に戻って、自分の理想とする竿を探求します。

「プロト3」は設計責任者の意図したとおり、私が理想とする調子に仕上がっておりました。しかし「プロト2」の胴のパワーを残したため、全体のバランスからパワー的に2ランクくらい上のレベル。超高弾性カーボンの効果もあって、振り調子はまさにビンビン、シャキーン。「急瀬 HIGH POWER」としては、「こりゃ~硬すぎるぜ~」という感じですが、実釣テストをすると意外に振り調子で感じるほど竿が跳ねないしバレも少ない。
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↑「最終プロト」と「急龍竿」の比較<100㌘>

「プロト3」は硬さを度外視すれば、かなり私の理想に近い竿となっておりますが、フナヤ・オリジナルの「龍シリーズ」としての硬度調整をしなければなりません。「プロト2」と「プロト3」の明確な違いは、「プロト3」がより先短設計で2~4番の径が太くなっていること。穂先の安定を考えると先短設計は変えられないので、1~3番の修正プロトに着手します。

従来のテーパーで素材を見直したものと、新たにマンドレル(芯金)を作ってテーパーを見直した「Aタイプ」と「Bタイプ」。「プロト3」の1~3番を含めると、全部で10通りの組み合わせが存在します。しかし実釣で全ての組み合わせをテストすることはできないので、開発責任者が先行して絞り込んでくれた3パターンをテスト。
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↑「最終プロト」と「急龍竿」の比較<150㌘>

このテストでやっと「龍星☆竿」の製品化に目処がつきます。こうなると出口が見えており、また今年の狩野川は10月中は確実に釣果が期待できる状況なので、最後にどうしても試しておきたい修正プロトの製作を開発責任者に懇願します。そして完成したのが「Cタイプ」。

最終的にどのパターンを採用したかは、組み合わせが複雑なので省略しますが、「龍星☆竿」は修正パーツまで含めると「プロト6」で、やっと完成です。なお一連のテストは、「標準穂先」と「PTソリッド」で0.05~0.07号のメタルラインで行っております。実釣記録に記載の通り、神通などで初期から使う場合は「PTソリッド」の併用をお勧めします。
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↑「最終プロト」と「急龍竿」の比較<150㌘>

一時はどうなることかと悩まされた「龍星☆竿」の開発。しかし開発責任者の熱意と、それに応えてくれた設計責任者。そしてフナヤさんを支えるスタッフや友人、工場の方々のご協力により、何とかこの日を迎えることができました。関係者の皆様に御礼申し上げます。

ということで、やっと「龍星☆竿」の「プロト」を見て頂ける状態になりました。今回は開発責任者と私で、リアルタイムで打ち合わせができるよう、プロトを2本作っております。したがって今後は1本は店頭用に、もう1本はご依頼があれば送って見て頂けるようになります。

竿は自分の好みと感性が重要ですので、ぜひ実際に手にとってご確認くださいませ。「征龍竿」同様、極めて完成度の高いレベルに仕上がっておりますので。くれぐれも「急瀬 HIGH POWER」の「HIGH POWER」をお見逃しなく!


実釣記録①(proto2)「標準穂先」
実釣記録②(proto2)「標準穂先」
実釣記録③(proto2)「標準穂先」
実釣記録④(proto3)「標準穂先」
実釣記録⑤(proto4~5)「標準穂先」
実釣記録⑥(proto6)「標準穂先」
実釣記録⑦(最終プロト)「PTソリッド」
実釣記録⑧(最終プロト)「PTソリッド」


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↑参考までに「proto2」と「急龍竿」の比較。上が100㌘で下が150㌘。バットに対して2~3番が弱いのがご理解頂けると思います

by scott1091 | 2009-11-05 17:14 | フナヤオリジナル | Comments(3)

Commented at 2009-11-06 12:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 乾坤一擲 at 2009-11-09 08:39 x
TOMOさん おはようございます。
「龍星☆竿90 急瀬HIGH POWER」 完成おめでとうございます。
龍の名を受けた銘竿がまた一つ誕生ですね、テスターお疲れ様でた。

私も昨日でやっと解放されました(フー)、
さあ、ミュウが招いていたので、予約しなくっちゃ。
Commented by scott1091 at 2009-11-09 19:58
乾坤一擲さん、こんばんは。
仕事、一段落してよかったですね!
こんどの週末は、奥様と一緒に紅葉狩りなどいかがですか~。

おかげさまで「龍星☆竿」のテストも終了し、私もこの週末で竿を納めました。今年は貴方のおかげで、自分の釣りの写真が沢山集まりました。ありがとうございます。m(_ _)m

あらためて写真を見ますと、まだまだ未熟ですね~。近々、2009年の鮎シーズンを総括する予定です。