「友舟AT-700」インプレッション!

今年発売された「友舟AT-700」。今までダイワ、シマノ、がまかつの曳舟を使いましたが、私は完全にダイワ派。ダイワについては全モデル使ったことがありますが、現在使っているのは「RR-600」。すぐ反転する評判がいま一つのモデルですが、荒瀬でも舟が沈み込まないのと、移動で持ったとき「BT-750」よりも軽く短いのが魅力です。

当然「AT-700」は最新モデルなので、「RR-600」の悪いところは改善され、良いところは継承されていると考えられます。手持ちの友カン「SS-1800R」に収まらないのが残念ですが、宣伝用のビデオを見て思わずこの時期に購入してしまいました。006.gif
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まずインプレッションを記載する前に、カタログ上の特徴で私の「RR-600」にない機能を整理しておきましょう。⑥は現行の「RR-600」には搭載されていますので注意してください。


①舟重心位置を下側にすることにより反転し難い
②反転しても「起き上がりこぼし」原理で復元しやすい高復元力機能搭載
③大型プッシュトップ付両開き観音扉で鮎の投入が楽々
④投入口、小ブタ部にスリットを入れることにより舟本体への水流入を促進
⑤数多い通水口で舟内の水の循環がスムーズになり、鮎の弱りを解消
⑥体に伝わるショックをさらにやわらげる「快適ハンドルCR」搭載



今回のインプレッションは、私の極めて主観的なものです。まったく違う印象を持たれる方も多いと思いますし、比較対象がないビギナーにはまったくストレスを感じないかもしれません。そのことを前提に、お読み頂ければ幸甚です。

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では、まず曳舟を手にした感想から。「RR-600」が乗用車なら、「AT-700」はF1マシーンを彷彿させるフォルム。「高復元力機能」搭載の関係で断面積は正方形に近いので、水深の浅い場所では置く場所に苦慮しそうです。深さがある分幅が狭いので、流水抵抗に対しては期待が高まります。

川に入ってすぐに試してみたのが、宣伝ビデオにある「起き上がりこぼし」の実験。ビデオ通りに復元するのに感動するまではよかったのですが・・・。

<①、②の機能について>
回転できるだけの水深があっても、ある一定の流速を超えると反転したら復元しません。ロープの長さを調整しても、立ち込んでしまえば大差なし。舟底形状による影響か、反転すると舟が水面下に沈んでしまい、流水抵抗も半端ではありません。

この結果はな~んとなく予感していたのですが・・・。また反転しなくても「RR-600」よりかなり流水抵抗が大きいので、立ち込んだときに流れに弱くなります。ある一定の流速以下で使用する方が無難な感じです。

<③の機能について>
これは私には非常に入れにくいです。扉を大きくしたことが問題ではなく、扉の本体下部の構造が気になります。鮎が逃げる逃げないは慣れの問題でいくらでも解決できますが、投入時に指が痛い。釣っている間は続けて鮎を入れることはないので我慢できますが、釣り終わって尾数を数えるときに、曳舟に鮎を入れるのがいやになります。これは慣れでは解消できそうにありませんが、気にならないという方もいます。手の大きさや、投入方法の違いによるものかもしれません。008.gif
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同じサイズの鮎を入れるのに、扉を大きくする意味はどこにあったのでしょうか?極端に言えば、手を突っ込んで観音扉からオトリが出せる大きさですが、当然ながら鮎投入時の開口面積(隙間)は大きくなります。
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<④、⑤の機能について>
舟内の水の循環については評価できそうです。観音扉のスリットから中の鮎も見えますが、蓋を開けたときの鮎の飛び出しにも一定の効果がありそうです。ただこの循環効果によって流水抵抗が犠牲になっているとしたら、どっちを選ぶかは人によって異なるところだと思います。

<⑥の機能について>
現行の曳舟にはほとんど標準装備されておりますが、私は初めて使いました。これについては賛否両論あると思います。保守的な意見としては、ある一定以上の流速ではハンドルに内臓されたローラーによる、舟のスムーズな動きは実感できません。クッションロープも同様です。

また移動時にハンドルを持ったとき、両端から出たロープで手が痛いです。それとハンドルの稼動域の関係で取り付ける本体ロープが長いため、私の指ではハンドルを持ったまま舟の先端を抑えても、「RR-600」ほど安定しません。これは鮎を出すときに、曳舟のどこを固定するかによって評価が分かれます。普通はハイマウントフックを持つと思いますが、立つのがやっとの荒瀬では、先端を押さえてオトリを出す人が多いと思うのですが・・・。

私だけかもしれませんが、移動するとき下手でロープを瞬間的に引き寄せて、ハンドルを掴みませんか?また荒瀬に立ち込んだり渡渉するとき、下手でロープを掴んで体のバランスをとりませんか?これらをするには、クッションロープの伸びは逆効果です。

えっ!そんなことはしない
では・・・、⑥のインプレは読み流してください。001.gif

ダイワの曳舟が全て「快適友舟ハンドル」に変ってしまいそう勢いなので、今使っているタイプをまとめてパーツオーダーしました。その意味では「AT-700」を買ってよかったかもしれません。
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容量が1㍑大きいので当然ですが、水を入れた状態で持つと「RR-600」と「AT-700」では約1㌔違います。しかしたった1㌔の違いなのに、川原を歩くとき結構バランスを崩します。1㌔分水を捨てればよいのですが、中途半端に水を捨てるのは難しいもの。今回あらためて実感しました。
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曳舟がダイワ派である最大の理由は、フタが途中でしっかり止まる、2ポジションヒンジが装備されているから。「AT-700」にも装備されていますが、止まるポジションが高過ぎるのと、止まり具合が弱いのが残念です。フタの長さによる意図的なものかもしれませんが、個人的にはマイナス点でした。042.gif

by scott1091 | 2009-06-30 22:05 | 鮎関連・インプレッション | Comments(17)

Commented by Wara at 2009-07-01 00:52 x
初めまして! 北陸のWaraと申します。
いつも、美しい写真とお人柄がしのばれるステキな文章に、羨ましくも楽しくBlogを拝見させていただいております。
さて、「AT-700」ですが、”Team Jinzoo”HPの掲示板でも話題となりまして、Tomoさんと同じような不具合?な点が指摘されました。まぁ、反対の意見の方もいらっしゃいましたが・・・。私も宣伝用のビデオを見て購入を検討していましたが、掲示板の不具合情報で現在ペンディングとしていました。今回のインプレッション大変参考になりました。ありがとうございます。
Commented by 乾坤一擲 at 2009-07-01 09:57 x
TOMOさん、おはようございます。
曳舟はダイワ派だったのですね、
九頭竜舟派だと思っていましたよ (=^v^=)ププ
私もダイワ派です、だって色々と考えてありますものね(試してみたくなる)。
しかし、⑥の快適ハンドルには苦い思い出があります(`⌒´メ)
私は初期の赤い奴を予約までして買いましたが、BT750にセットして九頭竜で1シーズン持ちませんでした。(舟流出)
センターのネジ部で真っ二つ、私の扱いが荒いのは確かですが!
瀬で使うにはネジ部が貧弱で強度不足と思われる。
今は改善されているかは不明です、
また瀬の定義が私とメーカーで違うかも知れませんがね。
まあ、丈夫が一番でした。(*´∀`)ハハハ
Commented by scott1091 at 2009-07-01 20:39
Waraさん、はじめまして!

貴方ブログ、私も拝見しております。鮎とフライの「二足の草鞋(Waraji)」が、私と同じですものね!今年も神通、庄川の状況から富山湾に注ぐ川は順調のようですが、能登半島西側は手取が好調で九頭竜が不調というのはなんとも残念です。九頭竜は大きな川なので、梅雨明け後に好転することを期待して、Waraさんの吉報をお待ちしております!

「AT-700」については賛否ありましたが、具体的に「何がどうなの」と書いているものがなかったので検証も含めて購入しました。一般的な釣り人は私ほど荒瀬に立ち込まないので、扉の構造以外は気にならないのかも?・・・です。しかしこの構造も、内部の水の循環を優先した結果だと思うので、意見が分かれるところですね。

7月中旬に九頭竜の様子を見に行こうと思っています。今後ともよろしくお願いします。
Commented by scott1091 at 2009-07-01 20:43
乾坤一擲さん、こんばんは!

もちろん九頭竜では、「九頭龍舟(大&中)」しか使いません。舟からオトリを出すのに慣れが必要ですが、流水抵抗がぜんぜん違いますしバランスも。ステンレス製ですが、舟が軽いのも気に入っています。「中野式FRPボート(10.5㍑)」も持っていますが、これが満タンになるほど鮎が釣れませ~ん。(泣)

私とメーカーの瀬の定義は、完全に一致しております。「九頭龍舟」を使うのは、皆さんのように「BT-750」を使ったら、すぐ流されちゃうからです。見た目以上に軟弱なので、九頭竜で見かけても後ろから煽らないでくださいね!(笑)
Commented by 乾坤一擲 at 2009-07-01 21:30 x
TOMOさん、こんばんはです。
(*^_^*)オー
ついに7月中に参戦されるのですね、楽しみにしています。

早くTOMOさんを煽るような激流師になりたいです(^o^)
来福日程が決まりましたら教えてくださいね。
Commented by KIKU at 2009-07-01 22:44 x
>ある一定の流速を超えると反転したら復元しません。

私は今日ようやく気付きました。
快適ハンドルは、去年すでにロープ外れています。

理想の曳舟ってないもんですねぇ…。
Commented by Wara at 2009-07-02 21:22 x
今晩は!
こちらこそ、よろしくお願いします。

>7月中旬に九頭竜の様子を見に行こうと思っています。
それは、楽しみですね~お気を付けていらしてください。都合がつけばご挨拶に伺いますよ!
Commented by scott1091 at 2009-07-02 22:18
参戦するかどうかは、乾坤一擲さんの釣果しだいです!(笑)

私のような遠征組は、どんなに頑張っても「なんちゃって激流師」です。本物の激流師は、やはり地元勢でしょう。地元名人を目標に頑張ってくださ~い!お互い若くありませんから、無理は禁物ですよ~。
Commented by scott1091 at 2009-07-02 22:22
うっかりしてました。
ダイワの新製品なら、KIKUちゃんに聞けばよかったんだ~。

親しい友人で購入した人がいなかったので、検証も含めて購入してしまいました。「快適ハンドル」については、全体の荷重がローラーの留めネジに集中する構造は、かなり厳しいと思います。特にKIKUちゃんは体躯が桁外れなので、「BT-750」が重いなんて感じたことは絶対にないはず!その腕力と脚力で荒瀬を引きずりまわせば、あの構造では1シーズンもたないでしょう。

>理想の曳舟ってないもんですねぇ…。
まったく同感。最近は消耗品みたいな感覚です・・・。
Commented by scott1091 at 2009-07-02 22:34
Waraさん、こんばんは!

ご挨拶なんて、とんでもありません!もし偶然お会いする機会がございましたら、よろしくお願いします。それと貴方ブログをリンクさせて頂きました。もし支障があれば、遠慮なくお申し出くださいませ。
Commented by そーさん at 2009-07-03 01:50 x
はじめまして 金沢の者です。(Waraさんの友人) TEAM Jinnzooの掲示板の仲間です。
友釣りポイントや釣果情報等の交換で楽しんでおります。
TA700に関して僕が掲示板に投稿しました。
 会社の仲間3名で今年購入しました。
3名共にインプレッションの内容とほぼ同じ事を感じております
 蓋が大きいのは一見入れやすそうですが小さいサイズの鮎を入れる際に つい奥まで押し込み手を挟んでしまいます。昨日 宮川の解禁に行きましたが一日中雨で手がふやけ状態になりました。この様な手だと更に引っかかって辛かったです。 快適ハンドルも釣り歩く河川では痛くてたまりません。(同僚3名とも同じです)
 daiwaにも相談メールをしましたが、そんなにも問題視されませんでした。 僕もdaiwaファンなのでとっても気に入って購入したのに残念でたまりません。 ついでなんですが、昨年購入したメガトルクⅢなんですが
段落ちが多発するのですが 検証していただけないでしょうか? 友人も数名悩んでいます。 突然投稿していきなりお願いしたりして申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。 今後とも よろしくです!!
Commented by 乾坤一擲 at 2009-07-03 10:00 x
>若くありませんから
…( ̄◇ ̄;)ハハハ
Commented by scott1091 at 2009-07-03 21:44
そーさん、はじめまして。

私は神通に行ったことがありませんし、貴方がどのような釣りをされるのか分からないので軽率な発言はできません。テスターで指摘する人がいなかったのか不思議ではありますが、投入口の構造がプロトと最終製品で変っている可能性もあります。

曳船は大会では特に重要なアイテムなので、マスターズ決勝大会で「AT-700」のテスター使用率を確認するのも一考です。多くの人が使っていれば、投入方法に着目すれば、目から鱗の可能性もあります。ハンドルについては、私はパーツを取り寄せて古いタイプに交換しました。

週末しか釣りに行けないため、自分の「興味あるもの」を使ってみるだけで十分な状況です。検証が目的の釣りでは本末転倒となってしまいますので、ご容赦くださいませ。BBS拝見しました。賛否両論あって当然だと思います。他人の議論に入るつもりはないので、今後の書き込みはご配慮頂けると幸甚です。
Commented by scott1091 at 2009-07-03 22:28
乾坤一擲さん、こんばんは!

年齢で言えば、先の書き込み通り私もニアリーイコールですよ~。
長く鮎釣りが楽しめるよう、無理のない範囲で切磋琢磨しましょうね!
Commented at 2009-07-03 22:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by KIKU at 2009-07-03 22:54 x
色々意見があるようなので、補足させて下さい。
流れが緩ければ舟がひっくり返っても元に戻るのですから、強い流れで戻らないとしても、他の製品よりましなのではないでしょうか?

投入口が痛い件ですが、私はなんともないのが不思議です。

今まで750でしたから、重量には何の不満もありません(笑)

快適ハンドルについては、痛くはないですが、持ちにくいと思いますし、ローラーの良さを感じません。
あと、ロープ外れも心配です。
(私も替えようかな?)

明日は米代本流の予定ですから、早い流れでどんなもんか、結論が出ると思います。

ちなみに竿の節落ちは、ルアーロッド用のフェルールワックス塗れば問題が解決しますよ。
Commented by scott1091 at 2009-07-04 18:10
KIKUちゃん、フォローして頂き申し訳ありません。

さらに書き込みが続くようであれば、迷惑が掛からないよう貴方のコメントは削除しようと思っておりました。投入口の問題はKIKUちゃんのように問題にならない人もいらっしゃいますし、反転についてもご指摘通りだと思います。

いよいよ米代の季節ですね!今季はまだ確かな情報がないので、貴方の結果を楽しみにしています。なんだかんだ言ってもかなりの距離ですので、気をつけて行ってきてくださいませ!