「征龍竿90 早瀬HIGH POWER」の塗装について!

私の場合、鮎竿のようにハリやキレ(操作性)、自重(持ち重り感)に大きな制約があるものは、機能が最優先と考えています。したがって塗装が必要以上に嵩んで竿の性能が犠牲になるのであれば、プロト状態の竿でもよいと思います。

しかし性能をさておけば、その竿をシーズン通してきれいに保てるかというと話は別。ましてや数年使うことが前提となれば…。塗装が薄い竿は仕舞った状態で節と節がこすれ、テーピングで残った凸部分の塗装が剥がれてきます。数年使い込んだメタル塗装の竿がまさにその状態ですね。
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↑このメーカーで最初にメタル塗装されたモデル。2~3番は玉口のクリアー仕上げも省略。その後塗装の概念を捨てたエアグロスフィニッシュ(4~元竿)と、ノンコート(1~3番)の組み合わせに発展

そこでどうしても塗膜の補強を考え、一般的な「全塗装+クリアー仕上げ」か、一番こすれる玉口に「15㌢程度クリアー仕上げ」が必要となり、結果として玉口以外の塗装部分をどう軽量化するかが重要なポイントとなります。

ところで鮎竿のような長尺ものは、想像以上に塗装重量が竿の性能に影響するのをご存知ですか?一つの例として、竿全体にきれいな黄色の塗装を施すとしましょう。塗装工程は、まず竿全体にカーボン地色の黒が発色しないよう、白か銀色の下地塗りをします。その上から本命の黄色を数回塗装し、その上からクリアー仕上げが施されます。
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↑一般的な「全塗装+クリアー仕上げ」の2本
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↑一般的なクリアー仕上げをしない塗装。このメーカーはこのモデルでシェアを拡大。その後より軽量なチタンコーティングに発展

ほとんど塗装されていないブランクをベースにこの状態を極端に表現すれば、お気に入りのへら竿や渓流竿に、磯竿用ガイドを取り付けるイメージでしょうか?ご想像のとおり、ハリのあった竿がガイドの自重で全体にたわみ、竿のキレがなくなります。

ちょっとした振動でも竿はダヨンダヨンし、竿先をブラさずに操作することが困難となります。支点に近い元竿はほとんど影響しませんが、元上からトップはこれらの理由から塗装重量を極力軽く仕上げたい。各メーカーが上位機種で、玉口以外はクリアー仕上げしないのはこういった理由からなのです。


軽量化するには塗膜を極力薄く、かつ節同士の擦れ傷が目立たないものがベストとなります。塗装という概念を超えてカーボン素材そのものを研磨処理する「エアグロスフィニッシュ」は、塗膜がないので堅牢度・耐久性の問題はあるものの、良い方法の一つかもしれませんね!
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↑現在使っている竿は全てNP塗装。一番手前の竿は2シーズン、一番奥の竿は3シーズン使用したが、節同士の擦れ傷はまったく感じない

こいった背景から、フナヤ・オリジナル(急龍竿Ⅱ、撃龍竿Ⅱ)では「ノンペイントフィニッシュ(NP塗装)」が採用されています。このNP塗装は軽量化以外にも、水切れが良く糸絡みが少ないのも特徴です。工法の詳細はわかりませんが、「ゼロコーティング」も同じ発想だと思います。

しかしこのNP塗装は半完成品のよう見えるなどの理由から、一部で評判が良くないとのこと。フナヤ・オリジナルでは、通常のクリアー塗装に変更を要望する方が多いようですが、これでは出来上がっている竿本来の性能が犠牲になってしまいます。プロトには「ブランクス・プロト」と「塗り仕上げプロト」がありますが、「征龍竿」のように「ブランクス・プロト」にこだわってテストすると、塗装を厚くすると完成品は別物となってしまいますね。

このような経緯もあり、「征龍竿」は折衷案的塗装を採用。玉口以外は塗膜を極力薄くした「黒塗装・クリア仕上げなし」とし、NP塗装に限りなく近い軽量仕上げを予定しているそうです。残るは製品の顔となる、元竿と玉口のデザインですね!
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私の希望は「金」、「銀」を使ってシンプルに!言葉で表現するのは難しいので、色紙を使ってイメージを作ってみました。あくまで個人的な案なので、最終製品とは異なりますのでご留意くださいませ!emoticon-0100-smile.gif
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↑持ったときはこんな感じ!左手部分がクロスカーボン無地に「征龍竿90 早瀬HIGH POWER」の印字。銀テープの間にサンテックマーク、そして右手部分がノンスリップ加工。あくまで個人的なイメージですemoticon-0100-smile.gif

by scott1091 | 2009-02-19 00:00 | フナヤオリジナル | Comments(0)